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私は誰?  作者: たく
明日香
2/9

ignore

次の日、朝起きると携帯に電話が来てた。

昨日行った企業からの電話だった

怖いなーと思いながらも通話のボタンを押した

「はい、もしもしkcf銀行です」

「あのー、御行よりご連絡いただきましたので折り返し電話をさしていただきました、天音大学の小林明日香です」

「あ、折り返しの電話ありがとうございます、只今人事のモノと変わりますね」

保留音のエリーゼのためにが流れた

幾分待っただろう、実はほんの1分なのかもしれないが明日香には永遠に感じられた

「お電話変わりました、人事の斉藤です、昨日はどうもお越しいただき誠にありがとうございました」

「あ、こちらこそお招きいただきありがとうございました!」

「どうもご丁寧に、本日お電話を差し上げたのは是非とも明日香様に次の選考に進んでいただく存じた為です」

「え、本当ですか?ありがとうございます!」

「いえいえ、詳細はメールにておしらせしますね」

「はい!お電話ありがとうございました!」

「頑張ってね、失礼します」

「失礼します」

電話を切るや否や明日香は犬に向かってすぐにこういった。

「やれば出来るんだよ、私にだって」

例に習って尻尾を振っていた


その後、大学に行くと周りのものが全く違って見えた。

あの赤い門はあんなに赤かったんだ、自転車ってこんなに止まっているんだ、といった些細なことだが全てが新鮮に見えた。

そんな時、拓海がやって来た

「よ、気分よささうだな」

「まあねー、私にだっていいことの一つや二つははあるんだよ」

少し拓海の顔が曇ったが気にせず教室に向かった。

「おはよう!」

「おはよう!」

智恵美がそこにはいた。

「今日はテストだよねー」

智恵美の言ったことが一瞬理解できなかったが、すぐに耳から頭へと伝播した。

そうだ、今日は経済論のテストだった。

経済論は金融論程は難しくは無いのだが、だからこそ周りの人たちは予習をテスト前にしてくる、その結果相対評価の為単位を取るのがかなり難しくなるのだ。

「智恵美、テストは何限目だっけ?」

顔を引きつらせながら聞いてみた

「5限目よ」

「よかった!まだ二限目だから時間はあるね!」

「そうだね、頑張ってー」

心無い返事は無視してすぐに図書館へと向かった。


6月というのに、この暑さはなんだろうそんなことを思いながら学内を歩いていると

「すみません、そこの人ー」

何?と思ってみるとサークルの勧誘だったが、あえてわからないふりをして尋ねてみた

「はい、どうかしましたか?」

「いやー、私たち古墳巡回サークルなんですけどー」

出た、と思った。

こういうわけがわからないサークルを作って、要は出会いが欲しいだけなのだ。

男女の交流こそが目的で、古墳なんて全く興味がない。

高尚な古墳にたとえ行ったとしても、あの古墳きれいですねー、あなたの方がきれいですけどー。

なんて告白文句が飛ぶに違いない。

そうは思いながらも、誘ってくれるってことは多少魅力があるってことなのかしらなんて思っていると

「あのー、話聞いてます?」

「勿論聞いてますよ、ただ私は4回生なのですぐに抜けることになりますが、、、」

「全然そんなのは構いません!!ちょっとお時間くださいね!」

こう言われ半ば強制的にサークル室に連れていかれた。

「みんな、サークルを見学したいって人が来たよ」

話を捏造するなと一言心の中でツッコミを入れた。

「始めまして、小林明日香と申します」

簡単な挨拶だけすると、

「かわいいー、俺タイプだよ」

とか下品な言葉が聞こえて来た、その時初めて周りを見渡すとあまり冴えないが声の大きそうな男の人や、化粧で顔を作った女性ばかりだった。

自分で言うのは何だが、私は顔は可愛い方だ、よく昔からバレンタインの日を待ちわびたものだった。

バレンタインの日はいつもより少しだけ大き目のカバンを持って行った。

あまり背は高い方ではないのでその何ともアンバランスさが今となっては滑稽だが。

「どうですか?今からトランプでもしますか?」

いかにもリーダーみたいな人に言われたが、勉強があるのでまた今度、そう言ってその部屋を出た。

なぜ付いて行ったんだろう?


そんな疑問は自分自身で抱きながら。



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