家族なんだよ
読んで下されば、嬉しいです。
どれくらい時が過ぎただろうか。
ずっと沈黙していたアシュラが言った。
「逢魏都.......
ごめん.......」
アシュラは逢魏都の頬に額を擦り付けた。
「これ以上、ボクが逢魏都の傍に居たら、逢魏都に哀しい想いをさせちゃうみたいだ......」
逢魏都は顔を上げて、泣き腫らした目でアシュラの顔を覗き込んだ。
アシュラは哀しそうな表情を隠そうともせず、逢魏都を見詰め返していた
逢魏都はしゃくりあげながら言った。
「嫌だからね」
「逢魏都.......」
「アシュラは何も悪く無い
悪く無いのに、離ればなれになるなんて嫌だからね
アシュラはもう、ワタシの家族なんだよ
離ればなれになるなんて、おかしいよ」
「でも、逢魏都に迷惑........」
逢魏都はアシュラの言葉を遮るように、アシュラを抱き締めた。
「死んだお母さんが言ってた
家族は一緒に居るから倖せなんだって
辛い事が在っても、哀しい事が在っても一緒に居たら乗り越えられるって言ってた
アシュラは家族だよ
大事な大事な家族だよ
こんな哀しい別れ方したくないよ」
「逢魏都........」
アシュラは逢魏都の頬に頬擦りした。
逢魏都はアシュラから身体を離すと、手で子供のように涙を拭った。
「そうだ.........
天ぷら作らなきゃ........
アシュラも楽しみでしょ? 」
逢魏都はくしゃくしゃな顔で微笑んだ。
アシュラはそんな逢魏都の顔を暫く見詰め言った。
「わ、ひでえ顔」
逢魏都はしゃくりあげながら問答無用でアシュラの頭にげんこつをお見舞いした。
「酷いよ、素直な感想を述べただけなのにい」
「もう一発お見舞いしようか」
逢魏都は顔の横に、握った手を掲げた。
「可愛い!
可愛いよ!
そんな逢魏都が可愛いって思ってるってばあ! 」
アシュラは態勢を低くして目を瞑った。
逢魏都は頬を紅く染めて、微笑んでアシュラの額をこつんと優しく小突いた。
「莫迦..........」
読んで戴き、有り難うございます。
昨日は死ぬほど忙しくて、再起不能になってました。
今日、投稿できるかと言う危機でして。笑
なんとか投稿できて、ホッとしてます。
今、初のハイファンタジーを構想中です。
私が考えるファンタジーなので、流行りに全く添ったものじゃないです。笑
着手は何時になるか解らないですが、近い内に書きたいなあ、と期待に胸膨らませています。




