ペンダント
今回は少し長めにしてみました!!
ー放課後ーその日は授業が5限までだった。
教科書やノートを学校指定のカバンに押し込んでいると、
「柊君いますか?」
と教室のドアの方から声がした。
行ってみると、背の低い小柄な女子が立っていた。
髪はポニーテールに束ねてあり、すっきりとしていて清潔そうな雰囲気だ。
制服の着こなしに気をつけているのがよく分かる。
「えっと・・・たしか1-Cの・・」
曖昧に答えていると、
「佐原 文香です」
と彼女は答えた。
「佐原さんってバレー部?」
蒼太が会話に割り込んできて言った。
「・・はい、そうです」
佐原文香は顔を赤らめて言った。どうやら彼女は照れ屋らしい。しばらくして、二人は話し始めた。
この人も蒼太のことが好きなのか…俺は最初は二人が話しているのを見て、
そう思った。
でも、彼女は俺に用があると言った。一体何の用だろうか。
「…おっと。佐原さん、蓮真に用事があるって言ったか。
ごめんごめん。」
蒼太は舌をぺろっと出して笑った。
「いえ、大丈夫です。」
「じゃあ。部活がんばれ。…あっ、ちなみに蓮真には気をつけた方がいいぜ。
こいつ女子慣れしてないから何するか分かんないし」
「おいっ、それは余計だよ!!」
しまった。つい怒鳴ってしまった。
クラスのみんなが驚いてこちらを見ていた。佐原文香も驚いているようだった。蒼太は…というとニヤニヤと俺を見て笑っている。
「はっはっはっは。相変わらずだな。じゃっ。先部活行ってるぜ☆」
と言いながらヤツはグラウンドへ向かっていった。
相変わらずなのはどっちだよ、ったく。
しかし、彼女ー佐原文香はクスクスと笑っていた。
「すみません。二人のやりとりを見ていると、おもしろくて。
あっ……それはさておき柊君、実はこれを渡したくて。」
「……?」
それは星の形をしたペンダントだった。
「なぜ、俺にこれを?」
佐原文香とは接点も全くなかったのに。
「それを常に持っていてください。
きっと役に立ちますから。」
そう言うと彼女は去っていった。
「……???」
星のペンダントはまばゆいほどの銀色の光をはなち続けていた…
まだまだ続く!
次回おたのしみに^^