success
前話の最後の膨らんだものと縮んだものを当てれた方は、かなりの小説推理力があります。
まあ、この小説を最初から読まないとわからないので当たらなくても仕方ありませんが、、
翌日ついに、最終面接だった。
スーツを着て鏡を覗くとスーツを着た立派な社会人がそこにはいた。
何を聞かれるんだろうか、そんな一抹の不安を胸にいつもの電車に乗り込んだ。
するとまた青山紳助から電話があった。
しかし電車の中だった為取れず、降りたあと折り返しの電話をしようか迷ったものだが時計を見ると12時に集合なのだが11時30分を指していた為電話は面接の後にしようと思いポケットを膨らませた。
そしていざ面接会場に着くと初めの面接の時は100人いた就職活動生はついに10人になっていた。
「おはようございます」
「おはようございます」
帰ってくる返事は心なしか感情的なものになっていた。
「松本千賀子さん」
「竹本拓真さん」
まだ呼ばれない。
「佐々木一郎さん」
「小林明日香さん」
「はい!」
遂に呼ばれた。
そして咄嗟に遂に始まる最後の面接を前に神様に祈った、お願いします私を受からしてください。
ちなみに私は無宗教だ。
「失礼します」
「どうぞ」
ドアを開けて驚いた、てっきり個人面接かと思ったがそこには先程までに呼ばれた就活生も円卓を囲んで触っていたのだ。
「あのー、どこに座れば?」
「どこでもいいですよ。」
こういう場のどこでもいい程迷うものはない、仕方なく就活生の右隣に座った。
そして待つ事10分、残りの6人もこの部屋に入り円卓の一番ドアから遠い場所に常務の田中さんがいて、その他の全ての席に就活生が座るという歪な光景を作った。
重い空気の中口火を切ったのは勿論田中さんだった。
「皆さまここまで長い面接をよく頑張りました。最後は皆様にここで2時間話し合っていただきます。勿論お題に沿ってですよ。そのお題はこれです」
バンと張り出されたのは和紙に書かれた文字だった。弊行の駄目なところという文字だった。
「では、私はここで失礼します。」
バタンという音ともに常務が消えると、静寂が訪れた。
皆、何か言わなければならない、その様な思いは有るがお題がお題だけに一言目をいいづらい。
「あのー、」
意を決して私は話し始めた。
「取り敢えず自己紹介しません?」
「いいですね。」
良かった。無視されるかと思った。
「私からしますね、私の名前は小林明日香です。趣味は」
趣味ってなんなんだろう、この時ふと思った。
勿論、音楽だって聞くし、本だって読む、サッカーも好きだし、犬の散歩も好きだ。
ただ、これらはかなり押しの弱いものになる。
「趣味は円相場や株相場などを見る事です、よろしくお願いします」
嘘ではない嘘ではないのだが、、
次は私の右隣の人だった。
「私の名前は高橋正二です。趣味は海外旅行です。」
「私の名前は南加奈です。趣味は楽器を作る事です。」
そうやって私以外の9人の自己紹介が終わった。
さて、どうしようかと迷っていると、私の左隣に座っている佐々木一郎さんがトークを始めた。
「私は、この銀行に不満を一切抱いていません。なので、悪いところなんか出ませんので皆さんもご一緒に良いところをはなしあいませんか?」
一瞬耳を疑った、この話にのらない事が出来る雰囲気ではない。
ここで断ってしまうと、この銀行に不満を抱いている様になってしまう。
勿論、皆は一同に賛成と答えた。
しかし、私は