トーナメント戦2
トーナメント戦開幕。
俺のブロックの審判役はステラ先生だ。この武舞台の上で俺達は闘うのか。
「では、このトーナメントの細かいルール説明をするぞ!」
ルールはギブアップをするか、気絶をするか、審判役の先生が試合を止めた時点で終了となる。勿論、途中棄権も出来るが、必ず、1回戦は全員が闘うルールらしい。
「と言うことだ!さっそく、やるぞ!最初の対戦者達は武舞台に上がれ」
と、上がってきたのはガルーガと一般の男子生徒だった。男子生徒は、既に震えていた。
「ギャーハハハハ!なんだ?もうブルっているのか?ま、当たり前だなぁ?このオレ様!ガルーガ・ダーク様を相手にするのだからなぁ。ギャーハハハハ」
「始め!」
先生の号令がかかる。
「フン!『九尾』!」
ガルーガの魔武器は長い一本鞭だった。
鞭は意外と使い方が難しく、熟練者以外の人間が使うと、扱う人間も当たって、自爆してしまう武器だ。
しかも、ガルーガは一本鞭なのに『九尾』と言っていたが?
「ギャーハハハハ!オレ様の鞭を食らえよ。最高級の魔道鉱石で出来た鞭だ!愚民のお前には一生の思い出になるぜ!」
ガルーガが、その鞭を振るうが、男子生徒は、悲鳴を上げながら必死に避ける。
「生意気な愚民が!貴様は、オレ様の鞭を食らっていれば良いんだよ!そりゃあ」
更に鋭く速い攻撃をした。ガルーガは鞭の扱い方に馴れている。
その鞭が生徒に当たると、『ギャアアア!!』と、悲鳴を上げのたうち回っていた。
「ほう?良い声で鳴くな?オイ!もっと鳴けよ!!」
ガルーガは何度も何度も鞭を振るう。生徒はもう動きがない。他の生徒達もガルーガの卑劣な行為に顔が青ざめていた。
「辞めろ!そこまでだ!」
先生は止めに入るが。
「ウルセーよ!オレ様に命令するな!」
先生に向けてガルーガが鞭を振るうが。
「【時の支配者】!!」
先生は砂時計のような魔道具を取り出し、ガルーガの鞭を止めた。
「鞭が動かねえ!?テメェー何をやった!!」
「ガルーガ!これ以上やったら失格にするぞ!!」
「チッ!それでぇ?だぁれぇのぉ勝ちですかぁねぇ?」
完全に舐め腐りきてっている。
「………貴様の勝ちだが、今度やったら即失格にするからな!!さっさと降りろ!!救護班早く来い!!」
先生は救護班の先生を呼んだが。
「コレは非道い傷口だわ。私の回復魔法で塞がるかどうか…………」
最も非道い傷口に手を当てて、回復魔法をやっているが効果があまり無い。
「ダメだわ!もっと、回復魔法が上位の人を連れて来ないと!!」
「チッ!聖!来い!」
「はい」
「治せるか?」
「勿論ですよ」
「えっ?貴女が?」
「時間が無い!頼んだ!」
「はい!完全回復!!」
みるみるうちに生徒の傷口が塞がった。
「す、凄いわ」
「どうも、まだ、生徒を寝かした方が良いですね?」
「そうね。医務室に連れて行くわ」
タンカーに乗せて、連れて行った。
試合の方は、俺以外一回戦を戦って、全員がガルーガを恐れて棄権した。
俺のムラマサは未だに発動する気配もなかった。