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兄さんの告白

 ママの号令で朝練が始動した。前半はいつもの通りに準備体操から始まり、筋トレをやる。特に腕や指を中心に。


「聖さん?腕を中心に鍛えているのですか?」


 ミカ姉ぇが聞いてきた。


「まあね。昨日の技を見たでしょう?あの衝撃の反動に耐えないとね?それにあの技はまだまだ未完成の技だからさ」


「未完成?あれがですか?」


「ああ、光りのスピードの半分の速度しか出ていない。責めて、通常時でも光りのスピードの99%以上のスピードまでもっていかないとね」


「準光速の技ですか?」


「そういうこと。でも、真の完成版は光速の指弾術だよ。ま、更にその上となると、体がそれこそ保たないし、おそらく、神にならないと撃てれないと思うよ」


 そして、指弾術の最終形態は光速を超える弾丸を撃つ事だ。


「確かに、あの技を見れば分かりますよ。しかし、光速の半分でも恐ろしい技ですよ?回避はほぼ無理ですし、例え回避が出来ても、その衝撃で大ダメージを負うでしょうね?」


「その前に衝撃で滅ぶよ」


 そう奇跡的に指弾術の弾丸を避けてもその周りの衝撃波が凄まじい余裕で人間はその圧力で圧迫死する。軍艦も約半分の長さになるだろうね。


「そうですね」


 筋トレが終わり、次は、重力を掛けてのダッシュだ。


 ミカ姉ぇ達以外は、前回と同じ重力と同じ距離を走る。そして、ミカ姉ぇとヒルドさんは重力10倍の50Kmを走る事になった。ルエルさんは重力5倍の25kmになった。


 ダッシュが終わり、模擬戦をやる。何時ものように兄さんが相手をする。


 ミカ姉ぇ達は、模擬戦は見学だ。俺達がどういう感じでやっているのかを見たいらしい。


 兄さんと組み手をするが。


「なあ聖?」


「ん?」


「お前は好きな異性は居るのか?」


「好きな異性?それは男の事だよね?」


「そうだ」


「なら、いないよ。まだ、男の俺が居るからな。今の俺が男を好きになる可能性は低いよ。それに仮に好きな男が出来ても、子供を作れるか分からないし、もしも、子供に神の能力を持たす訳にもいかないさ」


 ま、そこら辺りは両親に聴かないと判らないが。


「そうか………聖は、結婚をする気はないのか?」


「今の所はだね。それがどうしたのさ?」


「ああ、単刀直入に言う。聖、オレと付き合ってくれ!」


「はあ?何故?今俺言ったでしょう?」


「判っているが、オレの一目惚れなんだ」


「一目惚れ?ハァー。エリサと言い、兄さんと言い。この世界の人間は一目惚れが流行っているのか?」


「そんな事はないがな。とにかく、オレはそうなったんだよ!!」


「そうなんだ?」


「他人事かよ!?」


「イヤ、俺にとっては他人事だよ。やっぱりさ、兄さんに告白をされてもね?兄さんを家族と見ているしさ。それに元男だしね?」


「オレにとっては元男は関係ない。オレにとってはお前は女だ。元男は関係ない」


「………」


「頼む。オレと付き合ってくれ」


 兄さんは俺に対して土下座をしていた。


「イヤ、何故土下座なの?というか、兄さんは俺から見ても、筋肉質で男らしいからさ、女は寄って来るよ?」


「来ないよ。オレは、元不良だったからな。それにその不良の時にかなりの悪さをしていたのが仇となって、同年代の女は逃げるんだよ」


「そうなんだ?まあ、俺も不良をやっていたから避けられるのは痛いほど判るがな」


 一部のクラスメートも俺を避けていたな。


「だろう。だから、オレと付き合ってくれ!」


 と、兄さんは、俺に頼み込んでいたけどさ。俺はどうしたらいいんだろうな?俺の前世は元男で元不良だし、なによりも男には興味がないしな。


 だから、マリアやリクを惹き付けてしまうのかな?

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