もしも、聖がいなかったら?という話
「最悪の1日ですか?」
「そうよ?【もしも】聖がいなかったら、昨日の授業自体がなかったかもね?」
「ああ、そうかもね?闇貴族の我が儘のせいで、魔道鉱石は色々な理由を付けて延び延びになる可能性があるな」
「あの?時々話に出てくるガルーガとは?」
ミカ姉ぇの質問だった。
事情が知らないミカ姉ぇ達に話した。
「なるほど、確かに聖さんがいなかったら、そういう事態も起こり得ますね?」
ルエルさんも頷いていた。
「そうだね。お姉ちゃんが居かなったらアイツらはもっと滅茶苦茶にするかもしれなかったわ」
ガルーガとアルフレッドの2人が、結託して何をやらかすか判らないが、ガルーガとその手下達で滅茶苦茶になることは確かだ。
「そして、エリサも今日無理やりにガルーガと結婚をさせられるか?」
「そうね。聖がいなかったら、そうなっていたかもね?だから、今日は私にとっては最悪な1日になっていたのよ」
「あっ!?そう言えば、昨日、そんな事を言っていましたね?」
今日が無理やりの結婚式だった可能性があった。
「そして、私も………あの時、お姉ちゃんが現れてくれなかったら、今頃はどうなっていたか?まあ、リクが近くで見ていたと聴いたから、リクが実際にどう動いたかもよるけどね?」
マリアが盗賊団に襲われた時に俺がいなかった場合は、リクがどういう行動を取ったかで、マリアのその後の運命が決まっていた。
「おそらく、助けたかもしれませんね?その後は、顔見知りとして、マリアさんを穏便な形で女王様としてお迎えに上がったと思いますよ?」
「あっ。そうかもね?顔見知りになれば、あのような事をせずに私と会えるかもしれなかったわね?」
「はい。そして、この後は判りませんが………もしかすると、王国と戦争をしていたかもしれませんし、真実を知って和平交渉をしていたのかもしれませんが………どちらにせよ、父上は、一族に虚偽した罪で責任を追求されますね」
「そうね?でも、どういう結果になるかは、誰にも判らないわね?私の魔力も覚醒するかどうかもね。そして、私とアトランティスの運命も」
「そうですね」
3人の表情は暗かった。
「聖さん1人が居るか居ないかでかなり変わりますね?」
「当たり前だよ。それにルエルさん、貴女だってそうだよ」
「えっ?私もですか?」
「そう。貴女の夫だった学園長は、俺や父さん達の正体を知って、そのショックから魂が抜けて、ルエルさんに偶然に会ったのだからね?俺が居かなったら、そんな事はなかったし、学園長が亡くなった時に運良く出逢えるかどうかのレベルでしょう?それに、レイナが暴走しなかったら、ここには来られないしね?色々な事が重なり合って、今、こうして皆が居るのだからさ」
「あっ。そうですね。確かに聖さんが関わっていますね」
「誰もが何かしらで関わっているのさ」
「そうね?誰もが何かしらで関わっているわね?関わりがなければ誰1人としてここには居ないわね」
そこに父さんが、やって来た。