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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

キボウタケ

作者: 狂ココア
掲載日:2026/03/27

流血表現あります!

重複投稿です!

江戸時代中期に作成された作者未詳の茸図鑑

がある

それは、茸図鑑と言うよりただ一つの毒茸に

ついての情報を作者が語ったものになってい

る。

其の茸は名をキボウタケと云う。


1人の女は言ったこれを食えばなんでも願い

が叶うだろうと。

1人の男は言ったこれを食えば空腹が満たさ

れる事は永遠にないだろうと。


この書を読んだ者は皆、狂ったように其の茸

を探すらしい、と


「皆その様な嘘を信じていたと?」

白髪の歳の解らぬ男が首を傾げる

色の褪せた青い袴を着た老人とも若人とも言

えような男だ。

「気色の悪い話だ、誰が見書きしたかも解らん

食い物で腹が満たされるのではなく願いが叶

うなどと云う茸を狂った様に探すなど」

独り言は続く

しかし"キボウタケ"か、何かが引っかかる 本

によるとその茸は赤茶色をした細く3cmから


12cm程の物がまとまって生えた茸だ、美味そ

うな不味そうな何とも言えん見た目をしてい

る。

ここあぽうだーとやらがふりかけられたらこ

んな色をしているのだろう。


記録に女と男が言っている言葉

これは恐らく漢字で希望茸、飢乏茸と考えた

のだろう、漢字の当て方でここまで考えが変

わるとは思わなかったが昔の人が考えること

は面白い。

さらに皆狂ったように探したと書いてある、

これからして皆希望茸の方を信じて探したの

だろう。

しかしここまで見つかっていないと解ると俄

然興味が湧く。

どうせ持て余した人生だ、ひとつの茸に身を

任せてみるのはどうだろうか。

それが希望だろうが飢乏だろうがな。


まずは何処から探そうか、茸ってのはじめじ

めしてたら何処にでも生えるのか?…多分生

えるだろう。

まず道端から探そう、道路の脇から生えるも


雑草、すみれ、たんぽぽ、シロツメクサ、

無いな、まるでない、茸はあれどキボウタケ

では無い、もしや筆者の造話ではなかろう

な?

いや、まだ道路しか探していないならば次は

森だ

緑が生い茂ったあんじめじめした場所にな

ら様々な物が生えているだろう。

ザクザクと木の葉を踏む音を立てながら獣道

を行く

あまりにも見つからない、途中で会ったのは

小さな獣達とサルノコシカケだけだ、

あまりにもひもじい収穫。

時間を溶かし過ぎたか町はとうに街灯が付い

ていた

空いていた店でコロッケを買い食べながら家

に帰る

森も道も夜は危険だ、夜は犯罪者の時間、下

手に出歩くと死ぬ事になる。茸探しはまた明

日から再開しよう。


次の日、

今日は公園内を探す、人の居ない鬱屈とする

何処かくらい雰囲気の公園だ、真新しい遊具

の奥は暗い林になってその前にはゴミ山がで

き始めている様な公園。

奥の林へと進み木の根元を注意深く見ながら

歩く、

枯葉の中に違和感を感じてしゃがむ、ドーム

型の

細くしっかりした3〜12cm程度の小さな茸が

まとまり生えていた。

「これが…」

キボウタケだ、確信すると持っていたクッキ

ー缶にしまい家に帰る。

キボウタケ、キボウタケ、希望茸、飢乏茸、

なにか忘れている気がする、なにか大事な事

を、考えながら机の上に茸を並べる。

作者未詳であんな噂が付いて回るレベルの茸

だ毒茸なのに希望を持たれて追われるほどの

だ。

「まあ、食ったところで老いぼれが死ぬ程度

か。」

余計な考えを頭から叩き出すように言い

気が変わらぬうちに口に放り込んだ。

もきゅもきゅと音を立てながら考える、味は

しない強いて云うなら茸の味だ、舌がヒリヒ

リしている、神経毒の類か?細かく噛みゴリ

と呑み込む、いつ頃こいつの毒は効いてくる

だろうか。


さらに考え続ける、手足が痺れてきている、

やはりこいつは神経毒の類だ、希望茸と話し

た人間はきっと幻覚でも見たんだろうな。

飢乏と言った奴は恐らく中毒にでもなって此奴

以外食えなくなったか。

頭や気分がふわふわしてきた、しかし此奴は

希望茸でも飢乏茸でも無いはずだ。

頭がクラクラし、吐き気が増す、目眩が激し

くなる

「ウ”ッ」

変な音を立てて口と鼻からから血が吹き出

す。

頭が混乱する、血も吐かせてくるのか此奴は

目の前が歪みだし、息を上手く吸えず喘ぐ。

そうか、もしそうなら

これは仮説だが一つだけ考えられる事がある

全て作者の仕込んだことだったら?

キボウタケを見つけ面白いと思ったんだろ

う。

作者未詳、しかも片仮名で名前を付け世間に

知らせないまま貪欲な人間にだけ話をしたん

なら?

君の願いを叶えることができる"希望茸"だ

と、囁く様に、禁断の書の真似事だ、麻薬や

らの成分があるとも知らせずに、吐血までさるとなるとさらにタチが悪い。

いよいよ目の前が見えなくなりだし2回目の吐血をする。

仰向けのまま吐いた血は自分の喉と鼻を塞ぎむせる

酸素を吸えず喘ぎ魚の様にぱくぱくと動く口からはさらに血が出る。吐き出された血を顔に浴び、ビクビクと体が震える、息が出来なくなってきた。

寒気を感じるだし生命が終わるのを察するが、それとは逆に悟ったように冷静になった頭で考え続ける

さっきの仮説が作者の思惑通りというのなら、希望を与え貪欲になり希望を奪う、というのが望みだったのなら。此奴は…

血で汚れ開ける事の出来ない瞼の裏で悟る。

詭謀茸

詭謀…騙して、人を陥れようとする計略。

キボウタケ…それはとある人間によって作られた人工茸だ 非常に強い毒を持っており、30分程度で食べた者は手足の痺れ、目眩、幻覚、等の症状が表れ

最悪死に至る場合がある。

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