帰還
ステラ達が避難した場所は第2校庭だった。
「クソ!私達はなんて無力なんだ!!」
「ステラ………」
「先生………」
ジェーンとエリサが、ステラを心配していた。
○●○
俺達は、先生達の魔力を頼りに集まっている方に歩いていた。その道中に注意事項を言う。
「俺達には様は要らないから。普通に接して欲しい」
「そうだね。私達はただの一般人だしね」
「そうですね」
「判りました」
「分かったのじゃ。妾も同様で良い」
「判りましたが、しかし、私とルエルは天使ですので、ヒルド様とお呼びしなといけません」
「はい。所属は違いますが、ヒルド様は神様ですから」
「まあ、それは神々と天使の間のルールだで仕方なかろう」
「えっ?そうなの?」
「そうじゃよ。天使は妾達、神々に仕える者じゃからな。妾達を様と呼ぶのじゃよ」
「へぇー?知らなかったわ」
「私達は本来は聖さん達も様とお呼びするのが当たり前ですが、聖さん達の希望ですから呼びませんが」
「そうしてくれた方が助かるよ」
俺が改めて言うと2人も頷いた。
「さて、そろそろ着くか?」
ミカ姉ぇを見る。
「そうですね?大人数の魔力を感じますよ」
そう答えた。
どうやら先生達は第2校庭に避難したようだ。
俺達が姿を現すと生徒達が気付いて、先生達に報告した。
「お前達!無事に戻ったか!心配したぞ!」
ステラ先生は本気で心配していた。ジェーン先生もそうだったが。
「なんとか撃退に成功しましたよ。だから安全ですよ」
「そうか。そうだな。お前達が無事に帰って来たという事は全て片付けたという事だな」
「そうですね」
「はい!皆さん。無事に生徒達が戻りましたので、コレで授業は終わりにしますが、連絡事項を言います!明日は移動水晶の点検と何故禁忌召喚をやったのかの事情聴取を行いますので、明日の授業は休みとなります」
ジェーン先生が言うと関係ない生徒達が騒ぐ。
「静かにして下さい!まだ話しは終わってはいません!明日は臨時休校ですので、生徒の皆さんは寮からは出ないようにして下さい。寮から許可なく外出した場合は停学処分になりますので、気をつけるように。以上です。あっ!貴女達は残るように、私と一緒に学園長室に来て下さいね。では解散して下さい!」
ジェーン先生がそう言うと、あっちこっちからざわざわと生徒達が喋りながら帰って行った。
残った俺達は。
「居残りか………」
「仕方ないわよ。私も付き合ってあげるわ」
エリサがそう言ってきたが、まあ、エリサは王女様だからな、自分で事態を把握をしたいのだろう。
「良いんじゃないの?しかしね?」
「何かありましたか?」
ジェーン先生が聞いてきた。
「ええ、この天使はルエルさんと言いましてね?」
「ええ、知っていますよ」
「ルエルさんは学園長の元妻だったのですよ。しかしルエルさんは人間だった時の記憶が無いようで、その状態で学園長に会ったら………」
「あっ!そうですね?どうしたら………」
ジェーン先生も困っている。
「構いません。どっちみちその人に会わなければならないのでしょう?」
ルエルさんはそう言ったので、俺達は学園長室に行く。