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部屋でくつろぐ15~この世界の魚事情~

「ど、どうしたの?皆、顔色が悪いわよ?」


「母上、魚はパスです。ダメです」


「私もよ。ママ?作るなら違う料理を作って!!」


「私も拒否したい」


「私も魚を料理をするのものダメですね。勘弁して貰いたいですね」


「そうね?いくら私でも、魚は食べたくないわ」


「私もですね。例え国王陛下のご命令でも拒否しますね」


 皆が当たり前のように拒否をする。


「えっ?何よ?皆して?魚は健康に良いのよ!!」


 諦めない母さん。


「母さん?この世界の魚は川魚を含めて、食べれないんだよ。それに、この王国は内陸部に位置しているから、海の魚は輸送に時間が掛かるから、全て、塩漬けで送られてくるんだ。それらは、とてもじゃないが、俺達には食べれない、だから、この王国の王都ではそう滅多に魚は流通してないんだよ」


 俺も疑問に思って、パパに聞いてみたらその答えが返って来た。実際に見たらその通りだった。そして、魚を干物にする文化や技術も無い。


「そうですね。殆どの川魚類は細かく鋭い骨が多くって、更に川魚の身が何故か泥臭いので、どんな調理をしても食べれません。勿論、泥抜きをしてもです。海の魚は聖が言った通りですね。それに塩辛い魚は物好きな人しか食べませんね」


 エリサが補足した。


「そうなのね?」


 母さんが納得した。


「もし、母さんがどうしても魚料理をしたいのなら、また地球に行って、買って来るしかないよ?」


「そうね?そうしましょうか?」


「なら、俺、本マグロを食べたい!」


「そうね?お刺身も良いわね?ワサビや醤油も………ここにあるわよね?」


「あるよ。ないのは、味噌ぐらいかな?丁度切らしているよ。後、出汁だし類も」


「分かったわ」


「えっ?朝ご飯は、結局、魚料理になるの?」


 マリアが嫌そうな顔になる。


「けどさ?お刺身って、何?結構、気になるわ」


「刺身は生で食べるのよ。かなり美味しいわよ」


「えっ!?な、生!?魚って、生で食べられるの?」


「嘘だー」


 俺が説明すると、マリアと先生が拒否反応を示した。ま、食べたことがないからそうなるか。


「食べられるよ。美味しいよ。ま、それでも新鮮なうちじゃないとダメだけどね。それでも、本マグロの大トロや中トロが絶品だしね」


「本マグロは丸々1本買いますよ。私も捌けますからね」


「1本なら解体でしょう?」


「そうね」


「だ、大丈夫でしょうか?」


 リクも不安そうだ。


「けど、聖達のテンションが上がっているからね?大丈夫じゃないの?それに私は食べてみたいわ」


 一方、エリサは興味津々だった。


「えっ?そ、そんな………」


「料理長。仕方ありませんよ?今回も諦めてください」


「はい………」


「はい、決まりね」


 そして、俺達は解散した。料理長が肩を落として帰って行く、バーストさんが宥めていた。


 父さん達の寝室は一緒で良いと言うので、一室は自由に使って貰う。ベッドも自分達で出せるでしょうね。


 そして、俺達は俺を中央で、左右にマリアとリクが寝る形だ。


 そして、マリア達が寝静まった頃にリビングに行くと、やっぱり、父さん達がいて、お茶を飲んでいた。


「やっぱり、起きていたか?」


「ああ、俺達は神だからな。あまり寝ないんだよ」


「そうなんだ?俺達も神に成ったら?」


「ああ、あまり寝ないな」


「でも、そんな事を聞きに来た訳ではないのでしょう?」


 母さんは俺の前にお茶を置く。


「まあね」


 そう言って、お茶を啜る。


「がぶり姉ぇ達は、あの後、どうしている?」


 そう、俺が聞きたい情報は、がぶり姉ぇ達の情報だ。


「ああ、あの後直ぐに舞達の魔力が目覚めた」


「はぁ?なんで?」


「知らん!こっちが聞きたい位だ!何故、俺の封印が破れたのかをな!」


「再封印をしないのか?」


「しない。既に、舞達も自分達が神と理解しているし、2人共に自重をしている。今、ガブリエルが2人に魔力の使い方を教えている最中だ。だから、封印する必要はない」


「なるほどな?がぶり姉ぇが報告したのか?」


「いいや、していない。すると再封印をされると思っているようだな?しかもだ、舞達は、こちらに来るつもりだ」


「はぁ?どうやって?」


「そりゃあ、勇者召喚だろう?」


「はい?勇者召喚って?よく、ネット小説やライトノベル小説に出てくるヤツ?」


「そうよ。あのお嬢ちゃんがやるつもりよ。貴女が居るからね?」


「俺頼りか?」


「みたいね?というよりも召喚が出来ると確信しているわ」


「ま、信頼してくれているのは嬉しいが、母さんは、そういった召喚は止めないのか?」


「ええ、止められないのよ。それもルールがあってね。それに召喚最中に無理やり介入すると召喚される人間に悪影響が出るのよ」


「なるほどね?しかし、エリサと舞達のお互いの利害関係が一致しているよな?」


 エリサは勇者召喚をしたい、一方で舞達は勇者召喚で喚ばれたいと。


「そうだな。双方の思惑が一致している」


「でも、何故、エリサは勇者召喚をやるつもりなんだ?」


「この世界の3大大国は、昔から仲が悪い。で、周辺の小国の国々はそれぞれの3大大国に付いているが、3大大国が戦争になれば、小さな国々は滅亡する可能性が高いし、このファーネリアも被害が出る。勇者召喚は、言うなれば敵国に対しての威嚇だ。異世界の勇者は強いのだぞというパフォーマンスだな。ま、現在の敵国に威嚇になるか解らんがな」


「なるほど。ああそうだ。母さん、ありがとう」


「何よ、いきなりお礼なんて言うの?」


「俺の乱れていた魔力を調整してくれたのは母さんでしょう?」


「何の事よ?知らないわよ」


 とぼける母さん。

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