部屋でくつろぐ14
「それって、貴女の事が好きなのでは?どういう経緯かは判りませんが、貴女に自分の胸を見せるという事は、それだけ、貴女の事が好きではないのでしょうか?ではないと、いくら何でも見せませんよ?」
料理長が言った。
「はぁ?俺の事が好きね?有り得ないでしょう?」
俺は否定する。
「そう言い切れるの?私だって、お姉ちゃんの事が好きだもん」
「私もそうです」
「貴女達は普通に言うのね?」
「「勿論」」
「なるほどね?で?2人はラブなの?それとも、ライクなの?」
「「勿論、ラブだよ(です)」」
「そうですか?」
2人は生き生きと言うが、俺達は女同士だよ?俺はもう外見は男ではないからな〜?
「ねぇ?聖?普通、思春期の兄弟に自分の胸を平然と見せる?少なくても、私は見せないわよ?それだけ、舞は貴方の事が好きだったのよ」
「うーん?そうなのか?ただ構って貰いたいだけなのかな?と、思っていたけどさ、俺には妹に恋愛感情はないしな?」
「まあ、そうよね?でも、聖になくても、舞にはあるわよ」
「だよな?ハァー。ま、舞にはもう逢えないからな?その真意が確かめられないがね?」
「そうね」
「あー。聖?」
「なんです?」
「明日、使い魔の召喚魔法陣を描くんだよ。手伝ってくれ!一応、5つ描くんだよ」
「はぁ?俺、今まで魔法陣を描いたこと無いけど?」
「お前は魔力が多いだろう。魔法陣を描くには、魔力を通して描くんだよ。結構な重労働でな、一つでも良いからさ。それに魔法陣を描く勉強にもなるぞ」
「イヤ、勉強になるぞ。と言われても、魔法陣って、絶対に複雑でしょう?俺、地球の漫画とかで解っているからね?」
「うっ!?」
言葉を詰まらせる先生。絶対に図星だろう。
「聖?先生の手伝いをしなさい!これからお世話になるのでしょう」
「イヤ、世話をするのは、絶対に俺の」
「黙りなさい!」
「いったー!か、母さん!変なとこを抓るなよ」
「煩いわね。どうなの?手伝いをやるのでしょう!!」
段々と抓る強さが強くなる。
「わ、判ったよ!やるよ!やりますよ!」
俺は母さんのパワハラに屈した。
「宜しい。しかし、貴女の皮膚は抓り良いわね」
なおもやる母さん。
「なっ!?や、やめろよー!!」
「本当に?私もやるーえい」
「マリア、一緒にやりましょうか?」
「うん!」
2人して俺の体を抓る。
「だから、やめろって!!」
「イヤー、やってくれのか?頼りにしているぞ」
先生は言うが、もう、我関せずだ。エリサもリクも料理長も同じだった。
そして、お風呂から出てから、俺はリビングでぐったりとなった。
「なんだ?また、母さんにおもちゃにされたのか?」
「良く判るな?」
「まあな。これでも、神だからな!ま、そうでなくとも、大体の予測は付くぞ」
「そうだよな」
「面白かったわね」
「またやりましょうね」
「うん」
「マリア、何母さんに同調をしているんだよ!」
「私達、親子だものねーマリア♪」
「うん、そうだね。ママ♪」
「もう、イヤ!」
「さて、貴女達?朝はどうしているの?」
母さんが話を切り替えて言う。まあ、朝練の事を母さん達も知って置いた方がいいか
「ん?俺達はあの空間で朝練を6時間して、朝風呂に入ってから朝食を作るが?食べるのは大体7時だな」
「えっ?6時間もやるの?」
「ああ、それでも、現実時間は6秒だよ。で、朝風呂と会わせても、8秒位か?」
「それは、反則だわ」
「じゃあ、エリサも朝練やる?私も覚醒する前からやっているからさ」
「えっ?そうなの?」
「うん。後はステラ先生とリクも参加だよ」
「ステラ先生も?」
「ああ、あの部屋を貰う条件としてな。それに魔力量の維持だな」
「で、リクは?」
「私はもっと強くなりたいです」
「そうね、私も少しは強くなりたいわね。分かったわ。私も参加するわ」
「分かった。時間は6時30分からだ。参加はママと兄さんも参加するよ」
「そうなのね。ファルコンさんは?」
「パパは空間で、カフェの下拵えと料理の修行だよ。お姉ちゃんのおかげでカフェがかなり繁盛しているからね。もっと、料理の腕を上げないとって、言っていたわ」
「そうなの?まだ、料理の腕を上げるのね?料理長もファルコンさんを見習ったら?あの人は元軍人で、お父様の親衛隊長だった人よ」
「えっ?そうだったのですか、私達のように専門学校を出ていない?」
「そうよ。でも、調理の許可証はあるわよ。世の中にはそういう人で、店をやっている人達はいるわよ」
「そうですね。私も頑張ります!」
料理長が意気込んだ。そして、母さんが。
「なるほどね?私が明日の朝ご飯を作ってあげるわ。貴女達?お魚、食べていないでしょう?」
と、母さんが言うと、俺を含めて全員の顔色が変わったのだった。