暗殺理由
あれから数時間後。
俺らは何度も何度も練習するうちに…
「やるな…お前。」
「お前もな。」
最強のコンビとなっていた。
俺は当然だが…
魔冬もなかなかやる女だった。
「暗藤。殺騎。少し休憩しろ。」
教官に言われ、渋々練習をやめる俺ら。
最初の休憩した場所に行き…腰を下ろす。
俺は気になったことを魔冬に聞いた。
「お前さ…なんで女なのに暗殺者やってんだ?」
すると魔冬は少し間を置いて
「殺したい奴がいるから。」
「え?」
俺は思わず聞き返してしまった。
そして…魔冬の顔をのぞく。
魔冬は…
離れていてもわかるほど…
殺気を出していた。
「オイ…どうした…?」
俺が声をかけると我に返ったのか殺気も消えた。
「あ…ごめん。」
魔冬は謝るとそのまま黙ってしまった。
暗殺者になったのは…
深い理由があるようだった。
殺したい奴って…
一体どんな奴なんだ…??
そんなことを考えていると…
「集合!!」
という教官の声が聞こえてきた。
「行くぞ。魔冬。」
俺はまだぼーっとしてる魔冬に声をかける。
「うん…」
魔冬はふらっと立ち上がって教官の元へと走った。
教官は俺らを集めると伝えた。
「今から、実技を行う!!」
教官は、はっきりと、そう言ったのだったー。