ミカ姉ぇの体の秘密1
「ねえ?ルエルさん?役不足の意味は知っている?」
「は、はい。その役に対して自分が不足しているという意味ですが?私は先ほどから言っていますよ?」
「うん、それは【力不足】だね。役不足の本当の意味は自分自身に対して、その役が軽すぎるという意味だよ。だから、ルエルさんは先ほどから『マリアの使い魔なんて私にとっては軽すぎます』と言っているものだったんだよ」
「えっ?そ、そうだったのですか?私はそんなつもりで…………」
「それは判っているよ。力不足と役不足の認識を間違えたのだから。でもさ。もし、ルエルさんが俺達に遠慮しているなら、父さんと帰れば良いよ?だけど、マリアと使い魔契約を結ぶならここで暮らせるし、夫だった学園長にも会えて話が出来るよ?」
「………しばらく、考える時間を下さい」
「分かった。で?父さん?」
「なんだ?」
「レイナの使い魔契約の事だけど、解除するとお互いの能力や魔力量が落ちると聴いていたが?」
「そうなのか?まあ、俺が解除したんだ。お前達の能力らは落ちんよ。次はミカエルだな。ミカエル!服を脱げ!」
【スッパンッ!!】
俺は父さんの頭を鉄扇で殴った。
「オイ!なぜ、皆で、ミカ姉ぇの、ストリッパーを、観ないと、い・け・な・い・ん・だ・よ!!」
その間も鉄扇で頭を連続で殴る。
「聖!お前!鉄扇で俺の頭をポンポンと殴るな!!俺は主神だぞ!!」
そう言っているが、全くダメージを受けていない親父。
「父さんが変なことを言うのがいけない!」
更に殴る。
「だから、殴るなよ!それに何故鉄扇を持っているんだ!」
「あ?着物を着ているんだ。鉄扇を持っているのは当たり前だろう?それに襲われた時の武器代わりだ!」
「お前なら、この服装でも素手や魔法攻撃で賊を撃退出来るだろうが!」
「フン。甘い!これは飛び道具としても使える。この様に」
鉄扇を飛ばす。
「あっ。本当だわ。飛んでいるわ」
「凄いですね。しかも、手元に戻って来ましたよ」
「ああ。もう分かった分かった。話がズレているから戻すぞ。ミカエル?お前のその体を確かめに」
【スッパンッ!】
また、父さんの頭を殴る。
「だ・か・ら、ミカ姉ぇは、女性天使だよ。これはパートナーの俺がしっかりと見た!それにミカ姉ぇの体は他の人達には絶対に見せられないんだよ!!分かったか!!」
「だから、いちいち俺の頭を殴るなよ!なら、俺と聖で別室でミカエルの体を確かめよう。それならば、良いだろう?」
父さんはミカ姉ぇを見ると、ミカ姉ぇは頷く。
「お姉ちゃん?ミカエル姉さんの体はそんなに酷いの?」
「ああ、誰が見ても、絶対に悲鳴を上げるよ。昨日の風呂の時、俺達を騙し勘違いさせたのがその証拠だ」
「では、聖さんはミカエル様の体を見て?」
「イヤ、悲鳴は上げなかったが、グロテスク過ぎて、一瞬、青ざめた。それだけ、ミカ姉ぇの体は酷かった」
「今まで、悲鳴を上げなかったのは、聖さんだけでした。あのガブリエルでさえ悲鳴を上げましたから。後で謝って来ましたが」
「そうか。だから、聖は俺の頭を殴ったのか?」
「そういう事だよ。まあ、母さんが盛大に勘違いをしたからな。知らない父さんは仕方ないが、だが、ここで、ミカ姉ぇの体を皆に見せる訳にはいかないんだよ」
「でも、いつ見たの?」
「マリアとリクのマッサージをした後に風呂に入りに行った時にミカ姉ぇが来たんだよ。その時だよ」
「私達は、使い魔契約である程度繋がりを持っていますので、居場所が判ります。聖さんが、1人の時を見計らって」
「なるほどな。別室でミカエルの体を見る。そして、治せるなら、その場で治す。他の者達は、分かっていると思うが、緊急時以外は立ち入り禁止だ。それで良いな?」
父さんがそう言うと、俺達は頷いた。