部屋でくつろぐ18
「お姉ちゃん?何が確信したの?」
「ああ、この学園に悪霊が居るよ。しかも、C組にね?」
「「なっ?」」
2人は驚く。
「別に驚く事でもないでしょう?C組限定で全員が不良になっているなら、これはもう悪霊の呪いでしょう」
「の、呪い!?」
「そうだよ。全学年のC組だけの児童・生徒だけが全員が不良になるなんて、普通に考えても可笑しいでしょう?もうこれは悪霊の呪いか、霊障害が起きていると、考えるけどね」
「そうなの?」
「しかしな?悪霊、幽霊って、本当に居るのか?」
「居るよ。俺が一度なったからな」
「「あっ!」」
「そうだわ。お姉ちゃんは一度死んでいたんだった」
「そうだな。で?どうやって退治するんだ?」
「ああ、除霊の魔法はあるからさ、それを使うよ」
「なるほどな?悪霊が居なくなったら、それでC組のヤツらは不良にならないのか?」
「それは分からないよ。悪霊を祓って呪いが解けても不良を辞めるのかは、本人次第だよ」
「確かにな」
そして、ダッシュの時間になり、重力魔法を掛ける事になるが、今日の初めての3人は免除し、俺達4人に掛ける。
俺が10倍、ママと兄さんが4倍で、マリアが3倍の重力だ。
距離も自己申告で設定し、この空間を一周すれば、その距離になるように仕込んである。
「マリアは何kmにしたの?」
「私は5kmだよ」
「えっ?そうなの?私、10kmにしちゃったわ」
「良いんじゃあない?私、重力の負荷が3Gだからさ」
「ああ、なるほどね?」
「行くよ!」
俺が声を掛ける。皆がスタートラインに並ぶ。
「スタート!」
掛け声共に一斉に走り出した。
因みに俺とリクが50km。
ママと兄さんが25km。
先生が10kmだ。
走るスピードは違っていても、距離設定が違うから、距離が短いマリアが一番速い。
という錯覚を起こす。
俺とリクは距離が長いからスピードを上げた。
当然マリアが一番にゴールし、続いて、10kmのエリサと先生、25kmのママと兄さん、最後は俺、リクがゴールした。
「ハァハァハァ」と最後にゴールした俺達が息を切らしていた。
まだまだ、スタミナが足りないな。
少し休憩してから、模擬戦に入った。
模擬戦は、魔法、格闘、剣術など様々だ。自分が得意な物をやる。
俺は兄さんとリクで、格闘と魔法の訓練をやっている。
ママはマリアの魔法を見ている。
先生とエリサは魔法の訓練をやっていた。
「お姉さま!行きますよ!」
「行くぜ!」
「ああ、来な!」
2対1の変則マッチ。
俺は2人の攻撃を裁いたり避けたりしていた。
「くっ!?」
「当たらない!?」
攻撃スピードを上げる2人。
だが、結果は同じだった。
「よっと」
兄さんの力を利用して投げ飛ばし、リクも同様に。
投げ飛ばされた2人は、不思議な顔になる。『なんで自分達が投げ飛ばされるんだ?』と。そういう表情を浮かべていた。
それでも、2人は、気を取り直して、俺に向かって来たが、結果は同じだった。攻撃を裁き、力を利用して投げ飛ばすと、実にエコの戦い方だ。
「クソ!何故、あんなに簡単にオレ達を投げ飛ばされるんだ?」
「わ、分かりません。気付いたら、お姉さまに投げ飛ばされています」
「どうなっているんだ?訳がわかんねぇぞ」
「後もう一つ、お姉さまは、おそらく、私達の攻撃を読んでいます」
「あっ!確かにな。全く当たらない。イヤ、聖の体に掠りもしないな」
「そうです。しかも、お姉さまは魔力を放出していますので、魔法を使ったか分かりません」
「そうだな。オレも放出をしているが、まだ、攻撃魔法を使う余裕はないが、聖にはありそうだな?」
「はい、私もそう思います。お姉さまは、刹那の未来予測をしているかもしれません」
「なるほどな?オレ達の攻撃の瞬間にどこから繰り出し、その軌道も判ると」
「はい、お姉さまなら可能です」
「そうだな?聖は神様だからな。聖に勝つ為にはオレ達の攻撃を読ませない事だが、出来そうか?」
「いいえ、今は無理です。しかし、この修行をしていれば私達も強くなっていると思いますよ」
「そうだな。これは修行だったな。今日がダメでも、また、明日とどんどん修行を続けていけば」
「はい。お姉さまに当たり打撃を与える事が出来ます」
「ああ、やろうか!」
「はい!」
2人が俺に攻撃を仕掛けてくるが、俺は、未来予測をしていない。観の目を使って、兄さんとリクの攻撃を読んで予測しているだけだ。
観の目は、相手の初動を見る事だ。例えば、パンチを撃つにしても、最初は必ず、肩から動く、その動作を読んで、全てを予測しているだけだ。
だから、兄さん達の勘違いだ。もしも、未来予測をしていたら、簡単過ぎて、俺の修行にならない。
朝練が終わった。
体調不良につきしばらくの間は更新をストップします。新型コロナではありません。