部屋でくつろぐ32
「エリサの伝言はエリサが居る内に言えば良かったのに?」
「だめだよ」
「なんで?」
「陛下が居たからね?それにエリサだけとはいかないよ。先ほどの話を陛下に聞かれるのは拙いよ」
「オイ!聖!」
「先生?言っておきますが、陛下はアトランティスをまだ警戒をしていますよ。父さんは陛下にコトが済んだと言いましたが、それでも警戒をしていますよ。それにマリアやリクの事は言えない。要らない嫌疑を掛けられても詰まらない」
「確かにな………」
「お姉さまは私達の事を思って」
「当たり前でしょう?貴女達は俺の妹だろう?」
「はい」
「うん、ありがとうお姉ちゃん」
しばらくして。
「あー、聖?神聖王様は他に何か伝言で書いてあったか?」
「いいえ、別に無いですが、まあ、これは教えても良いでしょう」
「ほう?なんだ?」
「俺の弟妹がこの世界に来ようとしていますよ」
「「「えっ!?」」」
「お姉ちゃんの弟妹が?どうして?」
「あの2人、魔力に目覚めてしまったようでな。魔力が無い地球だと住みづらいんだよ。だから、この世界に来ようとしているんだよ」
「そうなのですか?でもどうやって?」
「それは、先生が良く知っていると思うよ?」
「えっ!?先生が?」
マリアとリクは先生の方を見た。
「何のコトだ?私は知らんが?」
シラを切る先生。
「ハァー。なら、言いましょうか?コレは、エリサが進めようとしている計画だ」
「えっ?エリサが計画をしているって?エリサは何をしようと?」
「エリサは勇者召喚をしようとしているさ。そして、その計画を実行する為に帝達も関わっているんだよ」
「えっ先生?そうなの?」
「…………ハァー。神聖王様はそこまでご存知だったのか?」
「そうですよ。神を嘗めないで下さいね?」
「そうだな。神様はお見通しだな。確かに、エリサから勇者召喚の話があるが、それとお前の弟妹と何の関係…………ま、まさか?お前の弟妹は、その勇者召喚を乗っ取るつもりか!!」
「そうなの?お姉ちゃん?」
「そうだよ。あいつらは勇者召喚があれば、その魔法陣を乗っ取って、ここに来るつもりだよ」
「マジか?しかし、どうやって、魔法陣を乗っ取るつもりだ?魔法陣はどこに現れるのか解らないのだぞ?」
「そこは、がぶり姉ぇの出番ですよ。がぶり姉ぇは天使ですからね。魔法陣の魔力を感知が出来ます。そして、転移魔法を使えば乗っ取り完了ですよ」
「しかしな?いつやるかも解らないだろう?毎日、緊張状態になるぞ?」
「そこは大丈夫でしょうね。いつやるかは、がぶり姉ぇが神界で調べ上げますよ。がぶり姉ぇは俺よりも万能ですから。それにそれとなく、父さん達もがぶり姉ぇに情報を流すかもしれませんね?」
「そうなのか?」
「そうですよ。ま、俺も関わって来るからね?より魔法陣が判るかもね?」
「あっ!?そうだったな?聖も帝になるんだったな?」
「そうですよ。俺が帝になるから、エリサも勇者召喚の成功を確信しているのではないてしょうか?」
「確かにな?」
「でも、ちゃんと勇者召喚が出来るの?確か、前回、勇者召喚が行われたのは50年も前の話でしょう?その魔法陣も動くの?」
「さあな?でも、しっかりと整備はしていると言っていた。大丈夫だろう」
「しかし、何の為にその勇者召喚をするのですか?」
リクの質問だ。
「外敵からの守護が目的だ。この王国と仲が悪い大国が2カ国あるんだよ。だからな。勇者召喚を行って、その外敵に私達の王国は圧倒的に強き者がいるぞと、脅しを掛け、この王国を攻める意欲を無くすんだよ。戦争になると、必ず双方の人が大勢死ぬ。そうなると国力も落ちる。そして、もう1つの国が攻めてくるんだよ。だからな。たとえ勝ち戦でも、疲労している所に攻め込まれたらお終いなんだ」
「そうだったのですか?」
「そういう事だ」
「ま、エリサと弟妹の思惑が一致していますのでね。来ると思いますよ」
「でもさ?お姉ちゃんの弟妹たちが来たら本物の勇者は来ないのでしょう?それって良いの?」
「良いんだよ。こちらでは、勇者召喚と言っているけどね?あちらからにしたら、単なる誘拐と同じだからな。あちら側は大騒ぎになるよ。それに俺の弟妹も神だからな?」
「あっ!?」