魔法研究部のレポート1
この世界は便利に作られている。簡単に海を渡れるし、顔を知らない人と交流(会話)ができる。ただでさえ便利なこの世界に人間はもっと楽を求める。
『魔法ってものは便利なんだろうな』
なんて俺の無意識な呟き。魔法なんて存在しないのにな。
「馬鹿らしい」
自分が今さっき言った呟きに呆れながら俺はPCを閉じた。
「おはよう!我が部唯一男子の碧クン!」
「おはようございます。部長。」
この人は俺の所属している部活の部長の如月りんか先輩。今年で高校3年生の女子。
「おや?元気ないね。どうした?」
「いや、俺はいつも元気ないですけど。」
「そうかな?いつもはかめはめ波でも出しそうなくらい元気だったと思うけど…」
「それ、悟空の間違いじゃないですか?」
「うーん、そうかも」
そんな俺と先輩の会話に割り込んできた2人の少女がいた。
「おはようございます。先輩達」
礼儀正しい大人しそうな少女。この子は後輩の綾瀬ゆい。今年入った新入部員、高校1年生。
「おはよう。碧くん。」
見た目も中身もお姉さんなこの人は俺の同級生の神崎らん。
「おお!今日も全員集合だねっ!」
それに俺、日向蓮。高校2年生。
この女子3人に俺を追加した4人。俺達がフォレスト学園で部員数が1番少ない部、魔法研究部だ。
この部は魔法なんざを信じる馬鹿が集まる部。
高校生になって魔法を信じてるやつなんかいない。だから学園1部員が少ないんだよ…。
なんで魔法研究部?俺は知らねーよ。部長に聞いてくれ。
物置のような存在のこの教室が俺達の部室。誰も近づかないし、入らない。
そんな魔法研究部の活動内容。それは、とりあえず魔法使いのコスプレや、本読んだり、変な呪文唱えたり…。特に魔法っぽいものを一切してない。
「部長、今日はなにするんですか?」
「実は実は!」
「はいはい」
どうせ通販で買った杖でも見せびらかすんでしょ。
「新入部員がいるんだよ!」
「はいは……えええぇぇぇぇ!?」
新入部員!?
「反応遅いよ碧クン!」
「でも、こんな部に新入部員なんて…。」
「いるんだよ!それが!
しかもね!しかもね!」
「なんですか?」
「魔法使いなの!」
「………は?」
なんで魔法使い?いやいや、いるわけないから。
「キミ呟いてたじゃん。○witterで。」
「見たんですか…」
「もちろん!部員のことをちゃんとわかっているのが部長だからね!」
どこで知った!その馬鹿らしいのを!
「ということで入っちゃってー!新入部員ちゃん!」
先輩の台詞とともに入ってきたのは1人の可愛らしい少女だった。