前传《出生》
北海城のごく普通の家庭に、一人の子供が生まれた。「晨晨、うちの子の名前は何にする?」父親が妻に尋ねた。「子供の名前を決めるのは父親の役目じゃないの?」母親は微笑みながら答えた。
「じゃあ、晓辉晨にしよう。君は晨水冰、俺は晓永天。二人の姓が入っているだろう」と晓永天は笑って答えた。
「でも『辉』は?」と晨水冰が不思議そうに尋ねた。
「俺たちの子供が大きくなったら、輝く瞳のように人を照らし、他の人を明るくできる存在になってほしいんだ」と晓永天は説明した。
「いいわね……」晨水冰の言葉は巨大な爆発音に遮られた。
爆撃で粉々になった瓦礫の中から三人の男が現れ、何かを目指しているようだった。
「晓永天、久しぶりだな」三人が同時に言った。
「唐振天、末今、それにお前……袁」晓永天の表情が緊張した。
「今回はお前が目的じゃない。お前たちが完成させた『光泉』だ!」三人の表情はますます歪んでいった。
「悪いが、あれに一寸たりとも近づけはしない!」晓永天は戦闘態勢を取った。
唐振天たちも負けじと先制攻撃を仕掛ける。
まず末今が「精神の剣」を召喚。半透明の紫色の刃が数本、晓永天に向かって襲いかかる。晓永天は「塵の力・暴風の舞」で無数の塵からなる竜巻を生み出し、攻撃を防ぐ。
紫色の刃の数本は巨大な竜巻に吹き飛ばされ、末今は一瞬驚いたが、すぐに微笑んだ。
実は晓永天が技を放った隙に、唐振天が彼の背後に回り込んでいた。晓永天が気づいた時には、唐振天は口から溶岩と火球を吐き出していた。
火球は晓永天を呑み込まんばかりだったが、晓永天は逆に落ち着き払い、口の中で「散」と一言呟いた。すると彼は無数の肉眼では見えない塵となって消え去った。
間もなく、地面の塵が集まって無傷の晓永天が再現した!
三人は呆気に取られた。場は静まり返った。
その静けさを破ったのは、まだ特殊能力を出していなかった袁だった。「旧友よ。もし18年前にお前が今のように塵の力を扱えていたら、俺の班長の座はお前のものだったかもしれないな」
「そうでもないさ。でも過去は過去、変えられないものだ」晓永天の目つきは次第に穏やかになった。
「しかし、今はお前だけが成長したわけじゃない!」袁の左手に「黒雷付与」が現れた!
晓永天が驚いている間に、袁は電光石火の速さで突進してきた。普通の人間ならとっくに命中していただろう。しかし晓永天には守るべきものがたくさんある。光象、妻、そして息子の晓辉晨!
彼は全身で袁の一撃をかわし、隙を見て「塵の手」を放つ。巨大な手のひらが重く壁に叩きつけられた。塵が舞い散る中、晓永天が手をゆっくりと上げると、塵は一粒残らず彼の体に吸い込まれていった。
晓永天が得意になる間もなく、唐振天が炎を纏い野獣のように襲いかかってきた。
晓永天は拳で迎え撃とうとしたが、いつの間にか背後に回られていた。
反応する間もなく、鋭いピンク色の刃が彼の体を貫いた。炎を纏った唐振天が迫る中、晓永天は最後の賭けに出る!
「神技!」晓永天が叫ぶ。「塵の手・第二段・塵移!」
晓永天と唐振天の位置が入れ替わった!
「末今、気をつけろ!」唐振天は慌てた。
「これは……」末今はこれが人生最後の言葉とは知る由もなかった。
轟音と共に大火災の爆発が晓永天の鼓膜を破らんばかりに響いた。
晓永天はこの結末を予期していたかのように微笑み、ただ何かを呟いた。
「雷霊斬!」遠くから声が聞こえた。袁が戻ってきた!
晓永天は殺気満ちたその一撃を見て、完全に無力だった。
次の瞬間、誰も予想しなかった事態が起きた。もちろん晓永天自身を除いては。
袁の一撃が晓永天の体を貫いた!
晓永天が再び号令をかけると、塵が光波を形作り、袁に向かって飛んでいった。
しかし袁は手を軽く振っただけで、強力な気迫で光波を打ち消した。そして瞬時に晓永天の前に現れる。
「カチッ」という音がして……(伏線を張った。本編開始!)




