とりあえず実践してみようか?
俺達は空間から出た。
現実世界の時間は1分位だ。
パパが何時だと、聞いてきたので教えてあげると。
「聖の空間でかなり料理練習をやったのだがな?現実世界ではたったの1分だとう?」
「何日も居たような感じだったけどね?」
「でも、私はトレーニングやお風呂が入れて良かったわ。少しだけ強くなったような感じだよ」
「現実世界で1分が長く感じる事はないな?」
と、パパ、ママ、マリア、兄さんの順番で喋っていた。
「本当は、2分位かなと思っていたよ。でも、食材が無くなったら、空間に居ても意味が無いよ」
俺達が空間から出て来たのは食材が無くなったからだ。
「そうだな。練習をやるには足りなかったか?」
「イヤ、パパ、1人でやるなら十分な量だったよ」
「そうね?私達も居たからね。食費が5人分で、ガイはヘドロを作るから余計にね?」
「オフクロ!言うな!」
「まあ、食材を無駄にしたという事実は変わりはないな?」
「オヤジー!」
「兄さん!!兄さんが食べ物をヘドロにしたのは事実です。パパやママに当たらない!それと食べ物を無駄にしない!分かった!」
俺が兄さんを叱る。
「うっ!?」
言葉に詰まる。
「この世界でも、食料は大事なんでしょう?」
「そうよ。大切な物よ」
「だったら、余計にヘドロなんかするなんて以ての外でしょう?それを注意されて、謝る事もせずに!」
「うっ!わ、悪かったよ」
兄さんは俺達に謝った。
「ガイが謝ったところで、店の準備をするが、下拵えは万端だな」
空間でやったから、開店までまだ余裕があったので店内掃除をやる。
「おおっ!!店内がピカピカだな」
「こんなモノで綺麗になるとはな?」
俺が出したのは、洗剤と床用のワックスだ。
洗剤はガラス窓やテーブルに使い。ワックスは床に使った。
ま、ワックスを使うと乾くのに時間が掛かるが、そこは魔法を使って、早く乾かした。そして、造花も飾ってみた。
「とりあえず実践やってみようか?」と俺はつぶやく。ウェイトレスは初めての経験だから、どうなるか分からないのが本音だ。
開店の時間になる。
「客、来ないな?」
開店してから2時間が過ぎたが、まだ人っ子一人も来ない。
俺は客席に座って、暇を持て余していた。完全に空回りだった。
「ねえ?パパ?いつもこうなの?」
「ああ、そうだ」
パパはカウンター越しで皿拭きをやっていた。
「これでバイト代が出るのか?」
イヤ、まだ、カフェでは何もやっていないから、コレでバイト代を貰うのが申し訳ない。
お昼挟んでも客が来る気配は全くなかった………。