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エリサの報告

 昼休み。俺達は寮部屋で食事を摂り、エリサの報告を聞く。


「大した事は無いわよ。聖の読み通り、闇と冢宰はグルだったのよ。そして、昨日の晩餐会を私とガルーガを婚約発表する場にしたのよ。だから、私は『お前とは結婚しない!私は神様と結婚する』と、貴族達の前でそう宣言したのよ。これは、神聖王様が、民衆の前に現れてくれたおかげで言えた事よ」


「で?誰と結婚するの?」


「そ、それは………」


 エリサは下を向いて赤い顔をしている。


「まさか?本当にお姉ちゃんと結婚するの?」


「うん、マリア?女性同士の結婚はこの王国では出来ないよ?ましてや、エリサは王族だし」


 俺が言うが。


「良いもん。私は、無理やりでもお姉ちゃんと結婚するもん!」


「私もです!私もお姉さま以外は考えられません!!」


 と、リクまで、参戦して来た。


 うーん。やはり、普段は俺と男言葉を言っているのがいけないのかな?やっぱり、ここは私と穏やかな言葉使いにするかな?と言ってももう手遅れか?


「マリアとリクは、黙っていような?で、エリサは誰と結婚をしたいの?」


「………あ、貴女………「やっぱり、お姉ちゃんなの?」

「ち、違うわよ!貴女の弟の更夜さんとよ」


 エリサは慌てて言う。


「なるほどね?更夜とか?一目惚れか?」


「そうよ。あの写真を見た瞬間にびびっと、体中の電気のようなモノが走ったのよ。そして、私は将来一緒に添い遂げるこの人だけだわと思ったわ」


「なるほどね?だから、神と結婚すると宣言をしたのか?」


「ええ、そして、王家として貴族達の前で、そう宣言したからには、私は神様(こうやさん)と結婚しないといけないのよ!そして、結婚が出来ない王家は男女問わず、王位継承権が無くなるわ。これは法律で定められているよ」


「そうなんだね?大変だな?」


「ちょっと?なんで人事の様に言っているのよ!聖も協力してよ!」


「何に?エリサがちゃんと言ってくれないと分からないよ?」


 知っているけど、やはり、エリサの口が言って貰わないとな。


「勇者召喚よ。私は異世界から勇者を召喚をさせようと前々から計画を立てていたのよ。そして、ガルーガという邪魔者が消えた今、本格的に行動を移したいのよ。そのためには、聖が帝となって、私に協力をして欲しいのよ。そして」

「あわよくば、更夜が喚べるかもか?」

「そうよ!」

「これまた、随分と確率が低い賭けをしたモノだな?」


「そうよ。これは賭けよ!その召喚で更夜さんが来れれば良いと、一途の望みを掛けているわ!」


「そうか。分かったよ」


「じゃあ?聖は私に協力してくれるのね?」


「ああ、勿論だよ。でだ!そんなエリサに父さん達からの伝言だ!」


「えっ?伝言?神聖王様からの?」


「ああ、他の皆には伝えてあるが、エリサだけには伝えていないからさ。言うよ。『自分で解決しないで、もっと人を頼れ』だってさ」


「うっ!?当たっているわ………」


「ま、今は俺達が居るんだ。困ったら頼れば良いさ、出来る限りの事はやるよ。俺達もこの王国に住んでいるからさ」


「そうだね?」


「はい」


「皆、ありがとうね」


 俺が次を言おうとしたら、突然。


『緊急放送、緊急放送。只今、第一校庭の移動水晶が壊れました。高等部1年の皆さんは、至急、第一校庭に移動して下さい。繰り返します………』


 ここの学園はマンモス校。広大な敷地面積を誇るので、授業中や学園内を移動をする時は移動水晶と呼ばれる水晶で移動していた。それが壊れると、第一校庭まで走らないといけない。それも開始10分前だ!


「げっ!それは拙いわ!」


 俺が慌てるが、マリア達は、なんで慌てているの?転移魔法使えるでしょう?と思っているようだ。


「あのね?大勢の前で転移魔法を使えると思っているの?それに転移魔法を使ったら、生徒に100%ぶつかるよ」


「「「あっ」」」


 俺の指摘で、皆も声を上げ、急いで、部屋を出る。そして、第一校庭に一番近い所まで移動水晶を使うが、まだまだ距離があるので、周りの生徒達と走った。

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