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II

「モデルの話、詳しく聞かせて。」


ちょっといじめすぎたか、丹生くんはすっかり憔悴した感じで、もはや涙目に見えた。


「フリとかポーズだけでいいんだよね。相手ってプロの人なの? まさかその、本当にそっちの人じゃないよね。」


最後は嘆願口調。どうやら混乱させちゃったみたい。私だってそこまで酷じゃないんだから。


「あのね、私がモデルになってほしいのは丹生くんだけなの。誰かと二人一組にする予定はないわ。」


丹生くんは目に見えてホッとしていた。もうちょっと焦らしてあげてもよかったかも。


「でもせっかくだから誰か探しましょうか」


「わああああ」


丹生くんの高い声が朝の教室に響く。完全に涙目だ。


「冗談よ。」


「びっくりしたよ、もう」


可愛い耳が真っ赤になってる。これ楽しい。


「時々私の部屋に来てもらって、ちょっとポーズをとってもらったりすればいいの。」


「それって、その、は、はだかで?」


そんなチワワみたいな目で見られても困っちゃうでしょう。


「全部脱げとは言わないわ。どうせプールがあるんだし、水着とかならいいでしょ。」


私が見たいのは本当は体じゃなくて丹生くんの恥じらう表情なんだけど、そんなことを言ったらますます嫌がられるのでやめておく。


「ううん、でもなあ。わざわざ、、、ぐの、、、恥ずかしいし、、、」


逡巡してる、もうひと押し。


「あのね、丹生くん。あなたが流されやすいのは、その優柔不断な態度が原因だと思うの。」


「それは、そうかもしれないけど、、、」


「いい、はいかいいえで答えて。あなたは押しに弱い自分を変えたいのよね。」


「はい。」


「あなたは私に秘密を守ってもらいたいの?」


「はい。」


「と言うことは当然モデルになってくれるんでしょう」


「は、はい。」


丹生くんは今日も流されてるけど、私は可愛いモデルをゲットした。


「では契約成立ね。あの件については何も言わないわ。」


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