疑惑のミカ姉ぇ 1
皆で空間に入り、お風呂に。
「こんな所にお風呂が?」
「説明したでしょう?」
「そうですが、まさか、本当にあるなんて、思っていなくて………」
そうルエルさんが言う。うーん。信用性が薄かったのかな?
お風呂場の脱衣場で。
「はい、ミカ姉ぇ服を脱いで」
と、何故俺がそう言うのかと言うと、ミカ姉ぇが服を脱ぐのを躊躇っているからだ。全く、女性同士なのにな?
「そうじゃぞミカエル」
ヒルドさんも脱いでいた。
「ヒルドの体もお姉さまと同じように筋肉質な体ですね?」
「まあ、妾は戦闘神じゃからのう。あるじの体もなかなかじゃ。じゃが、胸は無いのう」
「言わないで下さい!」
「というか、ミカ姉ぇ?さっさと脱いで!」
俺が催促するが。
「脱ぎますから、先に行ってて下さい」
そう言われたので、先に行っている事にした。
体を洗い、俺達がお湯に浸かっていると、しばらくして、ミカ姉ぇはバスタオルを巻いて、入って来る。
オイオイ?それって、銭湯でやる行為だぞ?
「ミカ姉ぇ?ここは銭湯ではないからさ?バスタオルを取って?」
「えっ?で、でも、恥ずかしくて…………」
ミカ姉ぇは顔を赤くしてモジモジしていた。
「母さん?ミカ姉ぇは本当に天使なの?これだけ見ていると人間と変わらないが?」
「そうね?ミカエル?何故恥ずかしがっているのですか?貴女の胸の大きさは皆が判っている事なんですよ?」
「それですよ!」
「ハァー。昔は、ミカエルよりも大きい胸を持つ人間は居たのにね?」
「そうなのですか?」
「どんな人なの?」
「その人間の胸の大きさは5メートルとも言われていたけどね?実際はそんなになかったけど、それだけ胸が大きかったのよ」
「そ、そんな人が居たのですか?」
「5メートルって?どうやって、普段の生活を?」
「肩に胸を乗せて生活をしていたみたいね?しかしね?その人間は、反乱を起こしたのよ」
「は、反乱!?どうしてですか?」
予想外の事に驚く。まさか、反乱とは。
「その人間が住んでいる所に蜀いう国の役人が来てね『ここは昔から我々の領土だ!この地に住んでいる者達は我々に税金を払え!』と、言って、その地域に住んでいる人間達に強制的に重い税金を課せられたのよ。それに怒って、反乱軍を率いて、その蜀と戦ったのだけどね。結局は負けて、その人間は、自ら象に踏み潰されて、自殺をしてしまったのよ」
「そ、そんな………?」
「戦争は勝てば官軍なのよ。負ければ、どんなに正義があろうともその人間達は【悪】になるのよ。だから、エリサも気を付けなさい。しっかりと全てに目を光らせておかないと大変な事になるからね?もしも、下っ端の役人が勝手にコレは王家の命令で動いていると、その言葉に民達は信じてしまうからね」
その言葉を信じて、民達が王家に対して反乱を起こす可能性があるかもしれないか?ま、これは、母さんが言った、たとえ話だが、この世界では起こり得る話だな。
「は、はい。分かりました。でも?どうして、わたくしにこんなお話を?」
「だって、エリサも私達の娘になる予定でしょう?まさか、更夜に一目惚れをするなんてね?」
「えっ?あっ!まさか?昼間のやりとりを?」
「ええ、しっかりと視ていましたよ」
ボン。
エリサの顔が真っ赤っかになっていた。
「ウフフ。恥ずかしがる事はありませんよ?誰かを好きになるのは当たり前の事ですよ。エリサの場合はそれが更夜だったのですから」
「はい………」
「でもさ?俺達は二十歳に成ったら、神に成るのだろう?俺は外れたみたいだけど、舞達は神に成るのだろう?」
「そうね?人間にする時にそういう設定をしたわ。だけどね?好きな人間が居た場合は、あなた達は神に成らないわ。私達もあなた達が好きな人間を置いて神に成るのは酷だからね。恋愛や結婚をすれば、人間のままで居られるわよ?」
「そうだったのか?」
そう言えば、父さんが、『結婚すれば苗字は変わる』と言っていたな?コレはたとえ話と思っていたが、俺達にも関係してくる話だったのか?
「そうよ。エリサ、私は貴女を応援していますよ。更夜は、積極的な女性に弱いですから、始めは、控えめに行った方が良いでしょう」
「わ、分かりました。頑張ります」
「エリサ、私も応援しているわ。二十歳までに更夜を落とせ」
「はい。私も応援していますよ」
2人は少し面白がって言っていたが、更夜の外堀は、お互いに会う前に既に埋め立て完了しているな。
三国志の蜀との反乱の戦いはフィクションではなく実話です。