部屋でくつろぐ13
一段落し、食器も片付けて後に。
「さて、お風呂に入りますか?」
俺が言うと、
「そうだね。入ろう」
「はい」
「入るか!!」
マリア達が同調する。
「先に行ってこい。俺は待っているから」
「父さん?なに言っているの?男湯と女湯は別れているし、ここに居る全員が入れるよ」
「そうなのか?」
「えっ?私も入って良いの?」
「私は神聖王様とですか?」
「わ、私のような一介の料理人が、皆さんと?」
エリサ組が困惑している。
「良いよ。お風呂は広いし、狭かったら、広げれば良いしな」
「そうだね。もっと広げて欲しいな」
「今のままでも入れるでしょう」
「チェッ」
マリアが舌打ちした。どんだけ広くしたいのか?
「聖、温泉を繋げないの?」
「無理、空間に温泉を繋げると掃除も硫黄とかで大変だし、今のままでも結構大変だよ」
「えっ?掃除をやっていたの!?」
マリア達が驚いていた。まさか、俺が掃除をやっていたとは思ってもいなかったようだ。
「当たり前でしょう?空間でも汚れるモノ。掃除はやっているよ」
「大丈夫よ。女湯も男湯も誰でも『リセット』と言えば、一瞬の内に綺麗になるように仕掛けるからさ。温泉の方が気持ち良いわよ」
「分かりました。お願いしますよ」
これ以上、母さんに言っても無駄なので、了解する。
「ま、簡単よ。ただ温泉に変えれば良いだけだからね?はい、終わりよ。さあ、入りましょうか」
「ありがとうございます。お姉ちゃんのママ」
「どう致しまして。でも、私の事はママでも良いのよ?」
「えっ?でも…………」
珍しくマリアが困惑していた。俺と母さんを見回していた。
「貴女は聖の妹でしょう?だから、私達の子供でもあるわよ。マリア」
「そうだね」
「うん、ありがとう。お姉ちゃん、ママ」
「また、新しい娘が増えたな」
俺達は、お風呂に入りに行く。
「へぇー?ここが空間なのね?」
エリサがキョロキョロの見回す。
「そうだよ。ここで、皆でトレーニングやパパは料理の練習をやっているし、ママやステラ先生の専用の部屋もあるよ」
「えっ?専用部屋?」
「そうだよ。どっかの誰かさん達が、毎回、レポートの紙を大量に寄越すからな!書くのに大変なんだよ。だから、聖に創って貰ったんだ」
「えっ?私、そんなに寄越した覚えがありませんが?この位は出来ると言う位ですよ?」
エリサが困惑気味で言うが、
「ほう?そうか?なら、来い!現実を見せてやる!」
風呂の前に、皆で先生の専用部屋に行くと、大量の紙が山積みになっていた。
「えっ?こ、こんなにも?」
エリサは予想外だったのか、凄く驚いていた。
「そうだよ!これ全部、レポートだよ。これが、毎週、毎週、大量に来るんだよ。これをどうやって、締め切りまでに裁けるんだ?私のクマはこのレポートが原因だぞ!!他のヤツらはどうやっているか知らんが、おそらく、睡眠時間を削ってやっているだろうな?だからこそ、私とリリカはこの部屋を聖に用意して貰ったんだよ」
「うっ!?分かりました。もっと選別します」
「ああ、そうしてくれ!」
「だから、先生は2日間も寝ていたんだね?」
マリアが納得していた。
「そうだよ!この空間は時間調整が出来るからな。この大量のレポートを裁いてから、ここで寝ているんだよ。これからの飯は聖が用意してくれるからな。それに風呂も入り放題だ!」
なんか、少し自棄になっていない?
「人間も大変ですね?」
「そうだな」
改めて、俺達は風呂に入った。
「あ~~~~っ!確かにこの湯は温泉だ~。気持ち良いなあ~」
ステラ先生がお湯の中で伸びている。
「本当だわ。ママ、ありがとう」
「良いのよ。喜んで貰えて」
「何このお風呂の広さは?寮部屋の王家並み?イヤ、それ以上だわ」
「そうね、かなり広いわね。それに温泉でしょう?羨ましいわ」
「ん?エリサなら、いつでも、どこからでもこの空間に入れて、このお風呂に入れるよ?」
俺がそう言った。ちなみに俺はもう目隠しや目を瞑ってはいない。女の裸はまだ馴れはいないが、それらも自分自身で馴らさないといけない。
「えっ?そうなの?」
「ええ、そのようにしたよ」
「じゃあ?もう、私の部屋のお風呂が要らないわね。というより、女性専用のお風呂にすれば良いわね。そうしないと、もったいないわ」
「えっ?良いのですか?」
「良いわよ。私はここでお風呂に入れるからね?それに、貴女達のお風呂場は狭いでしょう?なら、私が使っていたお風呂場を使えば良いわよ」
「ありがとうございます。お嬢様」
料理長が喜んでいた。
「ねぇ、リク?」
「なんでしょうか?」
「貴女の胸無いわね」
「なっ!?そ、そういうマリアさんだって無いですよ!」
「私はまだBカップはあるもん!リクは、-AAAカップでしょう!」
「ぐっはっ!!わ、私だってAカップはありま……あっ!」
「ほら、やっぱり、無いわね?クスクス」
「はいはい。そんな、ドングリの背比べをしないの!」
「「うっ!?や、やっぱり、お姉ちゃん(さま)の方が遥かにある………しかも、お湯に浮いているわ(ます)」」
「全く、舞が聴けば何と言うか?」
「本当だわね?」
「えっ?舞って?」
「妹だよ。アイツの胸は全く無いからなあ?がぶり姉ぇもバストアップをする料理を作っては食べさせてあげているが、全く効果が無いから、困り果てているよ」
「オイ!実妹に酷い言い草だな?」
「イヤ、真実ですから。つい最近まで『ねぇ?お兄ぃ?あたしの胸成長している?』って、堂々と俺に見せていましたからね?で、全く成長してい無いと言うと、舞が怒って、毎回、殴り合いのケンカですよ」
「オイオイ?マジか?」
信じられないという表情をしている。
「マジですよ。ま、舞の胸は、未だに少年の胸ですからね?見ても、全く、興奮もしませんでしたし、妹に発情する訳がありませんよ」