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第10話 日記後のアフタータイム

2024/10/16 投稿しました。


懲りずに書きました。書見の程よろしくお願いします。


 三人に見つかっちゃダメなんだもん。

 しーだよ。

 しー。

 できるだけ静かに廊下を歩くよ。

 そっとね。そっとだよ。

 次は階段を降りるよ。

 足音を立てないようにね。

 うんしょ。

 よいしょ。

 マンドラゴラの着ぐるみ人型根っことしたふわふわ生地の股下が短く、足裏のゴムぽい何かがペトンとする。

 服の伸びが少なく、そのせいで足が上手く上がらない。

 だからか動きづらく、次の一歩が踏み出しにくい。

 うんしょ。

 こらしょ。

 これが最後の段。

 右腕に力を入れ、壁に体重を預け、ゆっくりと右足を床に付けていく。

 やっこらさ。


「やった」


 誰にも見つからずに到着できたね。

 ボクって偉いんだ。


「じゃあ何からしようかな」


 備品倉庫の一画に設置してある物質転移保存装置MTSDの修復を試みようと思う。といっても、動かない訳じゃないんだよね。

 取り出せない物が多くて、空き容量が埋まっているだけなんだからね。

 所有者が居なくなったので、性質上そのアイテムを保存した者だけが取り出せる保護機能が解除されていないんだ。

 つまり、お婆ちゃんの物はお婆ちゃんだけの物という感じで、他の人が関与できない仕組みになっている。

 だからか、他の人がMTSDを使おうにも、空き容量が無くて、使うことができないんだよね。

 こんなのあっても意味が無いよね?

 だから撤去して、新しく造り直すことになったんだよ。

 でもね、ママとパパはボクに期待はしていないと思うんだ。業者が来るまでの間だけの遊びとして考えているのかもしれないよね。

 だったら驚かせてやろう。

 さっさと修理をして、見返してやるんだ。


「取りあえず、魔力を供給しよう」


 円柱の水槽の光る液体で満たされた、ガラス張りの外枠を支える制御部用の保存石に、ボクは触れていく。

 見上げると、まるで発光したクラゲのような物が浮かんでいるようにも見える。

 その一つ一つが、MTSDに保存されたアイテムになる。

 容器の寸法をメージャーで測ったことがあるけど、水に換算すると、情報子が二千リットル入る計算になる。

 現物の重さで例えると、数トンほどのアイテムを収納することができる。

 その維持のために、十センチ大の保存の魔石が百個ほど使われている。

 このガラス容器の中に何が保管されているのか分からないけど、輝く情報子の数から、その膨大さがうかがえる。


「ふう」


 動力源用の魔力の供給を済ませたけど、やっぱり疲れる作業になるね。

 調べの力で見た限り、二百マージほど持っていかれた。

 今のボクの魔力量は六千マージ。

 マンドラゴラスーツのおかげで、三千の魔力を得ることができている。

 その代わりに、生命力以外の能力値が全て一になるというヘンテコな状態になったんだけどね。

 見た目が変だけど性能がいいから仕方がないよね。


「じゃあ、作業を始めようかな」


 前世の記憶を頼りに、手順を予測する。

 まずは、材料を集めないとね。

 金属の純度を高める合成変換に取り掛かるところから始めていこう。

 合成変換とは、スキル生成する者(クリエイター)のアビリティーになる。

 ボクはその使い方を知っている。

 実際に生成する者(クリエイター)スキルの取得はしていないけれども、合成変換の知識はあるんだよね。

 前世では、そのスキルを使えていた。だからなのか、スキルアビリティーである合成変換を今でも使うことができるんだろうね。

 作りたい物を想像するだけで、イメージが頭に浮かび、設計図が見えてくる。

 特定の人以外でも取り出すことができる人工アイテム袋の形が目に焼き付いてくるよ。


「まずは仕組みのおさらいだね」


 MTSDを誰にでも使えるようにするためには、人工アイテム袋や異界収納箱と云われる【保存門】が必要になる。

 保存門とは、母体となる物質転移保存装置MTSDの出入口。

 その保存門とMTSDが整合することで、任意のアイテムを収納させることが可能になる。

 例えば、保存門に入れたアイテムは、情報とした光に変換される。

 その光が転移して、MTSDに記録されていく仕組みになる。

 取り出すときは、使用者の魔力を消費して、MTSD内の情報子を吸い出し、物質に変換する手間が必要になる。

 そのためには、保存者の魔力がトリガーとして使われることになる。

 だからこそ、取り出したり入れたりするときに、その使用者固有の魔力がキーとなり、MTSDの異空間にアクセスされることになる。

 取り出しのときに魔力の質が違った場合は、保存者ではないことを理由に、MTSDから拒絶されることになる。

 だからなんだよ。

 所有者が居なくなってしまった場合は、取り出すことができなくなってしまう。

 例え強引に復元を試みても、何かしらの物理障害が起き、空間が歪んで、爆発が起きることもある。

 だからこそ、全属性全マナ波長の特性を備えた保存門が必要になってくる。

 ボクは前世で見たことがある。

 そうした場合、使い捨ての特殊なアイテム袋を使うことになるんだ。

 そのためにはまず、魔合成された導体と魔力布が必要になる。

 それをベースに、様々な色合いの保存石に属性力を付与する仕組みを作ることになる。

 そうすることで、使用回数に制限がある特殊アイテム袋を生成することができる。


「まずは、純銅を作るところからだね」


 材料には、銅の延べ棒を使うことにしよう。

 ボクはそれを金属棚から持ってくることにする。


「じゃあ、取ってこよう」


 歩きながらボクは、考えを巡らせる。

 この世界において、純度一〇〇パーセントの金属は魔法のような物。

 創り出すことができるのなら、ノーベル賞も夢ではない。

 その方法をボクは知っている。

 時間は掛かるけど、地道にやっていけばできると思う。


「これかな?」


 あ、違った。

 えっと、どこにあったかな?

 この前見たときは、確かこの辺だったはず。

 遠本家の備品倉庫はとても広い。

 棚が複数在って、天井が高く、コンクリートで頑丈な造りをしている。


「あった、あった」


 これこれ。

 ボクは背伸びをして、三段目の棚に手を伸ばす。


「ん……」


 むう。届かない。

 背伸びをしたら届くかな?


「お、お……」


 届いた。

 でも持てないかも。


「ふん」


 やっぱりダメだ。

 指先だけじゃあ無理だね。


「うーん。どうしようかな……」


 前世と違い、ボクは非力なので、重たい物を持つのが苦手。

 魔力で持ち上げることもできるんだけど、ちょっと前と違い、潤沢に魔力が在るわけでもない。


「そうだ」


 だったらアイテム袋を使ったらいいんじゃない。

 妖精のアームレースに収納をして、出したいところで取り出せばいいんだよ。


「えい」


 思った通りだ。上手くできた。

 後は、広い場所で取り出せばいいよね?

 ボクはなにもない場所に移動して、腰を落とし、コンクリートの床に左手をかざす。

 すると銅のインゴットが目の前に現れる。

 これでようやく準備が整った。

 早速、合成変換を使って精錬を行っていこう。


「えい」


 輝く魔術陣。アビリティーが勝手に形を作ってくれる。

 本当は魔力石が必要になる。

 魔力石を設置して、魔術陣に還元させる必要があるからね。

 でも今は魔力石がない。だから自分の魔力を使って、片手間で直接魔術陣を維持している。

 ボクはインゴットを右手でずらし、魔術陣の上に設置していく。


「うん」


 これで準備完了。

 後は根気の作業。

 合成変換を用い、銅と銅を融合させるイメージを作り出す。

 この作業をボクは精錬合成と呼んでいる。


「ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる」


 魔術陣の中に光が生まれ、渦を巻くように、魔素の輝きが生み出されていく。

 まるで壷の中の液体がかき混ぜられて回転しているかのように、魔素が淡い紫の光を放っていく。

 徐々にインゴットが光沢を増していき、次第に溶け出し、結晶化が進んでいく。

 MPゲージが湯水のごとく減っていく。

 その速度は三秒ごとに減りが起こり、マンドラゴラスーツによって、四秒毎に回復を見せる。

 もうそろそろ頃合いかな?

 立派に育っちゃって、ボクは嬉しいよ。

 銅のインゴットが形を変えて、クリスタルのような結晶に変容する。


「できた」


 早速、調べの力で見てみよう。


 名称 銅結晶

 品質 999

 レア度 A+

 説明 純度一〇〇%の銅金属。その価値は極めて高い。


 いいね。

 イメージの通りにできたね。

 じゃあ次の作業に取り掛かろう。

 今度は魔力布の素体になる布が必要だよね。

 材料は属性がある素材を用意すること。

 今回はアザーで手に入れた物から選んでみよう。


 名称 ゴブリンロードの角

 品質 80

 レア度 A

 効果 緑属性大 火属性中 水属性小

 説明 ゴブリンキングを超えるゴブリンの英雄が持つ角。薬から武具に至るまで素材としての有用性が高く、とても高価な値段で取引される。


 次はどれにしようかな?


 名称 オークキングの牙

 品質 89

 レア度 A-

 効果 闇属性大 風属性中 水属性小

 説明 オークを総べるオークの王から抜け落ちた上あごの牙。長い年月を経て魔力を宿しているため、魔力石に匹敵するほどの力を秘めている。素材としての価値が高く、とても高価な値段で取引される。


 もう一つほど欲しいかな。


 名称 コボルトエクシードの体毛

 品質 101

 レア度 S

 効果 光属性極 闇耐性大 土属性小

 説明 コボルト族の戦士が越精に至った力ある者の体毛。秘められた力は、その個体によって違いがある。あまりにも希少のため、値段が付けられない。


 角に、牙と、体毛。

 どれもそれほどレアじゃないけど、このレベルの素材だったら、それなりの物が作れるはずだよね。

 さっそく、合成変換で錬金をしよう。

 手順はさっきと一緒だよ。

 左手で魔術陣を作り、その上に素材を設置して、ぐるぐる回していくだけなんだからね。


「じゃあ、行くよ」


 ぐるぐる、ぐるぐる。

 糸ができろ。できろ、できろ。

 実際には、回っているわけではなく、光り輝く魔素がその場で循環しているだけなんだけどね。

 でもこれ、気分だから。


「ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる」


 後ちょっとかな。マナの放射線が出ているから、もうすぐ合成物質崩壊現象の終わりが来るはず。

 この輝きが消えた瞬間に、目的の物ができるはずなんだよね。


「お!」


 放射光が無くなった。

 一瞬で煙が立ち込めてきたよ。


「うん、できた!」


 もじゃもじゃの細い糸。これが欲しかったんだ。


 名称 シルクの糸

 品質 999

 レア度 C

 効果 闇属性中 光属性中 緑属性中 水属性中

 火属性中 風属性中 土属性中

 説明 蚕から生まれた繊維でできた糸。一般的に高価な値段で取引されている。


 これで後は布を作るだけなんだけど、今はできないね。

 だって、材料に魔力石が必要なんだもん。

 魔合金属も同じだね。

 純銅と素材はあるけど、魔力石が無いとどうにもならないからね。

 近日中にダンジョン管理局に行ければ、手に入りそうだけどね。



**



「皆、クエストに付き合ってくれてありがとう。今日はもう遅いから落ちますね。明日もよろしくお願いします。それじゃあね。ばい、ばーい」


 早口と要件を伝えた私は、アシスト機能のログアウトに意識を向ける。

 プロセスが起動するまでの間に、ヘッドホンのスピーカーでギルドメンバーの叫び声を把握していく。

 真夜中だというのに、皆さん元気ですね。これから鉱石集めにボット全開。朝まで耐久サイクル採掘。廃狩りイベント周回。毎日クエにイベントキャンペーンポイントの収集。ギルメン補助メインクエ進行。無課金某は少しでも課金某に追いつくために、ゲーム会社のサービスにすがり付く。そういう人ほど廃人が多くて困るんですよ。


 あ、終わった。


 目を開けてすぐにマイクの電源を切る。パーフェクトリクライニングゲーミングチェアから前屈みになり、背筋を伸ばす私はバーチャルエンパシーヘッドホンを外し、机の上に置いて、パソコンモニターのパネルに指をかざす。浮き出るディメンションタッチアイコンを操作し、起動中の動画アプリを終了させる。


「お疲れさまです。素晴らしい冒険でしたね」


 これだからVE型SRPGゲームは止められないんですよ。

 私のキャラクターは、トッププレイヤーとほぼ同じ攻略位置にいる。最前線で戦い、そのシーンを録画している。

 左手で浮き出るアイコンを操作し、プレイ動画を圧縮保存するために、その確認を許可にしたまま処理を待つ。両手をディメンションキーボードから放し、背筋を伸ばす。


「うーん……、あー、終わった……」


 明日はラスボスの攻略に入る予定です。先月の終わりに来た大型アップデートの五大龍降臨の最後に挑戦するため、すでに四体を倒し、残すは黒龍のみ。対空で変身もあるという驚異的な仕様に、リーダーはギルメン全員がそろって参加できるように、今からクエスト進捗が悪い人へのフォローに入るようですね。昼には大学レポートの課題発表があるのに、徹夜で勤しまなければならないと嘆いていました。そのことを全体チャット合成ボイスでささやいていたのを聴いています。


 流石はギルマス。私と同じ重課金某なのに、廃人さながらのプレイスタイルが痺れますね。プロを目指すギルメンにも付いて行くため、切磋琢磨とご苦労なことです。ゲームチューバーの私には無理な行いですね。動画の編集に音声収録の仕事があって、そんなに時間を割くことができないからです。それに、明日からダンジョン実習の授業が始まるのも理由の一つです。


 中等部二年はこの時期になると、秋の大演習体育祭に向けて、準備を行います。本格的に魔物討伐の演習が始まるので、体育の授業が毎日のように入ります。私はAクラスだからお兄と同じです。体育祭では攻略組に選抜させることになると思います。


 B組からE組までは、一年生のレベル上げをします。チーム分けが行われ、一年生全員がレベル五に成れるように指導実習を行います。去年一年だった私は、三年生だったお姉に助けられた記憶が新しいです。特待生でもあるお姉は、全校の見回りを行い、最後は特待生全員を含め、二年A組上位生と千城窟ダンジョンエリアボスの攻略に挑戦する催しが行われます。その時のお兄とお姉の活躍が凄かったですね。


 今年はニルトくんがその役を担うことになりそうです。私も参加することが決まり、今からそのことを考えると、胸が苦しくなります。

 ニルトくんは変な子です。小柄で甘えん坊なところ以外はしっかり者だけど、人とは違うことばかりするから、私は心配です。


 この前だって、一緒に買い物に行った時のことになりますが、デパートの中ですぐ居なくなったんです。私は惜しげもなくサービスセンターで迷子の呼び出しをしてやったんです。すると放送後、すぐにティーンモデルの雑誌関係さんにナンパされているニルトくんが見付かり、見付けた警備員さんに怒られていたんです。その記者さんもまじめ方で、仲裁に入った別の警備員さんも途中から納得し、なぜか引率者の私が怒られる始末になったんです。どういう状況なんでしょうね? 意味が解らなかったです。その後で私もスカウトされることになったんです。


 ああ、どうしよう。

 業界の人に名前と顔を覚えられたから、もう私の経歴がばれているはずですよね? お名刺もいただきましたし、きっと後でゲーム会社のゲリッツ企画担当者さんに伝わって、怒られるかもしれません。こうなったのもニルトくんのせいです。ニルトくんが変な子だからいけないんです。


 そうです。そうなんですよね。ニルトくんは可愛いから、プロデューサーに見つかったら、ゲームのモデルのイメージ広告に出ないかとか云われますよね? あのアシスタントの人も、そういった話になるとトントン拍子に芸能界入りとか言っちゃいそうですし。


 おまけにワーレフとしての素質が高いことを知られたら大変です。

 私もそうですけど、最近ワーレフ芸能人がブームで、若返り健康志向の大衆向けバラエティーが頻繁に放送されています。ニルトくんも若いワーレフとして売りに出せば、必ず有名人に成れると思います。


 おっと、いけない。

 仕事に集中しないと。

 プレイ動画の圧縮が完了したようですね。

 私はすぐにゲリック社が管理するクラウドサーバーにデータをアップします。ゲームチューブ企画担当者の園原さんに、クラウドサーバーの使用を呼び掛け、アドレスとパスワードを記載したメールを送信します。


「これでよし」


 私はモニターの電源をスリープモードにするため、イメージセンサーに命令をしていく。

 するとオペレーションの終了が開始されたので、椅子から立ち上がる。

 もう午前様ですね。

 早く寝ないと朝が辛くなります。

 私はベッドのマットレスに腰を付き、乱れた布団に手を掛けて、広げるようめくり上げる。

 あれ? 堅い。


「ん?」


 なにか居る。

 なに、なに?

 誰か居るんですか? ゆっくりと布団を広げていく。


「なんだ」


 気持ち良さそうに眠っているニルトくんの着ぐるみ姿が現れる。


「驚かさないでください」


 またですか? ニルトくん。

 根っこの着ぐるみから顔だけ出して、可愛いですね。

 すやすやと赤ちゃんの様に両手をぴくぴくと動かしている。

 これで三回目ですよ? 私がオンラインゲームをしている間に勝手にベッドに入ってきたのは。それにしても気持ちが良さそうですね。今なら触ってもいいですよね?

 私は黄色いフードの緑色とした突起物を握る。

 あ、柔らかい。

 お姉の云う通りだ。もふもふですね。この着ぐるみ何でできているんでしょうね。手触りが抱き枕みたいで気持ちがいいです。


「朱火……、ちゃん……」


 何ですか? 私の名前を呼んで。可愛いですね。仕方がありませんから、一緒に寝て上げます。


「ママ……」


 ママってお母さんのことですか? 私はきみのお姉さんですよ。

 ニルトくんが寂しそう。涙を流している様にも見えるので、手を握って上げますね。

 にぎにぎして可愛い。私の手を握り返してきます。

 きみの姉ですよ。義理ではなく、本当の姉妹。

 お母さんとお父さんの話では、遺伝子的にもお母さんとの繋がりがあるらしいのです。

 ダンジョンから生まれた子供だと聞いていますが、前例があるパラリティワールドから来たという認定を受け、元アメリカ人のお父さんの実家の養子になり、最終的に私たちの家族として、迎えることになったのです。


 一人で一カ月間、人類が滅んだ世界で生き延びたという話を聞いています。

 私にはよく分からないですが、ニルトくんがときどき怖い夢を見るようで、寂しいから一緒に寝て欲しいとお願いされることがあります。本当のことなんでしょうね。きっと記憶が蘇り、辛いからなんだと思います。

 かわいそうですね。でも私には、やっぱりよく分からないです。


「ん」


 なんだか甘い匂いがしますね。ニルトくんが隣に居ると、気分が落ち着いてきます。

 私も眠たくなってきました。

 ニルトくん。おやすみなさい。

 明日も明後日もよろしくお願いしますね。

修正履歴

2024/11/23 取り急ぎ誤字脱字変な文章を修正。今後も修正予定です。

2024/12/27 読み易いように全文修正。

2025/7/3 ヤバすぎたので全文修正しました。次は11話です。

2025/8/25 もう少し読みやすいように、微調整をしました。


やっと主人公の設定を公開することができました。※消しました。

次も頑張って書いて行きます。

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