VS怨念呂布3
呂布との戦いは意外と長引いていた。
これだけ攻撃をしているのになかなか致命傷を与えられなかった。
「おかしいですね?」
「ああ。俺達が攻撃をしているが、呂布に確実な致命傷を与えられない。どうなっているんだ?」
「そうじゃな?妾達がこれだけ攻撃をしておるのに呂布はピンピンしておるのう」
「先ほどの超回復でもなさそうですね?」
「ああ………一体どうなっている?」
「まあ、あれこれと考えても仕方あるまい。全員で攻撃をすれば必ず奴は滅びるじゃろう?」
「そうだな」
マリア達にも作戦を言う。
「分かったわ」
『赤兎よ来い!!』
呂布が言うと赤兎の骨が呂布の周りに集まり融合した。
『フフフ。更にパワーアップしたぞ』
「更にパワーアップだと?」
『クックックッ。ここは、いい場所だな。我がただ立っているだけで、霊達が、我の体に入るのだからな』
「ナニ!あっ!?」
霊視してみると、確かに、大量の霊達が呂布の体に勝手に入っていっていた。
「こやつ、ここに霊達を吸収しておるのか!?」
「なるほど?だから、致命的なダメージを負っても直ぐに回復していたのですね?」
「チッ!学園は霊が豊富にあるからな。しかも、ここの霊達は非常に大人しい。なんの抵抗もなく呂布に吸収されているぞ。昨日、この霊達を浄化しなかった事が仇となったか?」
今更悔いても遅いな。それに、今の霊達を浄化しても、他の霊達がすぐにやってくるから、意味がないか?
そして、呂布の体が更に変化をする。赤兎を取り込み、霊達も吸収した呂布は肉体を得た。イヤ、仮の肉体と言った方が良いだろうな。
なんて言っても、霊達で出来た肉体だから。
『フン!』
呂布が持っている槍を振るうと、360度のソニックブームが発生した。
俺とミカ姉ぇは慌てて、防御結界を張った。
「「くっ!?」」
結界からソニックブームの威力が伝わる。
『シネ!』
呂布が俺の方に突っ込んで来る。
「させません!新闘気術!!」
リクが槍を殴り武器破壊をする。
『なんだと!?我の武器が…………』
呂布は信じられないという表情をしている。
「貴方の武器を破壊させて頂きましたよ!」
更に呂布を殴りかかる。
『ヌウッ!?』
リクが殴ると呂布の肉体の一部が消えた。
闘気術は霊にも効くのか?そう思ったら、ミカ姉ぇとヒルドさんがすかさず斬り込んだ。勝手に全員攻撃が発動していた。うん、完全に出遅れたな。
『グオオオ!!』
呂布がこれまでない声をあげる。
マリアとルエルさんがミカ姉ぇ達が離れた途端に魔法攻撃する。
「お姉ちゃん!トドメ!」
「はいよ!」
出遅れを挽回するべく。
親指に魔力を込めて、パチンコ玉よりも一回り大きな真球を創造し。
「これで終わりだ!【指弾術・砕】!!」
俺の親指から放たれた真球は光速の約半分の速度で呂布に向かって行き、着弾した瞬間に呂布を完全消滅させた。
「ふう。これで終わり!」
「す、すごい………お姉さまにそんな技があったなんて……」
あれ?リクは一昨日のあれは見ていなかったのか?
「あっという間に呂布を消滅させたわ」
「まさか、こんな技を持っておったとはのう」
皆が驚いていた。
「まあね。しかし、この技は一日一発だけだよ。連発は出来ないから撃つタイミングを見極めないといけないんだよ」
「な、なるほど」
「さあ、先生達が居る所まで行くか。心配している筈だ」
「そうだね。戻って報告しないとね」
俺達は、先生達が居る場所まで移動した。本当は転移魔法を使いたいけど、魔力が切れたから無理。
制作裏話。
これまでの小説を読んでいると禁忌召喚と言えば大概は死神かそのボス格であるハーディスが主でしたので、この作品は呂布と赤兎のコンビにしました。
狙いとしては、読者側を裏切る事をやりたかったのが主な目的です。
読者側も『はいはい、禁忌召喚に出てくるのはどうせ死神かハーディスでしょう?』と思っている筈ですからね?かく言う私もそうです。だからこそ、作者として、禁忌召喚では意外なキャラクターを出したかった。
この後の戦闘の描写が困難でしたが………やっぱり、本当の戦いを知らないと上手く書けませんね。反省です。