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ライバル  作者: 宮澤花
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8 もう一度向かい合う -4-

「だからな、約束を果たしに来たのだ。お前は、私が注文した以上のことをした。だったら私も応えねばなるまい。私の力で叶うか分からないが、お前が道を求めるのならそれを探す手伝いをしよう」


「え……」

 ツボタは雨の中で、驚いた顔のままでこちらを見返している。

「でも。どうやって?」


 それは疑念に満ちた声。そして、不安そうな声だった。


「そうだな」

 先生はゆっくりと言った。

「まずはお前が何に迷っているのか、そこから始めるべきだろう。お前の言いたいこと、心に溜まっていることを聞こう。好きなように話すといい」


「僕の……」

 ヤツは呟いて、そこで言葉を止める。血管が浮き上がるほど強く、拳が握りしめられる。

「僕の話なんて聞いたって何になる? そんなことで何も変わりはしないよ」


「さあ、そうかな」

 先生は穏やかな調子のまま答えた。

「話してみなければ分からないのではないのか?」


「僕の話なんか聞いたって何にもならない」

 ヤツは繰り返した。

「何も戻らないし、何も蘇らない。無意味だ」


「それでもかまわん」

 先生は言った。

「話しなさい」


 ヤツはしばらく黙っていた。

 それから何かに負けたように、ぽつりぽつりと語り始めた。


 雨の中、打ち据えられたようにうつむいたままで。



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