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疑惑のミカ姉ぇ 2

「あ、あの?私はいつ入れば?」


 ミカ姉ぇの声。


 見れば、ミカ姉ぇがずっとその場に立ちぱなしだった。


「あらミカエル?何故湯船に入らなかったの?」


「そうだよ。俺達が喋っている間にバスタオルを取って、そっと入れば、誰にも気付かれずに済んだかもね?」


 俺達に言われて、ミカ姉ぇも「あっ」と声を上げた。


 どうやらその答えにたどり着けなかったようだ。


「ミカエルにしては残念な思考だわね?」


「も、申し訳ございません………」


 しょんぼりしていた。


「しかしね?何故、バスタオルを取れないの?別に気にしないわよ?」


「でも………私の体を見れば………王妃様や聖さん達も………」


「えっ?か、体?その胸ではなく?」


「ミ、ミカ姉ぇ?」


 その発言に驚く母さんと俺。


「あっ!?し、しまっ。ち、違うんです!!」


 慌てて言い訳をしようとする。


「まさか?ミカエルあなた?両性だったの?」


 母さんが言う。


「両性?」


「男と女の性がーつの体に混在している事よ。天使の中では全く珍しくないのよ。他にも無性の天使もいるわ。思えば、4大天使の中でミカエルだけがはっきりと性別が分かっていなかったわ。ただ、胸が大きかったから私達は女性天使と決めつけていたけどね?」


「ミカ姉ぇ?」


「は、はい」


「体を見られるのが嫌なら、どうして言わなかったの?それが判れば、俺も無理時はしなかったのに」


「ご、ごめんなさい………言ったら嫌われると思い言えませんでした………」


「ミカ姉ぇ?黙って言わない方が余計に嫌われるよ?」


「ごめんなさい」


 ミカ姉ぇはうなだれていた。


「もう出るか?」


「そうね」


「ああ。聖にマッサージをやって貰いたいしな」


「妾はもう少し………イヤ、出るのじゃ」


 全員の冷たい視線で言い直した。


「ミカ姉ぇ、ごゆっくり」


「そうね。焦らなくても良いわ。ゆっくりと入って」


「分かりました。ありがとうございます」


 俺達はミカ姉ぇを置いて、部屋へと戻った。リビングに行き、水分補給をする。


 うーん?まさか、ミカ姉ぇがあのような秘密があったなんて………。


「私、神界に戻るわ」


「ん?ああ。分かった。明日は休みだから、日中に来られるよ」


「分かったわ。それでは」シュン


 母さんが急ぐように帰った。


「じゃあ、私も帰るわ。また、明日、ここに来るわ」


「分かった。おやすみなさい」

「また明日ね。おやすみなさい」

『おやすみなさい』


 そう言葉を交わして、エリサが自分の部屋へと帰って行った。


 ~神界~


「父さん!ミカエルが!ミカエルが!」


 と、王妃が、大声を上げながら神聖王が居る部屋に駆け込んだ。


「母さん、落ち着け!ミカエルがどうしたんだ?」


「ミカエルが男なのよ」


「はあ?何を言っているんだ母さん?ミカエルは女性だろうが?」


「違うのよ。ミカエルは両性の可能性があるのよ」


「そうか」


「何落ち着いているのですか?ミカエルが女性ではないのよ?そうなったら、レイナはどうするのですか?」


 興奮状態の王妃を神聖王が落ち着かせる。


「明日、俺が聖の所に行く。レイナの意思を伝えにな。そこで、俺がミカエルをしっかりと確かめるから安心しろ。それに仮に両性でも、ミカエルは女性寄りだ。あのレイナも気付いていないんだ」


「そうですね。確かに、男に敏感なレイナが気付かない筈がないですね?」


「だろう?レイナは両性でも無性でも男寄りは嫌うが、ミカエルは好いている。ミカエルは自分の母親だとも言っている」


「そうですが………判った時にはレイナはまたショックを受けるのでは?」


「かもしれんが、それは、最終的にはレイナとミカエル次第になるな。それにまだ疑惑だろう?本当に母さんが確かめた訳ではないだろう?」


「そうですね。ミカエルが両性の可能性あるだけです」


「なら、俺がしっかりと確かめるよ」


「分かりました。お願いしますよ」


「ああ」

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