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使い魔召喚5~聖対ミカエル。そして、魔武器の目覚め~

 結界も張り終わり。


「さあ、始めようか?」


「そうですね」


 俺とミカ姉ぇは対峙する。


 まずは力比べになった。


 手と手を組んでからの力比べだ。俺とミカ姉ぇの力は互角だったが、不意にミカ姉ぇが力を抜き俺が覆い被さる形になったが、すぐさま、ミカ姉ぇは両脚で俺の腹に蹴りを入れて、俺を宙に舞い上がらせて、ミカ姉ぇがすぐに追いかける。


 俺も魔法を使い勢いを止め、ミカ姉ぇを向かい撃つが、ミカ姉ぇは俺を追い越して、俺の背中にアームハンマーを叩き込み、今度は地面に叩きつけようとした。


 俺は体勢を整えて着地し、空を見上げるが、ミカ姉ぇが居ない!!


「聖さん?私はここですよ」


 ミカ姉ぇは俺の背後を取っていた。


「これで終わりです!」


 ミカ姉ぇは光りの魔法で攻撃をする。


「し、しまっ!?」


 俺は咄嗟に最早使い物にならない『ムラマサ』を光り魔法に放り投げる。自分でもなんでそうしたのか分からない。それに柄で魔法攻撃を防ぎようがないのは分かっているが、あえて言うなら、最後の悪足掻きか?


 しかし、俺もミカ姉ぇも全く予想だにしてなかった事態が起こる。なんと役立たずの筈だった『ムラマサ』が、ミカ姉ぇの魔法攻撃を吸収してしまった。


「「…………」」


 この光景を見た俺達は、言葉を失った。まさか、ムラマサにそんな能力があるなんて、思ってもいなかったから。


「ひ、聖さん?これは?」


 ミカ姉ぇも闘いを一時中断して問い掛ける。


「ん?コレ?これは魔道鉱石から創った魔武器なんだけどさ。俺がなにやってもうんともすんとも言わないから、悪足掻きで、捨てるつもりで、放り投げたら、こうなった。俺も予想外だったよ」


 そのムラマサを拾うと、頭にムラマサの情報が流れて来た。


「なるほどな?この魔武器は本当ひねくれモノだな!作成者の魔力は一切受け付けずに、敵の魔法攻撃を吸収し、その魔法攻撃を違った形で吐き出すだってさ」


「えっ?そんな事が?」


「イヤー、本当、役立たずだった魔武器が、まさか、ミカ姉ぇの魔法攻撃が目覚める条件だったとはね?それに俺ぴったりな魔武器だ!」


 ムラマサを構える。


「まさか!?」


 それにこの台詞は一度言ってみたかったんだよな。


「行くよ!『光り』よ!!」


 俺の声に反応して、ムラマサの柄から、光りの刃が出現した。これは吸収型の魔法剣だな。


「まさか、魔法剣ですか?驚きですよ」


「それは俺も同意だな?まさか、こんなに()()()とは思わなかったよ」


「うっ!?………でも、私も負けませんよ?聖さんに特別に私の愛刀をお見せしましょう!『来たれ!エクスカリバー』!!」


 ミカ姉ぇの手に聖なる剣がある。今度は俺が驚く番だった。


「せ、聖剣・エクスカリバー!?そ、それって、アーサー王の?」


「そうですよ。アーサー王と同じ、聖剣・エクスカリバーですよ。アーサー王に送る前から、天界に2本保有してあったのですよ。で、アーサー王に送ったエクスカリバーは仮打ちのエクスカリバーです。それでも人間には十分に発揮出来ましたのでね。そして、私が持っているエクスカリバーは、天使達が私の為に打った、真打ちです」


「真打ち!?じゃあ?」


「そうですね。アーサー王のエクスカリバーとは比べ物にならない威力ですよ」


「凄い!凄いよ!こんな凄い剣にお目にかかるなんて!」


 闘いを忘れて、俺は大興奮だった。まさか本物の聖剣・エクスカリバーがみられるなんて。


「聖さんは男の部分が相当残っていますね?」


 ミカ姉ぇは呆れている。


「コレは別だ!俺も刀剣類を観るのは嫌いではないからさ。これは、もう、男、女は、関係ないよ。それに妹の舞の方が、俺以上に大興奮するよ。この実物を見れば、興奮し過ぎて、鼻血を出すんじゃあないかな?」


「そ、そんなにも!?」


「ああ」


 ~その頃の舞さん~


「凄い!コレ、がぶり姉ぇが持っている剣なの!?」


「そうですよ。聖剣・デュランダルですよ」


「これがデュランダル!?か、カッコイイわ」


 興奮して、だらだらと鼻血が出ている。


 そして、


「お、オイ?姉貴!?」


「ま、舞さん?コレはいけません!鼻血を出過ぎで、貧血を起こしています」


 その後、舞はガブリエルによって介抱されていたが、舞は眠りながらも幸せそうにニヤニヤしていた。


 ~その頃の舞さん。終わり~


 気を取り直して、闘い直す。


 しかし、エクスカリバーを構えたミカ姉ぇの隙が無い。それに、俺が中途半端に強くなったせいで、ミカ姉ぇのテリトリー、制空圏も見えてしまうので余計に踏み込めない。下手に踏み込めば、あっという間に斬られる。単純な剣の勝負は圧倒的に俺の方に分が悪すぎた。


「どうしましたか?動かないならこちらから動きますよ!」


 ミカ姉ぇの姿が消えた。やはり、速い!


 ミカ姉ぇの剣が迫る。


「くっ!?」


 なんとか受け止めるが、剣撃が重い。


 この一撃で両手がしびれた。勿論、その剣の流し方も知っているが、ミカ姉ぇの剣は、それをも許さない。俺も魔法剣で攻めるが、当たらないどころか、攻撃をすればするほど、ミカ姉ぇのカウンターで俺の方が斬り傷が増えていく。


 俺の全能力をフルに使ってもミカ姉ぇには届かない!!


「ハァハァハァ………」


 汗と血が地面に滴り落ちる。


「聖さんは魔力量は私よりも多いですが、剣術の腕はまだまだヒヨッコですね?」


「くっ!コノー!」ブン!


 ミカ姉ぇに言われて、悔しくて大振りしてしまった。


「終わりです!」


 そう言って、ミカ姉ぇは、容赦なく俺を袈裟斬りで斬った。綺麗に斬られた。


 ミカ姉ぇに手も足も出なかった。完全に完敗だ。


「聖さん?大丈夫ですか?」


「うん。容赦なく斬っておいて、大丈夫ですか?はないけどさ。ミカ姉ぇに斬られて結構気持ち良かったよ。だが、俺はめっちゃ弱いな。レイナからチートのような能力を貰ってもさ、ミカ姉ぇには手も足も出なかった。完敗だよ」


 そう言って、自分に回復魔法を掛ける。


「そうですね?聖さんは、実戦経験が圧倒的に少ないですよ。私は戦争も体験しており、沢山の敵を斬り伏せました。その経験の差は圧倒的に大きいですね」


「そうだな?俺は戦争体験は無い。この世界に来ても、まだ戦いという戦いをしていないが、ミカ姉ぇは、俺達をその世界に連れってくれるのでしょう?」


「そうですね。連れて行くつもりですよ。でも、俺達というのは?」


「ああ」


 ミカ姉ぇに、俺達の現状を話した。


「───という訳」


「なるほど、朝練を今の家族や関係者達と毎日やっていたのですか?」


「そうだ」


「まあ、メニュー内容的には結構なメニューですね」


「まあね?それに俺も妹達に教えている側にも成っているからさ。ま、それでも急激な成長はしている実感はあるよ」


「そうですね?神界に来た時よりも一段と体が逞しく成っていると思っていましたが、そういう訳だったのですね?」


「まあね。たったの三週間だったけどさ、この体全体に筋肉がかなり付いて来ているよ。それにさ、この体型の維持も大変なんだよ」


「ああ、そうですね。聖さんは黙っていれば凄い美人ですからね?」


「うるさいよ。まあ、でも、ミカ姉ぇと闘って俺の最大の収穫はこの魔武器が目覚めた事だけだな?ほとんどというか、大半はミカ姉ぇに見切られて、攻撃らしい攻撃を出来ていなかったということだ」


「た、確かに、私も聖さんから、攻撃らしいものを一撃も貰ってはいませんね?」


「でしょう?もう、コレは戦いが成立していないし、姉妹ケンカは論外レベルだよ?最初から終始圧倒されているからさ」


「うっ!?」


 ミカ姉ぇは言葉に詰まった。


「まあいいや、使い魔の契約をしようか?結構、時間がかかっているから、待っている人達が心配していると思うよ」


「そうですね。では、お願いします」


「ああ、でもさ。俺がミカ姉ぇの使い魔の方が良いと思うけどね?普通、逆だよな?」


「聖さんは人間ですよ。私()聖さんの使い魔になりたいのです。さっさとやって下さい」


 ミカ姉ぇに怒られた。


「あっはい!」


 ミカ姉ぇと無事に使い魔契約をした。

 制作裏話

 戦いの結果は、ミカエルの圧勝でした。(どうせ、(主人公)が勝つと思っていた方々は残念でした)

 作者の中では、今の聖ではミカエルに勝てるイメージはありません。聖が魔法攻撃をごり押ししても無理です。

 作中でも書いたようにこの戦いで聖が唯一収穫したのは魔武器の目覚めただけですね。この魔武器『ムラマサ』は、まだまだ化けます。

 しかし、今、負けた方が色々と経験値が増えますし、その対応策も………。


 聖のリベンジがあるのか?は、今後の展開次第ですね?


 ※この作中は天使の剣は聖剣になります。神の剣は神剣です。


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