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絵描きの少年

 命をかけて絵を描き続けた少年の話。

 少年は絵が好きだった。だから絵を描き続けた。

 絵を愛していた。少年には絵しかなかったから。

それ以外を持たなかったし、持てなかった。

 少年は絵を描くことにのみ、命を燃やした。

記憶を失っても、少年の身体は覚えていた。絵を描き続けることを。

 少年は美しい天使も醜悪な悪魔も醜悪な天使も美しい悪魔も描き続けた。

どんな酷い光景でも醜いことでも、少年は描き続けた。

 命を賭して描いた少年の絵は人の心に届くものだった。

 そして、少年は最後の最期に『家族』というタイトルの絵を残し、たった十八歳で生涯を閉じた。

 それは、家族の温もりを知らない少年の夢であり理想だった。

心からのたった一つの少年の願いだった。

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