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月の恋人 ―狼―  作者: 楓 海
5/20

お布団

 読んで戴けたら倖せです。

「どうしよう........」


 逢魏都は押し入れに向かって腕を組み考え込んでいた。


「どうしたの? 」


 逢魏都はアシュラを振り返ると言った。


「誰かが来るなんて考えもしなかったから、お布団一組しか無いのよね」


「それが、どうかしたの? 」


 逢魏都はアシュラに向き直った。


「大問題だよ

 あなた何に寝るのよ」


 アシュラは言った。


「別にストーブの傍で、この毛布にくるまって寝ればいいんじゃない? 」


 逢魏都はとんでもないと云うように言った。


「春とは言え夜は冷えるよ

 裸に毛布一枚はちょっと無謀じゃない? 」


「じゃあ、どうするのさ? 」


「だから、困ってるんじゃない」


「あ........」


 アシュラは疑いの目で逢魏都を見た。


「いやらしいこと想像してるんだろ

 やだなあ、おばさんは考える事が露骨で」


 逢魏都は腰に手を当て抗議した。


「いやらしいこと想像してるのはそっちでしょ! 」


「大丈夫だよ、ボクにも選ぶ権利はあるからね」


「失礼ねえ」


 逢魏都は眉間に皺を寄せた。


「あ、やっぱりいやらしいこと想像してたんだ」


「殴るよ」


「こわー......」


 逢魏都は取り敢えず布団を敷くとキッチンからフライパンを持って来て枕元に置いた。


「これでよしっと」


 アシュラは片眉を上げた。


「なに、このフライパンは.......? 」


「あなたが変な事してきたら、これで殴るの」


「信用無いなあ、人間扱いしてない癖に

 だいたい、ボクにも選ぶ権利あるって言ったろ」


「いま、殴ろうか」


 逢魏都はフライパンを構えた。


「どっちだよ!?

 やらしい事して欲しいの? 」


「やっぱり、足腰たたないように今殴っておく

 その方が安心」


 アシュラは深いため息をついた。


「いいよ、ストーブの傍で寝るから

 寝返りうっただけでフライパンの餌食になるの嫌だもん

 もう一枚毛布とか無いの? 」


「あるけどお」


 アシュラは毛布を受け取るとストーブの傍に二枚の毛布を被って横になった。


 逢魏都は寝室の戸口に立ってアシュラを見て言った。


「本当に大丈夫? 」


 アシュラは頭を上げて微笑んだ。


「気になる?

 そうだよね、同じ屋根の下にこんな美少年が全裸で寝てたら気になっちゃうよね」


 逢魏都は目を丸くした。


「うわあ、自分のこと美少年って言っちゃうんだ! 」


「当然、目に見えるものは素直に信じないと、こんな状況受け入れられない」


「ちょっと違う気もするけど......」


 アシュラは笑った。


「長年狼やってたら、寝る場所に贅沢言ってられない」


「なるほど」


 逢魏都は肩をすくめ、布団に入った。


 一人で眠ることに慣れきっていた二人は、お互いの存在が気になって中々寝付かれなかった。


 アシュラが痺れを切らして言った。


「ねえ、寝ちゃった? 」


 アシュラに背を向けてなんとか眠ろうとしていた逢魏都は目を開けた。


 逢魏都は一瞬戸惑ったが間を置いて答えた。


「ううん、寝てないよ」


 アシュラは微笑んだ。


「ねえ、コミ障って子供の時からなの? 」


「.................ワタシ

 子供の時から大人に可愛がられた事無かったんだ

 むしろ大人は子供を虐めるものなんだって信じてた」


「そんなに、理不尽な事あったの? 」


 逢魏都は寝室のカーテンをみながら言った。


「いっぱいあった

 挙げたら切りが無いくらい.......」


「どんなこと? 」


 薪が燃えながら弾ける音がした。


「父の再婚相手に嫌がらせされたり.......

 明らかにワタシの立場が悪くなる事を父に言われて、父はその再婚相手のご機嫌が大事だったから、ワタシの言う事、信じてさえくれなかった

 だから、大人がとても怖かった」


 逢魏都は寝返りを打ってアシュラの居る方の壁に向いた。


「学生の時から影薄いせいか、いつも独人(ひとり)

 ワタシ頭悪いから、そんないい大学とか行けなかったの

 就職しても、有名大学出たって言う後輩にいいように使われて.......

 

 気に入った仕事だけしてたら、そりゃ仕事できる様に見えるって」


 逢魏都は小さく笑った。


「揚げ句、その後輩のミス、ワタシのせいにされて会社に居られなくなった

 上司はそれ知ってて見ない振りしたの


 ほとほと人間が嫌になっちゃった

 だから、みーんな捨ててここに来たの

 人との関係が最小限で生きられると思って


 でも、笑えるレベルくらいには、この村の人たちは凄くお節介でワタシに構って来るんだ

 ここの人たちは優しくて、暖かい」


 アシュラは笑みをこぼして言った。


「良かった、救いがあって」


 逢魏都はクスッと笑った。


「あなた、わりといい奴だね」


「ボクはいい奴だよ

 少なくとも性格ブスになるような有名大学には行ってないし」


 逢魏都は吹き出した。


「性格ブス? 」


「違うの?

 聞いてたら、そう感じたんだけど」


「確かに」


 逢魏都とアシュラは笑い出した。


「そうだ!

 明日しぼりたてのホットミルクご馳走してあげる」


「濃くて、美味しそうだね」


「やっと、上手くしぼれるようになったんだよね」


「へーえ、楽しみだな........」


 それから二人は他愛ない話を空が白むまで話した。










 読んで戴き有り難うございます。

 最初、遊んで書いてたりしたので、今回進展無くてすみません。


 やっとRazorの二枚目のライヴDVD買いました。

 観ました。

 なんか、初っぱなからテンション高いなあと思って観ていたら、ドラムのてっちが脱退決まってたみたいで、なんとも言えないライヴでした。


 この間、YouTubeで最新のライヴ観たのですが、ミキシングが酷くて、折角のニッキーくんのドラムが奥に引っ込んでて残念でした。

 いい曲だったんですけどねえ。

 勿体なかったです。


 コロナの影響で無観客ライヴでした。


 DIAURAのENVIと言うシングル買う時、AタイプとBタイプあってAタイプにはプロモーションヴィデオのDVD付いていて、BタイプにはライヴDVD付いていたんですね。


 プロモーションヴィデオはYouTubeでも観られるからBタイプのライヴDVDの方買ったんです。

 達也さんのお美しいお姿いっぱい観られて良かったんですけど、YouTubeでプロモーションヴィデオ観たら、な、なんと悩殺セクシー目線の達也さん❗

 くーう、Aタイプ買えば良かった。(TT)


 YouTubeで、プロモーションヴィデオ観ると画質が悪くて、折角の達也さんの悩殺セクシー目線、クリアヴィジョンで観れないのは哀しいです。

 買って観なさいって事なんでしょうかね。

 シビアー。


 達也さん、美しさばかり褒めてますが、ドラムもステキなんです。

 曲が最大限ドラマチックに聞こえてしまう、カッコいいドラミングが魅力的。

 真面目な人で最近はドラムを基礎から勉強してるようです。


 凄くおおらかな方で、笑う顔がめちゃくそ可愛い。

 達也さんは最初からのDIAURAのオリジナルメンバーじゃ無くて、途中から加入したんです。

 と言っても、加入してもう6、7年くらいになります。


 加入して直ぐに、大失敗したらしくてヴォーカルのYo-kaさんをキレさせたらしいのですが、達也さんてひた向きで一生懸命さが評価されて、Your Firedにはならず、今に至ってます。

 良かった良かった。( *´艸)


 DIAURAもコロナ応援ライヴ、YouTubeにアップしてました。

 DIAURAって本当に愚民(ファン)の事、大事にするバンドで毎年9月3日は愚民の日と言ってライヴやってくれたり。

 ファンサービス旺盛なバンドです。


 あはは、ついついのろけてしまいました。( *´艸`)

 




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― 新着の感想 ―
[一言] 暖かい描写ですね…そしてアギトさん、かなり苦労したようで…ぼくもアギトさんとほぼ同じ理由で人間は大嫌いなので、アギトさんの気持ちがわかる気がします。
2022/12/21 20:47 退会済み
管理
[良い点] 二人のやりとりが良いですね!! 私もおもしろカワイイ会話が好きです。 [一言] 後書きが本編よりも気合入っているレベルです!!
[一言] なんやかやで仲良しで、このままいけばいいですけど。
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