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恋愛系(7)
「僕等は人間とは違うんだよ?」
そう言った彼はとても寂しそうな顔をしていた。
「私達は人間には理解されないの・・・。」
そう言った彼女は儚げに微笑んだ。
「俺達はお前達に迫害されてきたんだ!」
そう言ったあの子は憎しみの目を向けてきた。
わたしは・・・人間だった。
彼と違い、彼女達を理解できず、あの子達を迫害してきた人間。わたしはその種族だった。
彼等は人間に見えた。けれど、彼等は違うと言う。
人間よりも長く生き、飛ぶこともできるという。
わたしは彼と共にいることさえ許されなかった。
わたしが彼等の敵である人間という種族だったから・・・。
僕は少女を愛していた。人間の少女を・・・。
僕等の敵を、憎むべき種族を愛した僕は・・・罪人となったのだった。
報われなかった人間の少女と吸血鬼の青年の話でした。