魔冬
マジか…
俺…
女のことをずっと男だと思ってたのか…!!
「…お前、まさか…俺が女だってことを…」
「え?知ってたぜ?いや~いきなり何を言い出すかと思ったらそんなことか~」
俺は苦しい言い訳をしてごまかす。
「…ふっ。まぁいい。」
は…
鼻で笑われた…!!
「俺らも早く始めようぜ。千鬼。」
「ああ。わかったぜ。殺…」
「俺のことは魔冬でいい。」
「あ?あ…ああ。わかった。」
こうして俺らの共同暗殺はまたスタートした。
思い違いか、なんだか魔冬の動きが早くなった気がする。
身のこなしも鮮やかだ。
そして…俺のフォローもちゃんとできてる。
さっきとは…全然違う。
さっきの休憩時間に一体…?
「オイ!!何ぼけっとしてるんだ、暗藤!!」
教官が俺を見てさけぶ。
俺はめんどくさいなぁと思いながら教官をチラッと見ると
「すいませんでしたー」
と棒読みで謝り行動に移った。
「態度が悪いぞ!!暗藤!!!」
教官はかなりいらついてるようだ。
…そんなの知らねぇけど。
俺は…
魔冬の足手まといになるだけはごめんだ。
フォローされるなんてもってのほか。
どうせなら…
「俺がフォローに回ってやる…!!」
俺はそう言うと魔冬の元へと向かった。