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カフェ改造計画3

 カフェのメニュー改造計画を俺の空間でやる。


 カフェの厨房の設備を空間に再現した。


 メンバーは家族全員。3分も掛からないと思う。


「パパ、カフェの施設を再現したからいつものように出来ると思う」


「確かに同じだ」


「そうね」


「そうか?分かった」


 食材を取り出し。


「まずは俺が作るよ。メニューに無いモノを。試食してくれ」


「分かった」とパパが代表で言った。


 俺が作ったのはナポリタンだ。


 ナポリタンは日本で作られた料理だ。当然、この世界にもなかった。


 今更だが、この世界は小麦が主食だ。パスタ料理はあるが、俺が居た世界よりは料理の種類(レパートリー)が少ない。


「よし。出来た」


 1人前を4等分にする。


「食べてみてくれ、ナポリタンという食べ物だ」


「ナポリタン?パスタ料理とは違うの?」


「基本は同じだ。ただ、調理方法が違うだけさ」


「とりあえず食べてみようぜ」


「そうだな」


 4人がナポリタンを食べる。


「ほう?コレはうまいな?」


「本当に美味しいわ。それにさっきご飯を食べたばかりなのに食が進むわ」


「ああ、味が良いな」


「聖は料理が上手いわね?」


「ありがとう。後は、ハンバーグだな」


「ハンバーグなら俺も作っているが?」


「ああ、俺のハンバーグは………まあ、食べて貰えば判るな」


 ハンバーグを作るが、コレも小さく作った。


「さあ、どうぞ」


「ああ」


「あれ?肉汁が出て来ないわ?」


「本当だわ?」


「店の奴と同じ肉を使っている筈だが?」


「まずは食べてくれ」


「そうだな」


 4人一斉にハンバーグを食べる。


「えっ?口の中で肉汁が、コレも美味しいわ」


「本当だな?噛めば噛むほど、肉汁が出て来るぞ?」


「どうなっているんだ?」


「普通のハンバーグは切ると肉汁が出て来るのに、このハンバーグは肉汁が出ていないのは何故なの?」


 ママからの質問。


「調理方法だよ。肉は手の熱があると脂が出る。俺は手をコーティングをしてから捏ねた。そして、フライパンを熱する前にハンバーグを入れるコトで、その肉汁を出すコトを抑えることが出来る。肉汁は旨味成分がたっぷりだ。その肉汁を流れ切ったモノを食べるというコトは、例えるなら、果物の絞りカスを食べているようなモノだ。だから、出来るだけ肉の中に肉汁を閉じ込めたんだ」


「なるほど?だから、同じ肉を使っても、俺が作るハンバーグよりも旨いのか?」


「凄いわ。まさか、ここまで料理をやっていたなんてね?」


 パパとママが言い、兄さんとマリアも驚いていた。


「これは、俺ももっと真剣に料理を取り組まないとな………」


 パパが落ち込んでいる。


「そうね?アナタの料理はけして不味くはないわ。けど、店が流行らないかったのは外見が怖いとかも関係ないわ。料理が本当に美味しいなら、客はアナタのその料理を食べにやって来るモノね?」


「そうだな………」


 パパは俺に料理を教えてくれと懇願してきた。


「ああ、知っているコトは教えるよ。けど、俺もまだまだ教える立場でもないから、一緒にやって行こう」


「ああ、頼む」


 パパが俺に頭を下げた。


「ああ…………では、次はスイーツ作りだな。うーん、ケーキで良いだろう」


「ケーキ?ナニソレは?」


「スイーツさ。形はこんな風だ」


 創造魔法でショートケーキやタルトケーキ、モンブラン、チーズケーキなどを出したが、分かり易く、ホールとカットしたモノを出す。


「コレがケーキなの?」


「そうだ。ま、これらは、代表的なケーキさ。まだまだ、色んなケーキがあるが。ま、基本のショートケーキからやろうか?」


「分かった」


 そして、パパにケーキの作り方を教えた。道具類は創造魔法で出した。


 そうしたら、ママ達も作りたいと言い出したので全員でやる事になったが、そこで悲劇が起こった。


「よし、スポンジにクリームを塗って、各自にデコレーションをすれば完成だ」


 俺が言い、各自に思い思いのデコレーションをして完成した。ここまでは良かった。


 しかし、


 兄さんが作ったケーキから黒い触手のような細長い物体が何本も一斉に生えてきた。


 それを見たマリアは気絶した。慌ててママがマリアの体を支える。


「オイ!兄さん!!」


 俺が問いかけるが。


「なんだこれは!?」


 作った兄さん自身が困惑している。


「いいから早く捨てなさい!!」


 パニック状態の俺達。


「捨てるって?どこにだよ!?うわっ!!」


 しかし、その黒い触手ようなモノは一斉にワサワサと動いた。


 更にパニック状態に陥る。


「あーもう!亜空間開放!兄さん!さっさとこの亜空間に捨てて!!」


 兄さんが皿ごと亜空間に捨てたら、『ギャアアア!!』という叫び声が。


 俺も慌てて、亜空間を閉じる。


「な、なんなの?今の不気味な声は?」


 ママがぼう然自失でつぶやく。


 知らない!何も聞こえない!!俺は耳を塞いでいた。


「オイ!ガイ!!なんで俺達と同じケーキ作りをしたのに、未知の生物が出来るんだ!?」


 パパが怒鳴る。


「し、知るかよ!!」


 兄さんもなにがなんだか分からないという困惑した表情をしていた。


 なんで焼いたスポンジの中から未知の生物が出て来るんだ?しかも生きていて、声も発声する…………。


 とにかく、もう兄さんにはケーキ作りはさせない!!


 そう固く決心をする。

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