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部屋でくつろぐ23~何?この石像は?思っていた以上に酷いので、父、ブチギレます2~

 母さんがマリア達を送った後。


「この男は何を言っているんだ!」


「酔っ払っているのか?オイ!さっさと連れて行こうぜ!」


 父さんがまたキレたが。


「何事だ!」


 そこに国王陛下と王妃様、クレアが新たな護衛兵達と共にやって来た。おそらく、石像が無くなったのを目撃したか、兵士達に聞いてきたのだろう。


 国王陛下の登場で、周りの人々達が一斉に頭を下げ畏まる。


「あ、あなた様はし「誰だ貴様は!!」


 父さんは間一髪で言う。


「えっ?」


「貴様は誰だ!と聞いている!」


「い、イヤ「陛下!!」


 俺も間一髪で阻止して、首を横に振るう。『お互いに知らない振りをしろ。』とジェッシャーを送る。


 それに気付いたクレアが、陛下に耳打ちをしている。陛下は分かったようだ。


「ゴホン。余は、このファーネリアの国王だ!お、おまえ、………は?」


 陛下は、『おまえ』と言うのを、躊躇い、申し訳なく、弱々しく、震えた声になっていた。これは父さんの正体を知っているから余計にだ。


「俺か?俺はお前達が、一生懸命に拝んでいる神聖王だよ!!」


『なっ!?』

『し、神聖王……様?』

『この男がか?』

『嘘だ!!』

『そうだ!この男が神聖王様の筈がない!』


 周りの人々が様々な反応を示した。


「ヤレヤレ!俺の力をみたいのだな?良し分かった!この王国を一瞬の内に更地にしてやろう!!良く見ておけよ!これが神の力だ!!」


 父さんは人間達に分かるように魔力を上昇させ、上空に超巨大な魔法玉を出現させた。


 それを見た周りの人々はビビり、少しでも離れようと後ずさりをしている。


 オイ!父さん!それは悪党がやるやつだ!!


「お止め下さい!!わたくしたち王家はあなた様を神聖王様とお認めします」


「どうか、怒りを静めてください」


 陛下と王妃様、クレアも父さんに懇願している。


「さて、どうするかな?王族共は俺の力を認めているようだがな?庶民共は認めていないようだな?やっぱり、ここを更地にするか?」


『ひぃぃぃ!!』


 殆どの人間達は父さんの超巨大玉の出現を見て腰を抜かしているようだ。立てられないようだ。


 因みに先生はヤレヤレといった具合に平然として様子を見ている。


 まあ、完全に俺達から見たら三文芝居だけどね。更にその三文芝居が続くんだよ。


【神聖王様。ここまでにしてください】


 母さんが空から降りて来た。

 そして、男姿になった俺も同様だ。

 俺達は全員が父さんに集中している隙に、上空に転移した。


「なんだ?お前も来たのか?さとる?」


「はい神聖王様。王妃様の護衛としてですが」


 ああ、三文芝居とは言え寒気が体中に走るぞ。


「えっ?さとる?」


 父さんの言葉にクレアが反応した。これは好都合だ。


「ん?なんだ?そこの女!俺が気になるのか?」


 クレアに近付く。そして、小声で。


「俺達の三文芝居にもう少し付き合ってくれや。クレア」


「分かったわ。でも、ちゃんと説明してね?ひじり?」


「分かっている。…………フン。仮面を被った女か?気が強そうだな?」


「わたくしはこの王国の王女です!」


「ほう?そうか?さぞ仮面の素顔は美しいんだろうな!」


 芝居掛かったセリフだ。


『だ、誰も見たことがない王女様の素顔は美しいって?』


『神様だから分かるのか?』


『まさか?』


「オイ!そこの人間共!それらの言葉は俺に対する侮辱か?」


 ジロリッと睨む。


『ひぃぃぃ!』


 人間達は恐怖のあまりに悲鳴をあげた。


「聖。やめよ」


「はっ!」


 俺はお辞儀し、元の場所に戻る。


「さて、国王!」


「はっ!」


「この王国は俺とお前の祖先と一緒に造った国だ!」


「はっ!我々、王家は承知しております」


 周りの一般の人間達はざわついていた。『やはり、伝説は本当だった』と。


「国王!神聖王の名において命ずる!これまで、俺とされたモノを一つも残さずに全て破棄し処分せよ!!」


「はっ!仰せの通りに致します」


「で?この超巨大玉をどうするのですか?」


「そうだな。もうこれは用はないな」


 母さんの問い掛けで父さんは超巨大玉を消した。


「これでいいだろう?」


「そうですね」


「(ヤレヤレ、神聖王様に元々破壊する意思が無いと判っていてもひやひやしたな。それにしても、今朝、写真で見た聖の男の姿が生で見られるとはな?全く何が起こるか分かんないものだな)ん?今頃になってのご登場か?」


「さて、俺達はこのまま去る!国王よ!この国を潰すなよ」


「はっ!」


 陛下と王妃様は、終始、土下座をして頭を下げていた。


「皆の者なにをやっておるのじゃ?もう神聖王様に祈りを捧げる時間が過ぎておるぞい」


 なんか、相当遅れて、豪華な衣装に身を包んだ恰幅の良いジジィが来たが、そのジジィの姿が…………。

※聖は『さとる』と人名として読めます。

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