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オープニング

読むだけでは飽き足らず、とうとう妄想の赴くままに執筆を開始。投稿は割と不定期です、少しでもお暇潰しになれば是幸い。


 まどろみの中に落ちてゆく。ゆっくりと何かに飲み込まれてゆくように体が沈む。

あぁこれはいつもの夢だ。歯痒くもどかしい、いつもの・・・


――――――・・・な・・・で・・・


――――――行か・・・いで・・・


 声が聞こえる。誰かが泣いている。伸びてくる手は宙を掴み力無く虚空を彷徨う。

何時もと同じ夢、同じ声、伸ばされる手。何がそんなに悲しいのとその手を掴もうとする。

だが今までも今回も何度手を伸ばしても宙を掻く手に振れる事は叶わなかった。


 耳に響く泣き声は止まらず、ただ胸の奥に小さな棘を残す。

沈んでゆく、どこまでも沈んでゆく。




  「めえぇぇぇぇんっ!」


 スパンッ!という小気味よい音が辺りに響く。『そこまで!』という声が耳に届くと一息つき、目の前の相手に一礼して離れた。

 足を揃えて座りこんだ床はひんやりとして火照った体には心地よく、顔を覆う面を外し横に置くともう一息ついて正面を見据える。


 「有難う御座いましたッ!」


 ここに集まった自分たちは指導員に一礼して声を張り上げる。その後は軽く汗を拭いて着替えればもう帰るだけだ。

 外ではまるで夏の終わりを告げるようなか細い蝉の声が時折聞こえてくる。

騒音のようであったそれは徐々に減り、今ではもう殆どが(なり)を潜めてしまっていた。


 夏の終わりの夕暮れ時、私―――遊佐 織恵(ゆさ おりえ)にとって一生忘れられない、忘れ難い出来事に身を投じる事となる。


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