女として初めてお風呂に入る
俺はリリカさんの案内で、マリアの部屋に行き、マリアが部屋に行ってからの今までの経緯を話した。
「…………という訳よ。聖はこのウチの養子になって、マリアのお姉ちゃんになるわ」
「本当?聖さんは私のお姉ちゃんになってくれるの?」
「ああ、そうだ。俺は行くところもないしな。それに、この喋り方も学園が再開するまでには直さないとな。だから、マリアさんが教えてくれ」
「うん、分かったわお姉ちゃん。私は嬉しいわ」
ニコニコ顔になった。
「でね?聖もお風呂に入らないといけないでしょう?それも当分はマリアが教えて欲しいのよ」
「え?良いの?一緒に入れるのはもっと先の事だと思ったわ」
「俺は今日、女になったばかりだ。女の裸を見られないんだ…………だから………」
「ああ、なるほどね?私がお姉ちゃんのお手伝いをすれば良いのね?」
「そういう事よ。聖は自分の裸とマリアの裸がまともに見られないのよ。体もまともに洗えないでしょう?」
「そうだね。任せて、しっかりと洗ってあげるからね?早速、行きましょう」
マリアは俺の手を引っ張る。
「ああ、ちょっと!?」
「いってらっしゃい」
リリカさんに見送られ、お風呂場に行く。一般的なお風呂場だ。でも、どうやって水を湯にしているんだろう?
「ねぇ?マリアさん?脱ぐ前に質問。お湯ってどうなっているの?」
「ああ、魔道鉱石を加工しているのよ。温かいお湯と冷たい水を専用の魔道鉱石のパイプに通しているのよ。王都では当たり前なのよ。ほら」
両方の蛇口を捻るとお湯と水が出ていた。
「なるほどね?国が管理をしているんだな?って!?ま、マリアさん!!下を脱がさないで!!」
所詮はジャージだからな。直ぐに脱がせるな。
「えーっ?簡単に脱がせるからね?それに可愛いパンツだわ」
「えっ?あっ!?このパンツは…………」
幼女が穿くようなパンツ柄だった。あの幼女神は、俺をどこまでも………あっ!まさか、ブラも!?慌てて、上のジャージも脱ぐが…………普通のブラだったが、鏡越しから『(ボクのお宝)ミカちゃんのブラ』と、書いてあり、そのブラがベローンとズレれた。自分の胸がまる見えだ目を瞑る余裕さえなかった。なんとジャージでブラを支えていた。
ミカエルさんと俺の胸の大きさが見たって違う!!完全に着させれば良いという考え方だ!!
「…………もうイヤ!あの幼女神!!」
この怒りはどこにぶつければ良いんだよ!!
足から体が崩れ落ちた。
「な、なんて言うか…………言葉が無いわ……」
マリアも俺に同情していた。
それでも、なんとかお風呂に入り、マリアが俺の体を洗ってくれた。
「へぇーそうなんだ?お姉ちゃんの世界にもお風呂があるんだね?だから、お風呂の入り方を知っていたんだ?」
「まあね」
あのトラブルがあって、少し吹っ切れた。まともに自分の裸を見てしまったからだ。まあ、一言で言えば他人の裸だ。これが自分の裸とは思えなかったなぁ。でも、もう俺はこの体で生きていかないといけないんだな。
目を瞑りながら思った。
「お姉ちゃん、洗えたよー!後は」
ジャバー!!
お湯で流してくれた。
「ありがとう、マリアさん」
「うん……お姉ちゃん?私の事はマリアで良いわ。私はお姉ちゃんの妹だからね?さん、なんて呼ばれると、他人みたい」
「分かったよ。マリア、体を洗ってくれてありがとう」
改めて、お礼を言う。
「うん!」
マリアは自分の裸を洗い。一緒に湯船に浸かった。
「私、姉妹でお風呂に入るのが夢だったのよ。まさか、今日、叶うとは思わなかったわ」
「リリカさんも言っていたが、そうだったんだな」
「そうだよ。けど、ママにもさん付けと名前なの?」
「あのね?まだ、養子にもなっていないのよ?それに俺達は出会ったばかりだ。それでいきなり、リリカさんをママとはまだ呼べないよ。せめて、養子が成立するまではな」
「そうなの?」
「そうだよ。マリアが俺と逆の立場を考えれば解るよ」
「あっ!」
気が付いたようだな?
「そういう事だな。相手の好意と分かっていても、どうしても、人間は遠慮をしてしまうのさ」
「そうだね?ごめんなさい。私、気付かないで……」
「良いよ。マリアも俺を気を使っているのだろう?普通に接して欲しいと?」
「うん。家族のように接して欲しいわ」
「それは時間が解決するよ。俺も段々とマリア達に慣れていくだろうしな?」
「そうだね?もう出よう」
「あ、ああ……そういえば、俺の下着や服が………」
「大丈夫だよ。ウチはギルドだから、何らかの事態に備えて予備の下着や服があるのよ」
俺達は風呂から出た。
「やっぱりあったわ。ママが用意してくれたわ。はい、これはパンツよ」
マリアが手渡して、自分で穿く、その位しないとな。しかし、問題はブラだ、ブラは意外と付け方が難しい、馴れないと、胸の形が崩れるらしいが?
うーん?前に寄せてあげてというブラのCMもあったが、それで良いのかな?
マリアにも手伝って貰い悪戦苦闘でブラを付けた。