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部屋でくつろぐ28

「ああ、私が得意料理をね」


「お姉ちゃんの得意料理って?ハンバーグ?」


「違うよ。まだ、このメンバーには披露していない料理だよ。ま、直ぐ作って来るからね」


 そう言って、空間に入って、2秒後に出てくる。そして、その料理をテーブルに置く。


「いくら何でも早いのう?」


「空間の時間が早くなっているのでね。だから、早いのさ」


「急いでいる時は便利だのう」


「この料理は?」


「オムライスですよ。私が最も得意としている料理です」


「オムライスか?」


「わたくしたちは、あまり、いいえ、普段からライスは食べませんが」


「ウム、ワシもじゃ」


 後から知ったのだが、ここの米は不味い理由は、元々はお酒を造る為に研究用として作っていたが、諦めて食用としたが、まだまだ改良な必要な米だった。


「大丈夫ですよ。このライスは私の育った国から持って来ましたから」


「聖殿の国から?その国でも米を?」


「はい、それに主食としていますので、美味しいですよ」


「そうか。では、いただこう」


 陛下達が一口食べる。


「ほう?美味いな」


「そうですわね」


「なかなかの腕前じゃな」


「美味しいわ」


「本当です」


「今まで、作らなかったのは、お米が美味しくなっかせいなの?」


 エリサが聞いてきた。


「そうだよ。1度作って食べてみたら、米が美味くなかったからね。コレではどんな調味料でカバーしても、美味くないというのがバレるから、育った国の米が手に入るまで作らなかったのさ」


「なるほどね。確かに昨日からそのお米を食べているけど、お米が美味しいわ。主食にしているのも納得だわ」


「でしょう?まあ、色々と品種改良をしているからね。かなりのお米の種類があるよ」


「そうなのか?我が王国の米は、まだ、一種類だ………どうやったら、品種改良が?」


「違う種類の稲科の植物と人口的に配合させるのですよ。それで、様々な新しい米が生まれますが、それらが美味しいかは、作ってみないと分かりませんね?」


「なるほど、確かにそうだが、その美味しい米が出来るのにどの位掛かるのか?」


「それらは、10年以上は掛かりますよ。それに更に別の物を配合したりすればもっとですね」


「そうか………美味しく食べる為には根気よくやらないとか………」


「そうですね。しかし、どうして米作りを?」


「ウム、この王国は一年中温暖な気候で、色々と作物が穫れるのだが、時には食料不足になる時もあるのだ。だから、色々な作物を作って置いて、食料不足にならないようにとな」


「なるほど」


 話しながら食べていた。本来、王侯貴族は黙って食べるのが常識だが、ここは一般の家だ。陛下達が居るが関係なく食事をして貰ったので、陛下達も話しながら食べていた。


 食事が終わり。


「聖殿。貴女が作った料理は本当に美味しかった。さぞ、良い師に恵まれたのだろう」


「ありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいですよ」


「これも、冗談や建て前ではなく、聖殿が、神聖王様のご令嬢様ではなかったら、我が宮殿料理人に推薦したい位だ」


「そうですか、それはありがたいお言葉ですが、普通でもお断りしますよ」


「ほう?それは何故です?」


「私の。いいえ、がぶり姉ぇと私の味が宮殿だと生かせないからですよ。エリサの料理長から事情は聞きました。宮殿料理人は全員が同じ味付けにしないといけないそうですね?それは、私達の料理とは方向が違います。私は未だ、がぶり姉ぇの料理を真似ているだけですが、それを自分独自の味付けにしていこうとしている最中です。しかし、宮殿料理人になると、その味も出せなくなりますので」


「なるほど?聖殿は自分独自の味を探求していると?」


「そうです。いずれ、師匠のがぶり姉ぇを超えたいと思っていますが、がぶり姉ぇは簡単には抜かしてはくれないでしょうね?もしかしたら、永遠と追いかける事になるかもしれませんね」


「永遠ですか?」


「はい、私達には寿命がありませんのでね。がぶり姉ぇは師匠の意地で、料理の腕を上げていると思いますよ」


「師匠だから、負けたくないですか?」


「そうですね。だから、私も頑張れるのですよ。いずれ、会うであろうがぶり姉ぇをびっくりさせる為にね。今日、お出ししたオムライスもその一つですよ。私達が一番好きな食べ物ですから」


「そういう理由ですか?聖殿が一般人だった場合の話だったのですが、それでも断っていますね?」


「勿論ですよ。それに私の料理は、俗に言う大衆料理で、家庭料理が主です。貴族達に食べさせる料理ではありませんよ」


「そうですね。聖殿の料理は貴族達に食べさせるのはもったいないですよ」


「言えているわね?」


「そうですわね?」


「王家一家が揃って言いますか?」


「はい」


「勿論よ」


「当然ですわ。ところで、聖殿?ここ最近、この王都で、ケーキとなるものが流行っているようですが?心当たりはありませんか?」


「ありますよ。私がパパに教えた食べ物ですよ。結構、繁盛しているので狙い通りですよ」


「なるほど。そのケーキの作り方は公開していないとか?」


「そうですね。流行りものですから、まだ、レシピの公開はしていませんが、王妃様ならば良いですよ」


「本当ですか?ありがとうございます。実は、料理人達に命じて作らせたのですが………失敗ばかりで困っていましたのですよ」


「なるほど。しかし、料理人達にも外には漏らさないようにと命じて下さい。粗悪品とかが出回っても困りますので」


「分かりましたわ。お約束いたしますわ」


 俺は王妃様にケーキの作り方のレシピを渡して、皆に俺が作ったケーキを食べてもらった。

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