目覚めと竹林
ビビビビビ ビビビビビビ
けたたましいアラーム音に驚いて目を覚ます。
叩くようにアラームを止めてノロノロと起き上がると、頭に激痛が走った。
寝る前は何をしたんだっけ。
ああ、そういえば、山のように酒を飲んだ気がする。
まだ、少し寝たい気分だが、起きてしまった以上仕方がない。
布団から這い出ようとすると、体全体が重くて、ちょうど寝過ぎたような気怠さだった。
耐えきれずに、もう一度布団に戻ってしばらく呆けていると、寝ている間の夢を思い出した。
なんとなく、あの竹林に行かなければならないような気がする。
私は痛む頭とだるい体を起こして、薬箱を漁って薬と水を口の中に放り込んで、最低限出かけられるだけの服に着替えた。
なんだかよく分からないけれど、扉から出てはいけない気がして、窓に足をかけて庭のようなところに出た。
もう長い間行っていないような気がするし、道はわからないと思っていたけれど、私の体には刻み込まれていたようで、一切迷うことなく竹林についた。
ただ、夢の中にはあった大量の花弁の絨毯はもうそこにはなく、ただただ土があるのみだった。
さらに、夢の中では、何もない竹林のみの場所であったが、それなりに綺麗なベンチも数脚置かれていた。
なんとなく足早にここまできたため、少し疲れた。
1番手前のベンチに腰掛けようとする。
すると、そこには元は真っ白であっただろう薄茶色の封筒が置いてあった。
私は何かに惹かれるようにして、その手紙に手を伸ばす。
手紙に書かれた内容を読んで、私はハッとして、走り出した。