トーナメント戦 決勝戦 聖対ガルーガ1
「先生、魔法を解除しますよ」
「ああ!」
「時は動き出す!」
「じめ!」
バッチリのタイミングだ!
「ギァーハハハハ!愚民!テメェーも『九尾』の餌食になれよぉ!オラッ!!」
ガルーガは鞭を振るうが、その鞭に綻びが出てきている。さすが、俺が創ったゴミレベルの魔道鉱石だ!後、30分もしないうちにボロボロになるな。
ガルーガの鞭をかわしながら、鞭の状態を見た。
「愚民の分際で生意気な!九尾!バラけろ!!」
ガルーガの鞭が九本になった。なるほどな?だから、九尾か?ガルーガがそう名前を付けた意味が分かった。
「ギァーハハハハ!どうだ?驚いたか愚民!もう謝っても遅いからなぁ!行け!九尾!」
ガルーガは鞭を振るうと、九尾が伸びた、そして、俺に自動的に襲いかかって来るが、別に大したことも無い。こんなのは楽々避けるし、それに時間空間感覚が違う。今の俺は本気になれば1秒間で百のコトが出来るからな。ガルーガの鞭の九本の動きは全てスローモーションに見えるし、そうでもなくても未来予測で全て解る。
「チッ!使えねー魔武器だなぁ!しっかりとや…な、何ィ!?」
俺はガルーガの目の前にいた。そして、瞬間にガルーガの前から姿を消すと、自分の九尾が迫り、見事に九本全て食らい自爆をした。
「ギァーアアアア!!」
自爆でのたうち回るガルーガ。
自爆乙です。
「き、貴様ぁぁぁぁ!!よくもよくもオレ様の顔を傷付けたなぁ!!オレ様は国王と成る男だぞ!国王のオレ様を傷付けた罪は重い!殺してやるぞ愚民んんんん!!」
「はぁ?何寝ぼけているんだ?お前が勝手に自爆したのだろうが!それにお前如きが国王に成れる筈が無いだろうが!王に成れるのは王家に繋がる者達だ!貴族のお前が知らないとは、とんだお笑い草だな?」
「ギァーハハハハ!だから、貴様は愚民なんだよぉ!あの王女が仮面を付けているワケが解るかぁ?んー?仮面をかぶっているという事はなぁ、素顔がよっぽど醜いって事なんだよぉ!そこでだぁ、この非常にお優しい、このぉオレ様がぁ、顔が醜い王女の代わりに国王になってやるんだよぉ!解ったか愚民が!!だがなぁ、あの王女は既にトチ狂ってなぁ!私は神様と結婚するって馬鹿げた事を言い張ってなぁ!だからなぁ、明日、心がお優しいオレ様が、一生結婚も出来ないトチ狂った王女と結婚してなぁ。その日の内にお優しいオレ様が王位に就いてやるんだよぉ!!ギァーハハハハ!!」
ガルーガは下品にそう言った。
全く、何がお優しいだ!ふざけている。ガルーガの手下達もガルーガを盛り立てている。手下達は未だに甘い汁を一緒に吸えると思っているようだな?
俺はエリサを見ると、既にマリアとリクが詰め寄って、尋問していた。
「ちょっと?エリサ?それは本当なの?いくらなんでもお姉ちゃんはあげないわよ!あっ!リクなら、あげるけどね?」
「ちょっと?マリアさん!私は、お姉さま一筋ですよ!」
「…………」
もう、ラチがあかないので。
「マリア、リク、今日のお昼ご飯は私の部屋で食べましょうか?」
「「はーい」」
と、元気よく返事をする。
「………」
エリサは、黙ったままだ。
「という事で、お遊びは終わりだガルーガ!!それにな醜いのは貴様の方だよ!!これを見ろ!!」
俺はガルーガの方に例の資料を放り投げた。
「なんだ?ッ!?こ、これは!?ま、まさか!?」
ガルーガの顔色が一瞬の内に変わる。
「ほう?詳細内容が判っているようだな?これは、お前の闇貴族の悪事を表す証拠の資料だ!全く、色々と悪事に手を染めたな?」
「ッ!?……こ、こんなモノは偽物に決まっている!!」
ガルーガは資料をぐちゃぐちゃに破った。
「そうか?私はお前の父親の名前も知らんし、アルフレッドの父親の名前も勿論、知らん!なのにこの資料には何故、お前らの父親の名前があるんだ?ねぇ?学園長?」
俺は学園長を見る。
「ウム、そうじゃな。この資料を見る限り悪事のオンパレードじゃな!!」
学園長は試合を見ずにずっと資料を見ていた。ついでにジェーン先生にも渡してある。
資料を見終わった学園長はアルフレッドとガルーガを見回した。
「なっ!?ま、まさか!?」
「バカな………」
他の生徒達や教師達が動揺してざわざわとしていた。
「チッ!このボク、イヤ、オレを直ぐに、解放をしなかったのはこの為か!!ガルーガ!ヤツを直ぐに殺せ!俺はアイツを殺してからこの場のヤツらを皆殺しにしてやる!!覚悟しろ!出来損ないで一族の恥曝しマリア!!食らえ!!炎の皇帝!!」
アルフレッドは魔力量が少ないにも関わらずに、炎の皇帝を放ったが、やはり、魔法の規模と威力が弱い。
「何が一族の恥曝しだって?恥曝しはあんたの方よ!アルフレッド!!散々、ママ達を苦しめたお返しよ!!ファイヤーボール(×3)!!!!!」
マリアは破邪の杖を使っての特大のファイヤーボールを3発放つ!
「バカめ!オレは最上級の魔法だ!たかが上級魔法でオレの魔法を止められものか!!」
その魔法同士がぶつかり合うが、話にならないくらいに全く拮抗もせずに、マリアの魔法がアルフレッドの魔法をあっさりぶち抜く、3発ともに健在だった。はっきり言って、ファイヤーボール1発でも十分に対抗出来たな。しかし、マリアは怒り、敢えてファイヤーボールを3発放った。
「ば、バカな!?オレの魔法が、あ、あんな出来損ないに負け……うっ、ウワァー!!」
3発のファイヤーボールはアルフレッドに直撃して、アルフレッドはこんがりと黒焼けになり、髪の毛もアフロになったが、アルフレッドは倒れながらもまだ生きている。
「この3発は、パパとママ、そして、私の分よ!」
オーイ、俺はともかく兄さんの分が完全に忘れているぞ?
「あっ!お姉ちゃんの分が忘れていたわ!お姉ちゃん、ごめんなさい~」
イヤ、だから、兄さんの分は?
「そ、そんな、ば、バカな………」
アルフレッドは悔しさで地面を叩いている。
『バカはあんたの方よ!!』
『そうよ!私達、あんたのファンを辞めるわ!』
『こんな最低最悪な性格だったヤツとは知らなかったわ!』
『もう!本当最低最悪だわ!こんな最低のヤツをずっとファンでいた私に嫌気が差したわ』
『私もそうよ!!』
『私もよ!!』
『しかも、ファンであった、私達まで、殺そうとしたなんて、マジで最低過ぎるわ!!』
女子生徒達はアルフレッドを取り囲み、鬼の形相で怒っている。コレは予想以上に相当だな。しかも、誰一人アルフレッドの名前でさえ言っていないからな。
「ま、待ってくれ!皆!それは誤解だ!誤解なんだよ!ボクはただあの出来損ないを倒す為に………」
『出来損ないはあんたの方でしょう!この殺人犯!!』
『私達もあの資料を見たわ!!よくも私の友達を!!あんたなんか一生檻から出てくるな!!もう死んじゃえ!!』
「なっ!?」
アルフレッドはもうこれで終わりだな!!
「フッ。フフフ、ハッハハハ、アーハハハハ!!まだだ!まだ!オレは終わりではない!来い!【闘鬼】よ!そして、この場に居る者達を皆殺しにするんだ!!!!」
「えっ?とうき?」
「闘気術の事ですか?」
「いいえ、おそらく、アルフレッドの護衛か何かの名前でしょう?」
マリア達が言うが、その闘鬼という輩は姿を見せなかった。
「な、何故だ!何故来ないんだ!?オレと契約をしたのに何故だ!?………クソが!!」
アルフレッドは、やってきた学園の護衛兵達に取り囲まれ、ようやく観念した。
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