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トーナメント戦 決勝戦 リク対アルフレッド

 アルフレッドが武舞台に上がると。


『キャーアアアア~~!!!!!アルフレッドさ~ま~!!!!』


『アルフレッドさ~ま~!!!!こっち向いてください~!!!!』


『アルフレッドさま!!!!私達の為に勝って下さい~!!!!』


 キャー、キャー、と、女子生徒達が騒ぐ。


 アルフレッドがそれに応えて、にこやかな笑顔で手を大きく振ると、女子生徒達の黄色い歓声が一段と大きくなった。どうやら、アルフレッドのファンのようだな?


「うるさいわね!あんなヤツの何処が良いのよ!!」


 マリアは耳を塞いで言う。俺もエリサも同じだが、アルフレッドの笑顔の下に醜い顔を持っている事を知っているからだ。


「リクー!あんなヤツ!ぶっ倒せ!!」


 マリアがリクを応援した。


「判っていますよ!私はお姉さま以外は負けませんから!!」


「ちょっと!それは私に喧嘩を売っているの?」


「マリア、落ち着いて、言葉のあやだよ」


 マリアを落ち着かせる。


「それは判っているわよ。でも、私だって、お姉ちゃん以外の人は勝ちたいもん」


「判った判った」


 マリアを宥めた。


「リクとマリアじゃあ、私はもう相手にならないわね………それにライバル関係は互いの力を伸ばすからね」


 エリサが寂しく言うが。エリサも俺達と修行をしているんだ、強くなれるよ。


 だが、今はそれは言わずに「そうだね」と答えた。今のエリサに言っても慰めにしかならない。


 俺達は武舞台に目を向ける。


「フッ。キミでは、このボクには勝てない!今の内に降参した方が身のためだよ?(決まった。これで、彼女は降参して、オレにゾッコンするだろうな!)」


「それはこちらのセリフですよ。私と貴方では実力差が有りすぎて話になりません。降参するなら今のうちですよ?それに、試合が始まったら、貴方の攻撃は私に一切触れることもなく負けますよ」


 リクはアルフレッドにそう言い返した。ま、実際にそうだからな。リクとアルフレッドの実力差は天と地の実力差がある。


「なっ!?(生意気な!!必要以上に痛めつけて、涙を流しながら土下座をさせてやる!!)」


 アルフレッドは驚いている。


『生意気だわ!アルフレッド様!こんな男だか女だか分からないヤツなんてやっつけちゃて下さい!!!!』


『『『『『そうよ、そうよ。アルフレッド様。こんなヤツ倒して謝らせましょう!!』』』』』


 リクの台詞を聞いた女子生徒達が騒ぐ。


 全く、アルフレッドの本当の姿を知らないから言えるんだよ。本当の姿を知ったらどんな顔になるのだろうな?


「あー、もう良いか!試合を始めるぞ!」


 しびれを切らせた先生が言う。


「はい」


「じゃあ、始め!!」


「覚悟は良いだろうね!」


 アルフレッドは、魔武器の剣を抜きリクに斬りかかる!アルフレッドはリクを殺す気で向かっているが、リクにしたら、アルフレッドの移動が遅い。で、斬りかかるスピードも遅すぎるだろうね?リクの移動スピードなら斬りかかるまでの動作でその間を往復出来るし、隙だらけのアルフレッドの鳩尾にパンチ一発で沈められるが、()()()()()()

 リクは余裕綽々でアルフレッドの斬撃を避けているが、女子生徒達の目には、リクの姿はただ逃げ回っているだけにしか見えていないから、リクに対して、ブーイングをしていた。しかし、見る人が見ればはっきりと判る。どちらが優勢なのかを。アルフレッドもそれが解っているようで、段々と険しい表情になって来る。アルフレッドは、()()()()()()剣を使って【フレア・ランス】の魔法を数十本出すが、それも余裕綽々でかわす。その間、リクは何も攻撃をしていない。

 

 2人は間合いを取り。


「ハァーハァーハァー………コノーちょこまかと」


 肩で息し、息が切れているアルフレッド。


「どうですか?実力差が判ったでしょう?」


 全く、息一つ乱れていないリク。


 それだけで、2人の実力の差がはっきりと明白に表れていた。


 それが判っていない女子生徒達は大きなブーイングをしていた。


「もう、終わりにしましょうか!私は、もう飽きてきてしまいました。よっ!!」


 リクは瞬間にアルフレッドの間合いに入り、アッパーを食らわせる。


「くっ!!」


 アルフレッドはリクの素早い攻撃で反応が遅れるが。


「「なっ!?」」


 アルフレッドは、鞘を使って、リクのアッパーを防いだ。これにはリクも俺も驚く。リクの攻撃は完璧だったが、アルフレッドはとっさの判断力で、リクの攻撃を鞘で防いだ。


「少し見余りましたかね?しかし、()()()意味がありませんよ!フンッ!!」


 だが、リクの攻撃は終わってはいなかった。リクの拳はアルフレッドの鞘を砕き、アルフレッドの顎へと叩き込んだ。アルフレッドは宙へ舞い、その頂点に来たときに重力に逆らわずにそのまま落下した。


 アルフレッドはそのまま動かない。


「勝負あり!勝者リク!!」


 先生がそう宣言すると、生徒達から歓声と悲鳴が同時に上がった。


 リクの宣言通りにアルフレッドの攻撃はリクに一発も当たるコトも無く、リクが完勝した。

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