第1話opening
頭の良い人じゃないと訳分からないと思いますが見てください。
見てってください!!
蛍火
あのとき、お前に出会えた日にも蛍は羨ましいくらいに光輝いていた。
【…もう……良い…
もう良いから……
お願い、逃げて…!】
青みがかった黒髪に銀色の瞳をした少年、ロビン・ディールの頭に過った幼い頃の記憶
それはある少女がロビンに泣きながら語りかけた記憶であった。
「……ビン…!!
ロビン!!」
背後から声がしロビンは後ろを向く。
そこには通常の狼より一回り大きな狼がいた。
「ロビン!!
ここもダメだ!『あいつら』の気配がある」
「………そうか」
狼の言葉に少し間を開けてからそう言ったロビンはしばらくするとこう言った。
「スレア、お前その姿じゃ目立つぞ。」
そのロビンの言葉に狼もといスレアは激しく反論する。
「し、仕方ないだろ!!!
あの格好は恥ずかしいんだ!良いじゃないか!この姿だって……」
「スレア」
ロビンが一言そう言うとスレアは渋々「分かったよ」と言うや否やスレアからボンッ!と音がする。
スレアの方を見るとさっきとはまるで比べものにならない手のひらサイズの目つきの悪い狼(犬)がいた。
「くっそ~。
この姿じゃまるで犬だから嫌なんだぁ」
「…ほら、早く鞄の中に入れ。
この先のスラムに行く」
「えぇ!?
あのズリスに行くのか!!?」
「ああ、ズリスの町なら『あいつ』の情報も手に入るだろ。
なんたってズリスは……
魔物に呪われた町だからな。」
「でも、おれは反対だぞ!」
「…………」
「ズリスの町は確かに魔物に呪われた町だって言われてる!
『あいつ』の情報だって手に入るかもしれない!!
だけど、おれ達の存在は知られちゃいけないんだ。」
「分かってる」
「だったら……!」
「でも、『あいつ』を見つけるには賭けに出るしかない。
どっちが先にオレ達の存在を知られるのか、オレ達が『あいつ』の情報を手に入れられるか、のな……」
「けど………」
「心配するな。
もしかしたらオレ達と同じ奴が…いるかもしんねぇだろ?」
「…………おぅ…
分か………ったよ。」
――――――――――――――――――――――――――…………
ザシュッ
何かを斬る音が不気味な森にこだます。
「ったく、何でここはこんなに魔物がいんのかねェ。」
亜麻色の髪に群青色の瞳をした少年、アノン・クレイブが呟く。
そんなアノンの前には血まみれの人なざらぬ姿をした生き物の死体がありアノンの両手にはその生き物を斬ったであろう剣があった。その剣はしばらくすると人間の姿へと変わった。9歳程度の男女へと……。
「しょうがないわよ。
この町は『あいつ』の本拠地と変わらない。
魔物だって多いハズよ!」
剣から人間の姿へと変わった茶髪のお下げをした少女が言った。
「魔物は『あいつ』が、アディスが造り出した異形な存在。
人を殺す事にしか生きている価値の無い哀しき生き物。
そんな魔物を倒すために俺達武器がいるんです。この世界を護るために……」
「へいへい、分かってますよ。世界を護るためにオレ達救世主がいるって言いたいんだろ?
もう聞きあきたぜ、そのセリフは」
お下げの少女と同じ顔立ちをし丁寧な口調で喋る少年も少女と同じように剣から人へと姿を変えた者。
「でも、黄羚<ウォンレイ>の言う通りよ。
私達武器は人間と変わらない姿をしてるけど魔物を倒すためにいる存在。人間の力じゃ未知な力を持つ魔物には勝てない。だから闘う時には武器になる。
私達のように剣になる者もいれば、銃に変わる者だっている。
それに本来の姿が私達と違って人間じゃない者だっているわ。
アクセサリーが武器になったりする事だってあるし……、もしかしたら動物が武器になったりもするかもしれないしね!」
「ハックシュン!」
「…どうしたんだよ。
スレア、急にクシャミなんかしやがって」
「悪い、………誰か噂でもしてんのかな」
「お前を知ってる奴なんて、そうそういないのに誰が噂すんだよ。」
「それもそうだな。」
ロビンが持っている鞄の中に入っている狼(犬)は笑いながらそう言った。
「ったく、あまり目立ちたくねーんよ。オレは……
静かにしろよ」
「別におれが喋らなくてもお前がどんなに静かにしててもお前は目立つぞ」
「何でだよ」
「……何でって…」
スレアは言葉が詰まる。
ロビンの顔立ちはかなり良くカッコイイの部類に入る。それに合わせ年齢よりも小柄な体格は可愛い、と呼ばれる方だろう。
スレアは何て言ったら困る。何しろロビンは鈍感なため「お前の顔がカッコイイからだよ」と言っても「冗談言ってると捨てるぞ」と言い放つ。しかしだからと言って「背が小さいからだろ」と言えばロビンは背が低いのを気にしているため、そんな事を言えば間違えなく捨てられる。
スレアはため息を吐くと「何でもない」と言い鞄の隙間から出してた顔を引っ込めた。
訳分からないな……。




