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恋愛系(2)
家にいると憂鬱な気持ちになる。私はそんな子供だった。反抗期のようなものだったと今では思えるけれど、その時の私はとても不器用で理解できなかった。
家族とも上手く話せなくなった私を救ったのは私と同じ年頃の男の子だった。
彼はいつも病院のベットで寝ているか、車椅子で散歩していた。彼と出会ったのは、偶然だった。
あの日、彼がさんぽしてなかったら、私が外に出ていなかったら、子猫が捨てられてなかったら、きっと私は彼と出会えてなかった。だから私は、今ではそんな偶然に感謝しているのだ。
彼は事故で歩けなくなってしまっただと病院の人が教えてくれた。その上治る見込みのない病を患っているのだとも・・・。
それでも、彼は病気だと思えないほど希望を持っていた。穏やかで優しい彼に私はとても惹かれていたのだった。