人面瘡の正体 2
「………じゃあ?大魔王サタンを封じ込めた後はまた三勢力は戦争を再開したのか?」
しばらく自分の中で整理してから、話を再開する。
「イヤ、大魔王サタンを封じ込めた後は、俺達も含めて、各勢力は、かなり疲弊していてな。その後は戦争の状態にはならなかった。いわば停戦状態だな。それは今でも継続中だ。悪魔側も邪神・堕天使側も戦争をやるきっかけを既に失っているからな。だが、小競り合いはやっている」
「なるほど?では、今、俺達に敵対している悪魔側のトップは誰なの?後、堕天使側のトップも」
「そうだな。今、悪魔側のトップは6体で、魔王としてやっているのは、ルキフェル(ルシファー)、ベルゼブブ(べルゼビュート)、アモン、レヴィアタン、アスモデウス、ベルフェゴールの6体だ。そして、堕天使側のトップはアザゼルだな。エグリゴリという組織を創った」
「そうか。どれも地球で聴いた事がある者達だな」
「まあな。そこら辺りは、地球上での言い伝えや伝説と同じになるな。悪魔側は、魔王6体で魔界の各領地を持って経営しているようだな。堕天使側はアザゼルの中心に纏まっているようだ。邪神共は、組織を作らずに個別で自由気ままに動いているようだな」
邪神は邪神で元神のプライドがあるのだろうな。
「そうか。そして、神、天使側は、父さんを総大将にして更に各神話にも主神をたてたのだろう?悪魔側や堕天使、邪神側を対抗や見張るように」
「そうだ。大戦争後は悪魔側や堕天使、邪神側も数多く各宇宙上にバラけた。そこで、俺達も神々を分散させないといけなくなったんだ」
「そうだよな?けど、大魔王サタンは何故急に自我を無くしたんだ?」
「さあな。悪魔になったのも急になったからな。奴には解らない事だらけだ」
「そうか。大魔王サタンを復活させる奴はいないよな?」
「ああ、いない。当時の恐ろしさを知っている。三勢力で好き好んで大魔王サタンを解き放つ奴はいないな。何故なら解き放った直後に殺されるからだ。それに大魔王サタンを制御するなんていうのも不可能だ。奴は完全に自我がないただ目の前のモノを破壊尽くすだけの存在だ」
「なら良いが、昨日も禁忌召喚をやるなと言われたにも関わらずにやったバカ者共がいるからさ。それで大魔王サタンの封印を解くバカ者達が居たら大変でしょう?」
「そうだな。お前達知らない世代もいるからな。だが、並みの者達が、好奇心で、異次元空間に行ったとしても、大魔王サタンの威圧感で、その身が押しつぶされる感覚になるだろうな。更に無理やりに近づけば失神や失禁をするだけだ」
「なるほどな。その人面瘡はどうするの?」
話は、人面瘡に移った。
「コイツは封印するさ。大魔王サタンの破片があるから滅ぼすに時間がかかる。だったら、封印した方が早い」
「この大魔王サタンの破片は私達との戦いの最中に落ちたモノでしょうね?」
「そうだ。大魔王サタンの破片は悪霊と同化して、人面瘡になり、何かしらの生き物に取り憑き、あっという間に乗っ取られるんだよ。しかし、ミカエルの場合は、魔力や精神力が強かったのが幸いした」
確かにそうだな。普通なら直ぐに乗っ取られてしまうな。そう考えると、ミカ姉ぇは凄いな。
「人面瘡は表面がフェイクで、魂に絡みついていたモノが本体か?俺達はフェイクに騙されて治療をしていたのか?」
改めて、人面瘡の特性を父さんに確認の為に聞く。
「そういう事だ。と言っても、人面瘡の全てがそうではないがな」
「そうか。けど、その判断は難しいし、魂を引っ張り出せない。それにあれは、あの剣術の腕前は父さんじゃあないと出来ないな」
「この神剣は俺の専用の剣だ。この神剣は斬りたいモノを斬る剣だが、どうしても俺の魔力が当たってしまう」
「だから、斬っている時に痛がっていたんだな?」
「そうだ。だがこれで治療は終わりだ」
俺達は部屋を出た。それにしてもミカ姉ぇが無事で良かった。
某悪魔高校の小説のネタをパクったと思われた方は、はっきり書きます。【違いますからね】
この話のネタは神話を元に作りましたが、神話を元に悪魔、堕天使・邪神、神・天使の戦いを書きますと、どうしても、同じような、似たような、内容になってしまうのは判っています。
この小説は2015年にこことは違うサイトで書き、このサイトでは更にアレンジ、オリジナルを加えております。