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使い魔召喚8~反省しない神~

 レイナに尻叩きの刑をやり終え。


 レイナはワンワンを泣いていた。


「聖さん?いくら何でもやり過ぎですよ!」


 ミカ姉ぇが批判する。


「良いんだよ!このくらいやっても、レイナは反省をしていないからな?なぁ?嘘泣き!」


 そう言うと、レイナはピタリと泣き止んだ。


「な、何故分かったの~?」


「えっ?本当に嘘泣きだったの?」


 ミカ姉ぇと天使が驚いている。


「フン!俺達もがぶり姉ぇや母さんに対してよくやったからな?それにあんた似ているんだよ。俺達の性格とかな?」


「えっ?似ているって?ボクが~?」


「ああ、はっきり言って、あんたは俺の姉と思う」


 確信はまだないがそんな気がするだけだ。


「えっ?まさか?そんな筈は無いでしょう?お兄ちゃんは人間でしょう?」


「ああ、育ちは人間として過ごしたな?しかしな、俺もまた神だった訳だ!」


「嘘!貴女が、か、神様なの?」


 天使が驚いている。


「えっ!あっ!?お兄ちゃんはボクに殺されても、その魂は消滅していなかった。間接的に殺されて消滅を免れただと思っていたけど、お兄ちゃんが神なら、辻褄が合う。でもどうして、お兄ちゃんは人間として育ったの?」


「両親の方針でな」


 と、事情を話す。


「えっ?貴女様は神聖王様の?」

「ボク。とんでもない事を!?」


 事情を話したら、天使とレイナが青ざめていた。


「だがな?レイナの罰はたった3週間の謹慎処分だ。いくら俺を生き返らせても、子供(おれ)を殺めた事は変わりはないが、内容はとても甘い処分だ。人間でも甘い処分だぞ?だからこそ、レイナ!あんたも父さん達の子供だと思った」


「だけど、ボクは産まれた時からずっと孤児だった………本当の両親も知らない。ボクは男の神に拾われて、その男にいつも暴力的で酷い目に遭った。だから、ボクは………努力して、最年少で世界神となって、ミカちゃんに出会って、やっと、やっと、ボクは、ボクの安らぎを漸く見つけたのに!!どうして、ボクからミカちゃんを盗るの!!ボクはミカちゃんが必要なの!!だから、ミカちゃん、ボクと一緒に帰ろ!ボクはミカちゃんでさえ居ればそれで良いの」


 結局はレイナはミカ姉ぇか?


「レイナ様………それは駄目です」


 ミカ姉ぇはそう答えたが、ミカ姉ぇ自身もまだ未練があるような感じだ。


「どうしてよ。ミカちゃんも、ボクと一緒の方が良いでしょう?そうに決まっている」


「いいえ、レイナ様。私は、レイナ様の所には戻りませんよ。私はレイナ様には独り立ちをして戴きのです」


「独り立ち………嫌だ!ボクはミカちゃんとミカちゃんと一緒に居たいよ。ボクにとってミカちゃんは、お、お、お、……………………お母さんなの!!だからお願いミカちゃん………ボクの所に戻ってきて!お母さん!!」


 レイナは顔を赤くしていた。ミカ姉ぇをお母さんと言うのが、余程恥ずかしかったのだろう。


「お母さん!?私がですか?聖さんの予想が当たりましたね?」


「そうだね?しかし、ミカ姉ぇの言う通りだ。レイナは一度はミカ姉ぇと離れた方が成長する」


「でも、ボクは………お母さんともっと居たいし………もっと愛情を欲しい………」


「愛情?愛情って?ミカ姉ぇの胸を顔でグリグリやる事がか?それがあんたの愛情表現なのか?もっと違った愛情表現があるだろう!!」


「…………」


 レイナは黙っていた。


「レイナ様?私の話を聞いて下さい。この30年、私は貴女の秘書としてやって来ました。確かに、貴女と楽しくも苦しくも過ごして来ました。しかし、レイナ様は年々私に依存になっていき。その反動で他の神々との会合も出席をなさらない。その都度、私が、他の神々の皆様にどれだけ頭を下げているか、もう判りませんし、神々の皆様も私の頭下げにうんざりしております」


「…………」


「先程、レイナ様は私だけで良いと仰いましたが、私の意見は?私の意思は?それを聞かずに決めるなんて、私は迷惑ですよ!」


「そ、そんな………ミカちゃん……ボク、ミカちゃんが居たから………ずっと世界神をやって来られたの。ミカちゃんがいなかったら………ボクはボクは………」


「そう言って、ミカ姉ぇの気を引いても駄目だよ。あんたは、全く反省をしていないからな!!あんたが日頃を態度を改めなかったのが原因だ!そして、慌てて来て、ミカ姉ぇを連れ帰ろうなんて、父さん達が許すと思うのか?それに就任したばかりの天使にも迷惑を掛けているだろうが!!」


「…………」


「それに、あんたが父さん達の子供なら、あんたが次期神聖王の座に就く事になるぞ?しかしな?そんな態度では、失格だな?そうなれば俺達の誰かがなるな?」


「えっ?ミ、ミカちゃん?それは本当なの?」


「はい、神聖王様は、聖さんは、次期神聖王の予備だと言いましたよ。そして、神聖王を継ぐ者は別に居るとも、はっきりと仰いました。それがレイナ様、貴女ですよ。貴女も神聖王様のお子様です。そして次期神聖王候補ですよ」


「えっ?ボクがそうなの?でも、どうして?」


「言っておきますが、神聖王様達はレイナ様を捨ててはいません。生まれて直ぐに行方不明になったと王妃様が言っておりました。おそらく、生まれたばかりのレイナ様を何者かが連れ去ったと思われます。勿論、神聖王達はレイナ様を必死になって捜しておりましたが、結局は見つからずじまいだったそうです。そして、レイナ様が世界神就任式の時に確信したそうです。我が子だと」


「じゃあ?なんで、ボクが世界神になって、その就任式の時に言わなかったの?」


「もし言っていたら、レイナ様は、どうなされたおつもりですか?」


「えっ、あっ!?」


 いくら、レイナでもこのくらいの事は分かったようだ。もし言えば、レイナはその場で暴れる。そして、世界神の就任は白紙撤回になる。更にレイナは幽閉される可能性もある。そうなった時、次期神聖王候補の話はない。


「そうですね?レイナ様が思った通りですね?そして、神聖王様達も言えなかった。連れ去られたとはいえ、レイナ様から見れば、自分を捨てたと同じですからね?そして、神聖王様達に会うまでのその期間もレイナ様は放置されていたと同じですから。だからこそ、神聖王様達は、お詫びの気持ちでレイナ様を今まで特別優遇していたのです。本来は、私は世界神の秘書には成れません。私達、熾天使は、神聖王様達にお仕えする天使なのですから」


「…………」


「では、私も?」


「そうですね。貴女も私と同じくですよ?」


「ということは、レイナはそれでもなお父さん達から優遇を受けているという訳だ?本来の世界神の秘書の天使は智天使(ケルビム)以下の天使が就く事になる訳だ?」


「そうですよ。今までどれだけ、レイナ様が神聖王様達から優遇されているのか分かりますよね?レイナ様?」

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