陛下と面談する 1
遣いの人と別れてから、ミカ姉ぇを紹介して、国王夫妻に案内をされている俺達。
うん、世界で豪華な案内人達だわ。
宮殿に入る前に見事な花壇があり、色んな花が咲き誇っていた。思わず足が止まり。
「見事な花壇ですね?」
と言った。
「そうでしょう?わたくし達の自慢の一つですのよ。毎日、庭師達が丁寧に手入れを行っておりますのよ」
「見ているだけで心が和みますね?」
「そうでしょう?」
「毎朝、ここを散歩をしているが気持ち良いのだ」
と、夫妻が答えた。
確かに毎朝この花壇を見れば清々しい気分になるだろうな。
「所で、聖殿の服は変わった服装ですわね?」
「はい、これは………」
と、着物の説明をした。
「なるほど、民族衣装ですか?ドレスとはまた違ったモノを感じますわね?それに聖殿がますます大人に見えますわ」
「ありがとうございます」
「では、我が宮殿の中へ」
兵士達が扉を開けた。
言うでもなく、玄関ホールが広い空間になっており、絵画や銅像などが飾られていたが、所々、無い所がある。それに気付いた陛下が。
「無い場所は、以前、神聖王様の絵画や銅像が飾られていた場所ですが、神聖王様ご自身が全て破棄せよと御命令をお出しになり、今は新たなモノを制作中です」
「なるほど」
「非道いモノでしたからね?父上がカンカンでした」
「それは申し訳ないと思っております」
「そんなに非道かったのですか?」
「まあね。見た瞬間に私達は大爆笑したよ。だけど、当の本人はキレてしまってね。全て残らずに破棄させたんだよ。まあ、大昔に国を造って以来、誰もその姿を見たことがなく、ほぼ伝説化になっているからね?だけどさ、あれはないわ」
「はい」
「そんなにも?」
「うん、ほら、神界でジジィになった時があったでしょう?あれよりも非道かったよ」
「ああ、納得しましたよ」
と、ミカ姉ぇが頷いた。更に。
「確かに破棄するべきですね?あのようなお姿は、私達、天使全員が寝込みますので」
「そこまでに!?」
陛下が驚く。
「ついでに私も3日間ぐらいは寝込みます」
「3日間!?」
夫妻で絶句した。
そして、陛下達のプライベートルームに着いた。
「ここがわたくし達の部屋ですわ。どうぞ」
扉を開けると。
「ヤッホー」
「遅かったわね」
「先にお邪魔しています」
3人が挨拶した。
俺達もテーブルに着くと、メイドがお茶とお菓子を用意してから下がった。
お茶を飲んでから。
「で?私達に話とは?」
「ウム、昨日の事を聴きたいのだ」
「昨日の事ですか?」
「ウム、単刀直入で言おう。聖殿は人を殺した事があるのか?」
「はあ?」
「えっ?」
「お父様!?」
「………」ジロリッ
鋭い目で睨み付けるミカ姉ぇ。