正体1
「あっ!お姉ちゃん、アルフレッドが言っていた闘鬼って誰なの?お姉ちゃんはその正体を知っている?」
マリアは俺達の話がついていけれないからさらりと話題を変えた。
「そう言えば、アルフレッドがそんな事を言っていたわね?」
「ウム、そうじゃな?結局は現れなかったが?」
マリアの質問にエリサと学園長も疑問を持っていた。それにこの2人も俺達の話についていけれていなかったな?
まあいいや。
「そうですね。実は、時が止まった時にその闘鬼に会いましたよ」
俺はそう答えた。
「えっ?そうなの?しかし、時が止まっていたのでしょう?」
「その中では、お姉さま以外は動けないのでは?」
「イヤ、実は2人動けたんだ」
『2人!?』
先生以外驚いていた。
「そう、1人は闘鬼。そしてもう1人はステラ先生だ」
「ステラ先生が!?」
「でもどうして?」
「さあな?あの時私も困惑した。私よりも魔力量があるマリアとリクが止まっているのに私が動けていたなんてな?でも、動けた理由が直ぐ分かった。コレだ」
先生は魔道具を取り出した。
「コレは私が創った魔道具【時の支配者】だ。これが止まった時に光っていた。これのおかげで、時が止まっていたにもかかわらずに私は動けたんだ」
「そうだったのですか?」
「ああ、そして、次々と資料が送られて来るから上手く行っていると思っていたが、聖が優れない顔で戻って来た。理由を聞くと、敵に襲われたとな。そして、敵は魔法を無効にしたとな」
「魔法を無効じゃと!?まさか、闘気術か!?」
「しかし、闘気術は、私達、アトランティス人しか使えない格闘術ですよ?外には絶対に伝えてはいない格闘術ですが…………?」
門外不出の格闘術か。まあ、命を削る格闘術を切羽詰まっても教えを請う人間が果たしているかどうかだな?
「しかしな?リクなら判ると思うが、闘気術をずっと長い時間、発動し続ける事は出来ないだろう?」
「そうですね。闘気術は自分の命そのものを削って発動する格闘術ですから、おそらく時間停止中ならば、ずっと発動し続けなければいけませんね?」
「だろう?私達もそういう結論付けた。動くなら闘気術をずっと発動し続けなければ動けないと、しかし、それは自殺行為だし、不可能だとな」
「それともう一つの可能性は俺よりも強い奴なら、闘気術を発動しなくても動けるが、俺の攻撃魔法を完全無効にするとなると、やはり闘気術しか考えられないんだよ」
「そうね?聖やステラ先生の言う通りなら、聖の攻撃魔法を無効にする闘気術を使っている可能性があるわね?」
「そういう事だよ。エリサ」
「しかし、お姉ちゃんより強い人間って居るの?私には想像も付かないわよ?」
「そうだな。私も思い当たる人物は今現在いないが、しかし聖に対抗が出来る人物は1人だけ思い当たる人物は居るな」
「まさか!?しかし、あの方は死にましたよ?」
リクも分かったようだ。
「そうだ。普通なら考えられないが、聖の件がある。その考えられない事が起きたとしたら?と私は考えている」
「アトランティス王様の復活………」
「お、お姉ちゃんはどう考えているの?」
マリアは震え声で聞いた。
「そうだな。俺もステラ先生やリクと同じ考えだ。闘鬼はアトランティス王の転生した何かと考えているよ。少なくとも、闘鬼は人間ではなかったからな」
「人間ではない………ですか?」
戦ってそう思った。闘鬼の体の筋力が尋常ではなかった。