詩 逃げてはいけないと思っていた 勇者
逃げてはいけないと思っていた
絶対に逃げてはいけないと思っていた
どんな状況になっても逃げてはいけないと思っていた
どんな敵が立ちふさがっても逃げてはいけないと思っていた
でも そんなことはなかった
逃げたくなったら逃げても良いと言われた
逃げる必要があったら逃げても良いと言われた
勇者だからといって 無理に戦わなくても良いのだと言われた
勇者であったとしても 無理に戦い続けなくても良いのだと言われた
私は人々の希望であるから 逃げることなど許されないと思っていた
私は人々の未来を担うから 弱い姿を見せるなど許されないと思っていた
でも そうではなかった
そんなことを選択する必要はなかった
勇者でも逃げても良いと分かった
勇者でも挫けても良いと分かった
私は勇者だ
けれど一人の人間だ
「ストーリー」
君は勇者だ。
でも一人の人間だ。
どうしても戦えない時が来ると思う。
その時は、それでも良いんだ。
俺が君を必ず守るから。