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総括(仮)(良いタイトルが浮かばなかった。浮かんだら変えます)

「料理長!」


「は、はい。お嬢様」


「今回の貴女の料理は、いつも以上にとても美味しかったわ。また、作って下さいね」


 と、エリサはにこやかに言った。


 すると、料理長の目に涙が。


「あ、ありがとうございます。そう言って貰えると嬉しいです。うっうっ」


 そして、料理長は本格的に泣き出してしまった。


「泣くことではないでしょう?私は普通に言っただけよ?」


「で、ですが、この業界に入って初めて言われたのが、本当に嬉しくて………」


「全く、ほら、神聖王様や王妃様もいらっしゃるのよ」


「はい………」


 料理長は、涙を拭いた。


「料理は、美味しくて当たり前。誰だって、不味い料理は食べたくはありませんモノ。この料理はどれもとてもシンプルでしたが、美味しかったわ」


 母さんがそう評価した。


「そうだな。旨かったぞ。なかなかの腕前だ」


 父さんもそう言った。


 マリア、リク、ミカ姉ぇ、ルエルさんの4人もこの食事には満足しているようだ。


「あ、ありがとうございます。この料理らは、私の母親が作ってくれていた思い出の料理です。私は、この料理達を世の中に出したくて、料理人を目指していた筈でしたが、しかしながら、私自身がその家庭料理の料理を否定していました。家庭料理はプロの料理人が作る料理ではない素人が作る料理だと。ですが、私の最初の目的を思い出してくれたのは聖様でした。今日は、そのお礼を含めましてのご招待でした」


「そうだったのね?確かに、私がいつもと食べている味とは全くの別の味だったわ。私は小さな時からこういうものを()()()食べたかったのよ」


 エリサの夢が叶ったな。


「そうでしたか、では、たまに作りますよ。毎晩と聖様にお嬢様を盗られぱなしでは、私達、宮廷料理人のプライドがズタズタになりますから」


 料理長は俺に挑戦状を叩きつけた。


「それは面白い受けて立つよ!まだまだ、変わり種はあるし、調味料も増えたから今まで作れなかったモノが色々と作れるし、魚類もまだまだあるから、天ぷらやフライも作れるしな」


「えっ!何?天ぷらとフライって?それ食べてみたいわ」


 早速、エリサが食いつく。


「わ、私が知らない食べ物が、また…………それに魚料理は私達はやってこなかったから不利だわ」


 料理長は終わったという表情を見せた。


「アーハッハッハッ。俺に勝とうなんて100年早いわ!!」


「うっ!?」


「大丈夫ですよ。私はちゃんと料理長の料理も食べますよ。ただ、大事な話がある場合は聖の所に行くわ。そこで、夕食も食べるわね。けど、基本はここで食べるわよ」


「は、はい!」


 立ち直った料理長。


「で?聖達は、今日1日はこうしているの?」


 母さんが聞いて来る。


「いや、本当は、宮殿から俺とリクに用事があるからと言ってね?その呼び出しの放送を待っているんだよ」


「はい。しかし、一向に私達を呼ぶ放送がありませんから、少し不安です」


「そうなのね?でも何故、2人を呼び出すの?」


「俺の方は、昨日の事を詳しく聴きたいと。リクの方は、なんでも王妃様がリクを養子にしたいと言っているみたいなんだよね?」


「えっ?リクを養子に?」


「はい、母上。ダメでしたら、断りますが?」


「いいえ、ダメではないわよ。ただ、驚いただけよ。それに、その養子の件は、リク、貴女自身が決めれば良いわ」


「そうだな。自分が後悔しない選択をな」


「分かりました………」


 選ぶのにあまり自信がないようだな。


「それでマリア達はどうしているの?」


「私達も行くわ。知りたいもの」


「そうね。私がマリアとルエル様を連れて先に行っていますわ」


「ミカ姉ぇは、俺達の護衛として付いて行ってもらうよ」


「なるほどね?なら、私達は帰るわ」


「ここに居ても仕方ないし、俺達の用事も済んだ事だしな」


 そう言って、父さん達は、神界に帰っていった。


 しばらくして、漸く、俺達の呼び出し放送があったのだった。

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