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部屋でくつろぐ11

 食べ終わり。


「あー。生き返ったぞ」


「別に餓死寸前ではないでしょうに?」


「イヤ、気付いたら。空間で2日間寝ていたからな」


「寝過ぎだ!」


「仕方ないだろう?私はこのクマを取るのに必死なんだ」


「ただ寝ていても取れませんよ。食事もバランスよく採らないと」


「それが出来たら苦労しない!そうだ。お前の所で私も食べれば良いんだ!うん、そうしよう」


 この先生は度胸が座っているな?俺が神聖王の子供と判ってての言い様だ。


「はあ?何故?」


 それでも、理由が欲しいからな。


「お前の料理が旨いからだな。それにタダとは言わん。月々の食事代を払うし、勉強も教えられるぞ?どうだ?」


「イヤ、どうだ?って言われてもね?マリアにリク?どう思う?」


「私は良いと思うわ。先生が居れば、分からない所も教えてくれるしね」


「私は分かりませんが、お姉さまやマリアさんが良いなら、それに従います」


 リクはどうしたら良いのか分からないか?それは仕方ない事だね。徐々に覚えれば良い。


「おっ?決まりか?」


「仕方ありませんね?ちゃんと、食事代を払って下さいね?」


「判った。でだ!大事な事を思い出した」


「なんでしょうか?」


「リクのクラスはな。Cと決まった」


「えっ?お姉さま達と違うクラス?」


「アレ?俺達と違うクラスなの?」


「ああ、残念だがな……私もリクを預かるばかりと思っていたがな?学園長がC組と言ったんだよ」


「ダメよ。C組だけは絶対にダメだわ!」


「そうだよ。C組だけはダメだよ。先生?何故抗議しないのよ!」


 エリサとマリアが激しく否定する。C組になにが?


「い、イヤ、抗議をしろと言われてもな?」


 先生がたじろぐ。


「C組がどうしたの?」


「C組は不良の巣窟なのよ!何故か、全ての学部の全ての学年のC組は児童、生徒が全員不良になっているのよ。しかも、去年、真面目だった生徒もが、あっという間に」


「私達の兄さんも不良になったのがC組だったわ」


「はあ?」


「まあ?」


「オイ!そんな所に俺達の娘を入れるのか!!良し、俺が直接抗議してやる!!」


「本来はダメですが、今回はそんな事を言っている場合ではありませんね?学園長に真意を確かめないと」


 父さん達が怒っている。


「私の為にありがとうございます」


「当たり前だ!娘が不良になってたまるか!」


 俺、不良になったけどな?


「しかし、どうして、学園長はリクをC組に?魔力の強さならA組だけどな?」


「さあな?確かに今のお前達4人は本来はS組クラスだがな?それぞれ状態があり私のA組になっている。その分、私が苦労をしているが、学園長が何を考えているのか判らない」


「うーん?父さん達に挑戦したいのかな?」


「ん?挑戦だとう?あのじいさんがか?」


「嘗て、学園長の魔力量は5億あったみたいなんだよ。けど、今の学園長の魔力量は1億も無い」


 魔力は、筋肉と同じで鍛えておかないと年齢とともに段々と衰えて行く。


「確かにな。見た感じそんなに無かったな?そんな状態で俺に挑戦は無謀だな?」


「と言うかさ、俺が本気でかかっても、父さんは小指一本であしらえるだろう?」


 はっきり言って、父さん達の魔力量の上限値が判らない。底が見えない。


「そうだな?出来るな」


「だろう?人間なんか束になっても敵わない」


「そうだな」


「なのに学園長は、父さん達を挑発している」


「あー。この話は、昔、聴いた話だがな?その5億あったの時の学園長の呼び名は、神界に一番近い人間。略して、神人かみびとと呼ばれていたんだ」


 と、ステラ先生が言った。


「神人ですか?」


「そうみたいだ。そして、当時、この王国の支援もあり、生身で神界に行くという実験をしたらしいんだ」


「ほう?何故、行こうと?」


 父さんは先生に威圧をかける。


「と、当時、行って帰って来るだけでも、名誉な事だったらしいですが、私も産まれる前なので、詳しい事は良く判らないです。そして、実験結果は失敗に終わった……更に、この実験で何人かの犠牲者を出したらしい」


「なるほどな?それで、あのじいさんは俺に神界に行く方法を聴いたのか?」


「ですね?学園長は、父さんに挑みたいのだと思いますね?だから、敢えて、リクをC組とこの先生に言ったのだと思いますよ?確実に私達に伝わるようにね」


「あのな?俺は誰からの挑戦を受け入れいないし、どこかのゲームの格闘家みたいに挑戦を受けている訳でもないんだよ!」


「ああ、俺、結構やったなそのゲーム。キャッチフレーズは『俺は俺より強い奴を探しに行く!』だっけな?」


 はぁー。おそらく当時の学園長達は苦労して行けなかったのに、俺は簡単に行って帰って来たからな。学園長は、俺の話を聴いて、余程、魂が抜ける程にショックだっただろうな。で、更にとどめが神聖王の子供だからな?


「今の王国でも、規模は小さいですが、生身で神界に行く研究を続けていますが、この研究は無意味ですね?」


「ああ、無意味だな。生きた人間は絶対に行けられない」


「私がそうしていますから」


 父さん達は言い切った。


「そうですよね?聖から聴きましたから、陛下も近く中止の沙汰が出ると思います」


「そうしろ、生きた人間が神界に行っても良いことはない」


「分かりました」


「あ、あの?先ほどから、何を話しているのですか?まるで、あなた達は神様か何かとてつもなく偉い方々のように振る舞っていますが?」


 料理長が質問した。

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