部屋でくつろぐ24~何?このジジィは?~
「今頃になって教皇がノコノコと来るとはな!」
陛下は軽蔑の眼差しで、やって来た人物を見ていた。
このジジィが教皇なのか?
「チッ!帰りそこなったか!」
確かに、この教皇の出現で、三文芝居を終えた俺達が帰るタイミングを逃したな。
「国王様?この騒ぎは一体なんですかな?ああっ!な、なんということを神聖王様の石像が無くなっている!!」
後から来ておいて騒ぎたてる。
「オイ!そこの人間!これは既に終わった事だ!後から来ておいて話をぶり返すな!!それになんだ?お前の姿は?あの石像にそっくりじゃねか!!」
「あら?本当だわね?あの石像はこの人間をモチーフにして造られていたのね?」
「コレは石像を破壊して正解だったな!」
俺達は教皇の姿を見て呆れていた。
「なんだ?この者共は!ワシに向かって無礼だぞ!良いか!このワシの姿は神聖王様のお姿を真似ているのだ!!」
「はあ?俺の真似ているだとう?一体どこが真似ているんだ?」
父さんが怒りを顕わにする。しかし、それに気付かない教皇は。
「何を言っておる!誰が、みすぼらしいお前を真似るか!ワシは神聖王様の格好をしているのじゃ!!この格好をしているだけでも徳を得る事で出来るのじゃ!」
こんな格好して、徳を得たら誰も苦労はしないぞ!
「はあ?このジジィは、なに言っているんだ?こんな格好をしたら徳を得るって?オイ!ボケているのか?あんたに善徳は全く無いぞ!!ま、お前にあるのは、徳は徳でも悪徳の方だな!!」
俺が言う。このジジィはもう終わっているからな!!このジジィの心は真っ黒だ。
「なんじゃとう?オイ!小僧が!もう一度言ってみろ!良いか!ワシはこの教会のトップの教皇じゃ!このワシを侮辱する気か?ええっ!!」
ジジィは俺を睨み威圧を出してそう言っているが、周りの一般の人間達は全員が真っ青な顔になっている。中には『もう俺達はダメだ。』とか『もう俺達はおしまいだ。』とか『せっかく助かった命を!』とか言っていた。
「ん?どうした?言えんのか?そうじゃろそうじゃろう。フォーホッホッホッ。ワシは教皇じゃからな!!このワシに無礼な口を利くとは言語道断じゃ!良いか小僧!2度とこの教会に来るな!そして、ワシに無礼な口を吐いた罰として貴様の全財産をこの教会に寄付せよ!」
「ほう?なんだお前?俺が言った言葉がちゃんと聞こえているじゃん!なら俺がもう一度言う必要がないな!!」
「な、なに!?この────!!」
ジジィが何を言っているが無視して。
「神聖王様?俺達、神に対してこの人間が神々の全財産を寄付せと言っていますが?」
「そうだな。俺達、神に対してそんな暴言を吐いた罰は重いな!」
「なに?神じゃと?バカも休み休み言え!神な 「バカは貴様の方だ!教皇!!この御方は神聖王様だ!そして、この御方達も神様だ!教皇!貴様は教会トップに居ながらそんな事も分からないのか!!それに周りを見てみろ!!貴様のせいで、信徒達は全員が真っ青になって絶望した顔になっている事も分からないのか!!」
しびれを切らせた陛下が言う。
この場に居る一般の人間達は俺達に向かって土下座をして頭を下げ、ブルブルと震え上がっていた。(先生は皆の真似事をしているだけだ)
「なっ!なんじゃと!?か、神じゃと?しかも、ししししししししし神聖王………………様?じゃと!?そんなバカな!?神はワシらが産んだ想像物ではなかったのか!?」
気が動転したのか、教皇は教皇あるまじき発言をした。このジジィは、自分が教会トップの教皇のクセに、俺達、神を想像物として否定していたのか?それは、余計に悪徳だな!!
「オイ!そこの人間!俺達はちゃんと存在しているんだよ!!お前?自分で教皇と言っている割には俺達の存在を信じていなかったのだな!そんなゴミを教会トップにしているのか!このバカ共め!!オイ!国王!こんな教会は要らないよな?」
キレた父さんは再び超巨大玉を出す。
「お、お待ち下さい!!このゴミの全ての地位と全財産を没収して、直ちに追放処分とします。ですが、この教会には、そのゴミとはなんの関わりのない罪が無い孤児達が沢山住んでおります。このゴミに関わった関係者全員をわたくしの権限を持って、必ず排除致しますので、ど、どうか、どうかお許しを!!お情けを!!」
陛下が土下座をして頭が地面まで着くまで下げていた。他の人間達も同じだった。ただ1人呆然と佇んでいるのが教皇だけだった。
そして、その後、ゴミは、陛下の護衛兵達に捕らわれ、その場を退場した。
俺達も後処理は陛下達に任せて帰った。
父さんが、『人間達の不始末は人間達に任せる。』と、言って。
帰る時に信徒達は、俺達を涙を流して拝んでいたが、はっきり言って気持ち悪いぞ!俺は人間だからな!
全く、酷い教会だったぜ!
実際に自分で教団を立ち上げておいて、その信仰神を信じない教祖が居たらヤだな………。