部屋でくつろぐ17
休日2日目です。
色々とエピソードがあります。
次の日。
空間、朝練。
軽食を食べている時に。
「えっ?王女様も参加ですか?」
エリサが居て、ママと兄さんが驚いていた。
「そうですよ。私も少しは強くなりたいですし、それにマリアもやっていると聴いたもので」
エリサはそう言った。
「ま、良いじゃあない?もし、これできつかったら、辞めればさ」
「聖!王女様に向かってなんて事を言うの!」
ママが批判するが。
「真実だからさ、メニューは準備体操から始まって、筋トレが終わったら、各自の適正の重力での各距離でのダッシュをやってから、組み手や魔法の練習だからさ?」
「まあ、そうだけどね?」
「無理やりやらせるのと、辞めるのと、どちらが親切か?」
ママと問う。
「………」
「確かにな、体が着いて来られなければ、辞めるのも手だが、しかし、最初から、このメニューをまともに出来る人間は早々いないだろう?」
代わりにステラ先生が答える。
「そうですよ。だから、自分自身が合ったメニューをすれば良いんですよ。ダッシュも最低距離は1kmです。最長は50kmですよ。これは、朝練の時間内に帰って来られれば良いので、ランニングではなく、ダッシュと言っています。しかも、馴れてくれば、朝練の終了まで個人個人で重力も掛けますよ。重力は2G~最大10Gまでです」
そう説明した。
「重力を掛けるのか?何故だ?」
「それは、更なる体力と魔力の向上の為ですよ。重力はただの重力ではありません。魔力を放出すれば、体が軽くなりますが、放出を止めると、体が重くなります。この訓練の目的は一定の魔力放出をする為の訓練です。戦いの時も役に立ちますよ」
「なるほどな?戦いの時に一定の魔力を放出をしても、体が馴れているから、よりその状態で長い時間戦えるのだな?」
「そうです」
「良く考えているわね?体の負担が大きいけど、その分の恩恵があるのね?」
「そういう事。自分自身、無理のないトレーニングをすれば良いのさ、逆に自分の体を苛めて無理すると、慢性的な故障が発生して余計に能力が落ちてしまうよ」
「それはあり得るな。回復魔法を施しても、同じ箇所をまた傷めてをしてしまうのがな」
「そういう事ですが、体を鍛えると、どうしても、無理をして故障が発生してしまいますから、そうした場合は無理をせずに回復に努めた方が良いですよ。それに風呂も温泉になり、湯治も可能になったから、丁度良いよ」
「えっ?お、温泉?」
「いつからだ?」
ママと兄さんが驚いていた。
「昨日の夜からだよ。母さんが、男湯と女湯共に温泉にしたよ。掃除もリセットと言えば綺麗になるからね?パパにも言っておいて」
「分かった」
「まさか、温泉になっているなんて、気が付かなかったわ」
「俺もだ」
「えっ?リリカさんもガイさんもここに入っているのですか?」
「勿論ですよ。家のお風呂場よりも広いですからね。それに普段から使わないともったいないですよ」
「そうですね。私も昨日から使えるようになりました。もしかしたら、リリカさんと鉢合わせすると思いますね?」
「そうですね。さあ、そろそろ、朝練をやりましょうか」
「そうだね」
俺達は準備体操を始める。
そして、筋トレ。
俺は基本的な筋トレに加えて、腕の筋肉や指を鍛えるトレーニングをやる。
それを見ていた兄さんが。
「なるほどな?お前のトレーニングは昨日のアレに耐える為のトレーニングメニューだったのか?」
「そうだよ。あの技を俺の奥義にね。他の攻撃方法よりも、アレがかなり威力が高いからね」
指弾術。魔力を親指に籠めれば籠めるほど、威力が増す技。理論上は、光速と同等の速さまで出来る事が出来るが、今の俺の全魔力や筋力では、万全で出来ても光速の一歩手前、準光速の指弾術が精一杯だ。それに体の反動やリスクも高いから、指弾術はまだ1発が限界の技だ。
「確かに、奥義と言うにふさわしい技だな?」
兄さんが納得している。
「でしょう?でも、まだまだ、未完成な技だよ。もっと、精度や体を鍛えないとね?」
「そうなのか?」
「兄さん?何、お姉ちゃんの邪魔をしているのよ」
マリアもやってきた。
「邪魔はしていねぇよ」
「本当に?怪しいわね?」
「本当だ!なぁ?」
「まあね。あっ!兄さんに聞きたい事があった」
「おっ?なんだ?」
「兄さんはC組になってから不良になったの?」
「ああ、そうだな。思えば、俺がC組になってから不良になったな?それが?」
「今度、リクがC組に入る事になるんだよ」
「なっ!?それは拙いだろう!俺みたいに不良になるぞ!!」
「そうなんだ。だから、父さん達が、学園長に抗議をするんだよ」
「なるほどな?確かに、抗議はした方が良いだろうな」
「でしょう?だけど、これで確信したよ」
「「えっ?」」
兄さんとマリアの2人は頭に【?】マークを浮かべていた。